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奇妙な関係

「そういうわけで、貴方は友達が必要――そして、私は貴方と性的な関係を持ちたい。なので、この申し出は双方に有益――即ち、ウィンウィンというわけです。それとも、セフレはお友達に含まれませんか?」

「……いえ、そういうわけでは……ただ、いくら桜野さくらのさんと知り合いになるためとは言え、流石に方法が方法かと……」

「……いや、もう知り合いではありますよね? ひょっとして、意外と天然さんですか?」



 そう、楽しそうに微笑み尋ねる白河しらかわさん。そんな彼女にたどたどしく答えると、些か呆れたような表情かおへと変わり……うん、ご尤も。でも、いざあのように言われてしまうと、ひょっとしてまだ知り合いですらなかったのかなと――


「――まあ、それはともあれ……本当に、それで良いのですか?」

「…………へっ?」

「そもそも、今まで貴方はご友人がいなかったのでしょう? そして、恐らくは自分には無理だと諦めていることでしょう。となると、あの人の『お知り合い』にすらなれませんが……彼女に対する貴方の想いは、その程度のものだったのですか?」

「……ですが、それは貴女を……」

「――私を傷つけないため、とでも言いたいのですか? だとしたら、聞き苦しいことこの上ありませんね。そもそも、私の方から申し出ているのに、私を理由にお断りするのはどう考えても筋が通っていないかと。ご自身の臆病さの言い訳を、私に求めるのは控えていただけたらと」

「…………」


 そう、僕をじっと見つめ告げる白河さん。きっと、彼女の言葉は正論。だから、こんな気持ちになる権利はないのだろうけど……それでも、多少の苛立ちを自覚しないわけにはいかなくて。なので――



「――それでは、白河さん。僕の目的のため、遠慮なく『利用』させていただきますが……本当に、それで宜しいですか?」

「ええ、もちろんです。それでは、今後とも宜しくお願いしますね、三崎みさき先輩?」


 そう尋ねると、ニコッと満足そうに微笑み答える白河さん。……うん、すっかり掌で転がされた気がしないでもないけど……まあ、所詮は僕だしね。



 ともあれ――こうして、初対面の二人による何とも奇妙な関係がここに結ばれたわけで……うん、どうしてこうなった?





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