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セフレはお友達に含まれませんか?  作者: 暦海
第1章

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53/122

神聖な空間?

「……そ、その、僕は、三崎みさき奏良そうらと申します。その、お初にお目にかかります」

「……いや、初っ端からそんな衝撃の挨拶をされるとは思いもしなかったんだけど」



 それから、数時間経て。

 何ともたどたどしい僕の挨拶に、何とも呆れたご様子で答える鮮麗な少女。……うん、ほんと何を言ってるんだろうね。ふぅ、深呼吸、深呼吸。


 さて、そんな滑稽な僕がいるのは――なんと、桜野さくらの家の玄関の前。そして、目の前には当家の娘さんたる灯里あかりさんがおはするわけでして。



 さて、事の経緯はというと……いや、改めて説明するほどのものでもないのだけども……笹宮ささみやくんと僕が一緒に勉強をすると知った桜野さくらのさんが、なんと自身の家で三人で勉強をしないかと……うん、何が起こったのでしょう。ひょっとして、僕は今日死ぬのかな?


 ともあれ、遺書の内容を考えつつお邪魔しますと頭を下げ神聖な玄関へおずおずと足を。そして、神聖なリビングを横目に神聖な廊下を進み神聖な階段をゆっくりと踏みしめ上がっていく。そして、到着したのは可愛いクマの装飾が施された扉の前――言わずもがなかもしれないけど、あの桜野さんのお部屋の前で。


 そっと手を当て、深く呼吸を整える。否が応でも早鐘を打つ、自身の左胸へと。……うん、今からこの神聖な空間へと足を踏み入れるわけだけど……だけど、その前に――



「……あの、桜野さん。本当に今更なのですが、自宅へサングラスを取りに――」

「なんでだよ」


 たどたどしくそう口にするも、即座にツッコミを入れる桜野さん。……いや、もちろん分かってますよ? このお部屋から放たれるであろう神聖なお光を、たかだかサングラス如きで防げるはずなどないことくらい。それでも……うん、まあ、一お……あっ、そもそも持ってなかったや。




「……ここが、桜野さんの……」

「……あんまし、ジロジロ見ないでほしいんだけど」

「……あっ、すみません! ですが……その、少々お祈りを捧げても――」

「どこにだよ」



 それから、ほどなくして。

 敬虔な気持ちを携えつつ、視界に映る神聖な空間――桜野さんのお部屋をぼんやりと眺める。白を基調とした空間の右の隅に勉強机、左の隅に本棚、そしてその間に可愛いぬいぐるみが並んだベッド――そして、中央にお菓子と飲み物の置かれた円卓という光景で……うん、また鼓動が高鳴って――


 ともあれ、桜野さんの言葉を受け円卓の前へと腰を下ろす。……えっと、どうすれば……やはり、ここは小粋なトークで場を盛り上げ……うん、できるわけない。さて、だとするとどうし――



「……ねえ、三崎。ちょっと、聞きたかったことがあるんだけ――」



 ――ピンポーン。



「……やっと来たよ、奨斗しょうとのヤツ。それじゃ、ちょっと出てくるね」

「……あ、はい……」


 すると、柔らかな微笑でそう言い残しお部屋を後にする桜野さん。言いかけていた言葉は大いに気になるものの……ふぅ、良かった。二人っきりだとどうすれば良いか分か……いや、二人そうじゃなくても分からないか。



 




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