ちょっと気になって。
「――それでは、失礼します。お疲れさまです、秋奈さん。そして、本日もありがとうございました」
「お疲れさま、奏良さん。こちらこそありがと、気をつけて帰ってね」
「はい、それではまた」
それから、数十分経て。
ほんのり暗くなってきた空の下、扉の前にて改めて挨拶を交わす僕ら。うん、今日も楽しかった。お客さんもみんな優しいし、それに秋奈さんとの時間もとても楽しくて――
「……あの、秋奈さん。つかぬことをお聞きするのですが……僕らって、お友達でしょうか?」
「…………へっ?」
ふと、そんなことを尋ねてみる。すると、ポカンと目を丸くする秋奈さん。……まあ、それはそうだよね。突然にもほどがあるし、そもそも質問自体が謎でしかないだろうし。
……だけど、ちょっと気になって。自分でも烏滸がましいとは思うものの……それでも、仕事のこと以外もお話ししたりもするし……ひょっとしたら、僕を友達だと思ってくれている可能性も決して皆無とまでは――
「……うーん、そうだね。私としては、友達だとは思っていないし……正直、そうなりたくもないかな。ごめんね?」
「…………そう、ですか。いえ、こちらこそ突然、変なことを聞いて申し訳ありません」
すると、仄かに微笑みそう口にする秋奈さん。……うん、そうだよね。彼女は、あくまで戦力として僕を評価してくれているだけ。なのに、僕ときたら仲が良いのではと勝手に思い上がって……うん、ほんと恥ずかしい。




