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セフレはお友達に含まれませんか?  作者: 暦海
第1章

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30/122

実は達人?

「……いや、驚きました。ひょっとして、意外と土壇場に強いタイプですか? 意外と」

「……いや、そうでもないかと。正直、きっと僕が一番驚いてますし」



 それから、ほどなくして。

 香ばしい匂い漂う中、ゆっくりと歩を進めつつ尋ねる白河(しらかわ)さん。大きく目を見開いたその表情からも、本当に甚く驚いているようで。……まあ、僕も驚いてるしね。もちろん狙っていたとはいえ、よもや本当に命中するとは。……ところで、意外って二回言いました? どうやら、よほど意外のご様子で。


「……ともあれ、先輩の勝利ですが……それ、どうするつもりです? やはり、桜野(さくらの)先輩をお誘に?」

「……いや、それは流石に……」


 すると、敗北の悔しさなどつゆ見せず楽しそうにそう問い掛ける白河さん。まあ、実際そこまで悔しいわけでもないのだろう。僕も、勝利したからこんなに楽しいわけでもないし。ただ、彼女と一緒だからこんなにも楽しいわけで。 


 ともあれ、誘うとは最後に取った景品――二泊三日のグアム旅行ペア招待券のことで。……いや、誘いませんよ? 突然……いや、突然でなくとも僕がグアムに行きませんか、なんて誘おうものならドン引きされる以外の未来がまるで見えてこな……いや、ドン引きならまだマシで。最悪、もう顔も合わせてくれない可能性も……まあ、それはともあれ――



「……あの、白河さん。その、もし宜しければ……」


「…………へっ?」



 そう、券を差し出し告げる。すると、さっきまでの表情が一転、ポカンと目を丸くする白河さん。……まあ、そうなるよね。よもや、こんな重いものを渡されるなんて思ってもなかっただろうし。だけど――



「……正直、僕が持ってても仕方がないので。パスポートもないですし、夏休みが終われば纏まったお休みもないですし。尤も、纏まったお休みがないのは白河さんも同じかと思いますが……もし不要でしたら、どなたかにお渡しいただけたらと。例えば、ご友人でも……ご両親でも」


 そう、続けて口にする。すると、少しの間があった後――


「……ふふっ、そういうことですか。実は、ちょっと気になってはいたんですよね。あの最後の一射だけ、それまでとは何処か違ったと言うか……さながら、達人のような雰囲気だったと。……まあ、そういうことなら……はい、ありがたくいただきますね、先輩?」


 そう、クスッと微笑み告げる白河さん。……いや、達人だなんてとんでもないし、それまで手を抜いていたつもりもないんだけど……でも、彼女がそう言うのなら無意識であれそうなってたのかも。




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