オマケ その他のそれから
この話で本当に完結となります。
此処までお付き合いしてくださり、誠にありがとうございました!
★魔の森
この物語の主人公クロウがこの世界に来て直ぐに夜を明かすまで過ごそうとした、瘴気が漂う森。
ドラグノア城が解放される少し前、森の中央付近に何かを掘り起こしたような深い穴と『魔の森』と言われる原因ともなった瘴気を吐きだす魔樹がいつの間にか全て消えていたのを森の集落の民が見つける。
当人(当樹木?)が昼間に自分で動き回れる事が出来るとは言っても、魔の森から外に出た事は一度もなかったので色々と調査されたが何も分からなかった。
★森の集落
『魔の森』に入った事で瘴気に侵されることとなったクロウを毒々しい薬湯で助けてくれた村。
先祖代々『魔の森』を管理してきたが、『魔の森』が事実上消失してしまった今でも深い森の中で遭難してしまった旅人を助けるため、これまでと何ら変わりはないとの事。
瘴気を解毒する薬湯は現存しており、今では一部の食通(?)からのウケが良いらしいが定かではない。
★王都ドラグノア
嘗てヴォルドルム卿の弟であるヴィリアム王によって統治されていたが、謎の王によって取って代わられた際に瘴気が漂う、死の街に変貌。
現在は新陛下となったヴォルドルム卿の命を受けた冒険者などの作業員が城壁を壊し、風の魔術師が内部に風を送って瘴気を外に逃がしているが、この分だとまだまだ時間が掛かりそうだ。
★冒険者の町デリアレイグ
ドラグノアの新しい王となったヴォルドルム卿一家と冒険者達、スラム街にゴロツキが住む街。
貴族街の家主が居なくなった屋敷にドラグノア城の地下牢に囚われていた近衛騎士、騎士、衛兵が住み王となったヴォルドルム卿を助けている。
一部の者達は貴族街を第二のドラグノアとしようと画策もしている。
☆リオーネ
元は代々『魔の森』を管理する一族だったが、謎の現象によって『魔の森』が消失した後も防人の民として、森で道に迷った人達を助けている。
今は里長である大婆様の後継者として色々な事を勉強してはいるが、肝心の大婆様が唯の人間とは思えないほどの高齢で尚且つ物凄い元気だという事で、自身が里長になるのは当分先の事になるだろう。
☆ヴォルドルム卿と、その家族たち
王都ドラグノアでの騒動の後、一家全員無事に帰ってきた彼等はデリアレイグに暮らしていた民からの要望もあって、未だ行方知れずのヴィリアム陛下の代わりとして仮の王位に就いた。
ヴォルドルム卿らと共にドラグノア城と瘴気に包まれている城下町の有様を目にしている皆はヴィリアム陛下が今も尚、生存している事は絶望的と思ってはいたが、誰一人としてその事を口に出す者はいなかった。
奥方であったウェンディーナは王妃としてヴォルドルム卿を支え、更にデリアレイグに再建された魔法学院、兼冒険者養成学校にて校長を務め、今日も少年少女に対して教鞭を奮っている。
長男であるアシュレイは第一皇子としてだけでなく、自ら志望した近衛騎士として父であるヴォルドルムを支えデリアレイグのスラム街を無くそうと、自身の実の弟で同じく近衛騎士に志願した次男テオフィルと、立派な騎士になるべく修行に励んでいる三男シュラウアとともに頑張っている。
一家の四男でありアシュレイ達の末弟でもあるラウェルは、それまでのデリアレイグの住民らに対しての悪行の数々が祟り、スラムのゴロツキ達を除く街の皆から正式な皇子(王位継承者)として認められず、一から冒険者としてやり直して頑張ってはいるが、今でも金と地位を利用しようと画策しては三人の兄達やギルドマスターのレオン老、副マスターのジェレミアに見つかって折檻されている。
彼が心から更生する日は果たして来るのだろうか……。
☆レイヴ(クレイグ)
元はヴィリアム陛下の宰相として傍に就いていたが、今はヴォルドルムからの要望もあって、昔のように【姿見の魔道具】で人間であるクレイグへと姿を変化させて昔同様に宰相としての任に就いている。
彼が実はエルフで、冒険者レイヴである事を知っているのはラファルナの宿で暮らしていた者とギルド職員以外では誰も居なかった。
☆ゲイザム
野心溢れる性格でドラグノアの防衛大臣という外部からの敵を排除するという重大な職に就きながら、外部の敵であるグランジェリド帝国の元皇帝と内通していた、とんでもない人物。
元皇帝がドラグノアの王座に就いた事により、此れまでの働きを評価されて『何でも一つだけ願いが叶えてやろう』と言われた折に『永遠の命』を要望した事により一時殺害され、自分自身が屍人使いネクロマンサーでもある皇帝によって再度命を授かり、アンデッドとして蘇るもヴォルドルムによって皇帝が討たれた事で、結局何もできないまま死の世界に逆戻りすることになった。
顔つきが蝦蟇蛙に良く似ていた事で、本当には蛙の亜人だったのではないかと疑わしき人物。
☆ラファルナ
デリアレイグの魔法学院跡地でドラグノアの時と同様に一見様お断りの宿屋を営んでいたが、この度ヴォルドルム卿が王位に就くと同時に魔法学院、兼冒険者養成学校を再建させた事で宿屋の経営は終わると思われたが、ウェンディーナや冒険者、学院に入学予定の街の子供たちの要望により、食堂の女将として復帰して今も変わらず厨房で旦那とともに剛腕を振るっている。
