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異世界帰りの勇者、フルダイブMMORPGゲームでも勇者として無双する~やりたい放題チートしやがって?ただの地力ですがなにか?~  作者: まんじ(榊与一)


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第3話 母親

結局、犯罪の証拠などないので俺は翌日に開放される。

正に正義は勝つって奴である。

ざまあみろ。


「翔!」


拘置所から出されると、変なおばさんが此方へと小走りで駆け寄って来る。

金持ちっぽい見た目のおばさんで、その後ろには七三のスーツ姿の男が。


誰?

見覚えのない相手だ。


大した相手ではなさそうだが、俺は一応軽く身構えておく。


走ってきて、いきなり隠し武器で攻撃されるかもしれないからな。

異世界では人間に化けた魔物が良く使ってきた手だ。

まあ、この世界に魔物なんていないからないとは思うけど……念のため。


「どちらさんですか?」


おばさんが俺の目の前で止まる。

攻撃する意思はないように見えるが、まだ油断するのは早い。

知り合いのふりをしている以上、警戒しとかんと。


「ああ、ああ……分からないのも無理ないわよね。なんて説明すればいいのかしら」


なんか感極まった感じだな。

なにをそんなに喜んでいるのだろうか。


「翔……貴方は知らないかもしれないけど……私は、貴方のお母さんなのよ」


「はぁ?」


なに言ってんだこのおばさんは?

薬でもやってんのか?


「急に言われても、戸惑うのも無理ないわ。でも、本当の事なのよ」


「園崎さんの言ってる事は事実だ。戸籍上、君を生んだお母さんは彼女で間違いない」


刑事までそんな事を言ってくる。

おばさんだけなら俺を騙そうとしてって考えるんだが、刑事がそれに乗っかるとも思えない。


ならこの人が俺の母親?

いやいや、俺にはちゃんと母親いたし。


「此方をどうぞ」


七三の男が紙を渡してくる。


「なんだこりゃ?」


「私の戸籍謄本よ」


目を通すと――そこには父親との離婚歴と、その間に翔という名の子供が生まれている事が記されていた。


「つまり……あなたが親父の前妻で、その間に俺が生まれたって事」


離婚は俺が生まれてすぐっぽい。


「ええ、そうよ」


うーん……戸籍を見る限り、確かにこの人は俺の母親の様だ。

けど、両親はそんな事一言も言ってくれなかったんだけど……あれか?ドラマとかだと20になったら話そうって感じのがあるし……俺が20歳になったら二人は話す気だったとか?


けど、両親は俺が19歳の頃に亡くなっていて……


「5年前。急にあなたが消えたってアパートの大家さんが警察に連絡されて、それで私の所に連絡がきたの。ずっと貴方を探してたのよ……」


俺の母親らしき人物が、俺を抱きしめようとしてきたのでそれをひょいと躱す。

まあ血は繋がってるんだろうけど、さっすがに初対面の人物と感動の御対面って気にはなれないしな。


「ご、ごめんなさいね。急な事だったから驚いちゃったわよね」


「ええ、まあ。ちょっと……」


対処が難しい。

24歳にして初めて対面する母親に対する接し方なんて、分っかんねーしな。


「そうよね。あ!こんな所で立ち話もなんだから、場所を移しましょう」


「はぁ……」


俺は生返事を返す。


正直、今更母親よって出てこられてもなぁ……


金を持ってそうなので、暫くお世話になるのが無難だとは思う。

なにせ、今の俺は無一文な訳だからな。


ただ……あんま、人の純粋な好意を利用するってのは好きじゃないんだよなぁ。

一応、正義の勇者ですし。


「あ、そうだ!俺の金塊は?まだ返して貰ってないぞ」


金塊が返ってきてない事を思い出し、俺は警察に詰め寄る。


「あれは駄目だ」


「は?なんでだよ」


「犯罪に関わってる可能性があるからな。調査が終わるまでは此方で預かっておく」


本人が解放されるのに、なんで金塊が犯罪に関わってるって事になるんだよ。

こいつまさかネコババする気じゃないだろうな?


「盗むなよ?」


「失礼なことを言うな。そんな真似はせん」


「……盗んだら偉い事になるぜ」


これは警告だ。

俺は自分の物を盗まれて、それを笑顔で済ますような度量はない。

召喚前なら、色々と我慢してただろうけど、今の俺には力がある。

なので、もし金塊をチョロまかしたりしたら、それ相応の報復はさせて貰う。


「せんと言ってるだろうが。少しは警察を信じたらどうだ?」


「へいへい」


金塊は帰ってこない、か。

まあ戻って来ても換金できる保証もなし。

しょうがねぇ。

このままじゃ不便極まりないから、ここはこの初対面の母親を頼るとしよう。



拙作をお読みいただきありがとうございます。


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