流石にそれはないかな?
「……すごいです、笹宮くん」
「さっすが、やるじゃん奨斗」
「へへっ、だろ?」
それから、ほどなくして。
そう、それぞれ感想を口にする僕ら。そして、そんな僕らにVサインで答える笹宮くん。いや、僕らにというよりは桜野さんに、かもしれないけど――それはともあれ、なんと一投目にストライク……うん、すごいなぁ笹宮くん。
その後、桜野さんがスペアで続く。だけど、褒め称えるも彼女の表情は何処か複雑で。……ひょっとして、ストライクじゃなかったから? スペアでも十分にすごいと思うんだけど……あっ、それとも僕なんかに褒められたのが気に入らな……いや、流石にそれはないかな? 流石に、そこまで嫌われてはいな――
「……どうかした、三崎?」
「……あっ、いえ何でも」
「そっか。それじゃ、頑張ってね三崎」
「頑張れよ三崎!」
「はっ、はい、ありがとうございます!」
そして、ほどなくお二人のありがたい言葉を受けレーンへと向かう僕。……うん、ほんと緊張してきた。もちろん、お二人みたく上手く出来るはずもないけれど……それでも、せめてそこまで無様にはならないよう……ならないよう――