☆イディアと妹エリスと、ついでにグリュード
グランジェリド帝国との国境に於いて助けあったのが小さな切欠となり、その後ヴォルドルム卿らとともにドラグノアを奪還した後、何の因果か少しずつ距離を縮めていき、最終的には付き合う事となった。
今でもイディアからグリュードを呼ぶときは『筋肉ダルマ』もしくは『筋肉馬鹿』、グリュードからイディアを呼ぶ場合は『阿婆擦れ』や『行き遅れ』などと傍から見れば罵り合いに過ぎないが、本人からしてみれば照れ隠しのようにも見て取れる。
イディアの妹エリスはグリュードの事を其処まで嫌いではなく、いつか『お兄ちゃん』と呼んであげようと思っているが、それが本心からの物か、それとも冗談交じりでの事なのか……答えは本人しか知り得ない事だ。
☆ドラグノア王女リュカローネ(リュカ)と自称護衛のシュナイド
主人公クロウの義理の妹を名乗って森で暮らし始めた彼女だったが、ドラグノアを支配していたグランジェリドの元皇帝が倒された後でも、自らの伯父であるヴォルドルム卿がいるデリアレイグに帰る事は無かった。
聞けば『此処が私の住むべき場所だから、何処にも帰る事は無い』との事だ。
森にくる前後の時期には俺を目で追っていたが、最近は竜人族のザントが気になっているらしい。
ちなみに仮の長老だった、大罪人として処分された竜人族ラグルの世話係に就いていた、もう一人の竜人族の女性は何時の間にか誰にも気づかれる事なく、その姿を消していた。
彼女を追って森にやって来た自称護衛のシュナイドはというと、毎日毎日飽きずに獣人族の既婚女性に声を掛けまくっているとのこと。
その風景を目の当たりにして、一時期は俺と長老たちは彼が森に住むことを許可した事を後悔していたが、当の声を掛けられている既婚女性の方は最初こそ煙たがっていたが、今では慣れてしまったのか若い男に声を掛けられて、いつもとは違う畑仕事や食事の世話をすることに喜びを感じているようだった。
☆副ギルドマスターのジェレミアとギルドマスターのレオン老
彼等はギルドの代表者兼Sランクの冒険者を務めているのだが、何故か俺が森に帰って来てから約4年が経過した頃、身体の彼方此方に傷を負ったボロボロの姿で2人横に並んだ状態で森に姿を現した。
ジェレミアは兎も角としてレオン老は結構な齢のはずなんだけど、よくあのベヘモスやウォームを代表する危険地帯をたった二人だけで踏破したものだ。
聞けば俺とリュカ以外の人間で、どちらが先に森に辿り着くかでギルドマスターの座を競っていたんだそうだが、俺が4年前に既にシュナイドが一人で殆ど手ぶらで森に来た事を話すと愕然としていた。
ちなみに勝敗はタッチの差でレオン老の勝利だったため、ギルドマスターと副ギルドマスターの立場は変わる事はないとの事だが、後でレオン老と話をしてみたところ近々隠居する予定との事でどちらにしても待っていてば、自動的にジェレミアがデリアレイグのギルドマスターになっていたそうなのだが、当のジェレミアが納得しなかったとの事で今回の競争と相成ったらしい。
というか、レオン老って今は一体幾つなんだろうか……?
そして俺はというと、ヴォルドルム卿が王位に就いて凡そ30年後……。
「ねぇパパ、虫取りに行こうよ」
「駄目だよ。パパは私とママと一緒にお料理するんだから!」
「おじいちゃん。お肩たたいてあげるね」
精霊と契約している御蔭で年を取らないのは良いけど、見た目20代で『おじいちゃん』と呼ばれるのはちょっとな。
たぶん後々には曾御爺ちゃんとか言われるんだろうな……。
この世界に現代みたいなそういう言葉があるのかどうかは分らないけど。
最初の頃には予想も出来なかった20人を超える獣人女性の嫁さんに、30人近くもいる子供たちと10人ほどの孫という大所帯となってしまっている。
森の自宅も30年前の大きさの3倍になり、更に外から沢山の木材で補強されて2階3階も作られてるし。
ドワーフ族長老のヴェルガは厳つい顔をふにゃふにゃにして、俺の腕と比べて何倍もある二の腕に子供をぶら下げて遊んでいる。
エルフ族長老のメレスベルは30年前に既に900近かった可也の高齢なのだが、生まれた子供を見た瞬間に若返ったかのように元気になってしまった。
聞けば俺の血が繋がった子供を100人見るまでは死ねないと意気込んでいるようだが、100人達成したら次は200人、300人と延々に行きそうで少し怖い。長生きする事は良い事なんだが……。
幾らメレスベルがハイエルフだからと言って、800年以上も生きるのは流石に珍しいとの事らしい。
水棲族長老のミルメイユも他の水棲族と協力して、子供たちに泳ぎの練習をさせている。
子供たちは獣人である自分達にはない魚のヒレが珍しいのか、大勢の子供から寄ってたかってヒレや尻尾を引っ張られてしまい、水棲族であるにも拘らず大量に水を飲んでしまい、咽かえっているのも良い笑い話だ。
『河童の川流れ』って言葉もあるけど、ミルメイユって一応魚みたいな物なんだよな。
こうして俺は何時までも若いままで年をとる事もなく獣人の嫁、子供、孫、曾孫、玄孫等とともに暮らして行くのだった。
最後にちょっとした豆知識 (wikiより)
子⇒孫⇒曾孫⇒玄孫⇒来孫⇒昆孫⇒仍孫⇒雲孫となります。