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セフレはお友達に含まれませんか?  作者: 暦海
第1章

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中々に鈍い?

 すると、疑問の最中さなかふとそう告げる白河しらかわさん。心做しか、たいそう誇らしそうな微笑で。そんな彼女に、僕は徐に口を開いて――



「……えっと、美少年……?」

「……うん、まあそうなるかなとは思いましたが。以前まえにも申し上げたはずですが、きっと覚えていないでしょうし」


 すると、呆れた様子でそう口にする白河さん。……いや、覚えてはいますよ? 覚えてはいますけども……ただ、それはそれとして――


「……ですが、白河さん。その際、同時に仰っていませんでした? 美少年だけど、地味で陰キャラでコミュ障ゆえに、皆さんからは蛇蝎だかつの如く嫌われていると」

「いやそこまでは言ってませんよ。と言うより、そこまでいくともはや捏造ですよ。勝手に台詞を改竄しないでください」


 そう尋ねてみるも、心外といったご表情で反論する白河さん。……うん、言ってないね。陰鬱な雰囲気ゆえ、周囲からはあまり良いイメージを持たれていないのではないか――みたいな感じだったかなと。


 ……ただ、そういうことなら――


「……あの、でしたらやはり先ほどの――僕に見蕩れていたなどというご妄言とはやはり矛盾があると思うのですが……」

「あれ、今ご妄言とか言いました?」


 そう、控えめに尋ねてみる。そう、だとしたらやはりあの状況――さっきの廊下での状況の解釈としては矛盾があるような――


「……まあ、先輩の疑問も尤もでしょう。ですが、私が申したのはあくまで当時の話――今となっては事情が異なります。あれからまだ一ヶ月ほどではありますが、先輩は変わりました。以前の陰鬱な雰囲気は多少なりとも改善されました。尤も、そこまで鮮明に変わったわけではないので、同学年の――とりわけ、クラスメイトのように以前までの貴方の印象が出来上がっている方々はすぐにはその変化に気が付かないかもしれませんが」

「……そう、なのですね……」


 すると、僕の疑問に理路整然と説明をしてくれる白河さん。……なるほど、そういうことで……いや、変わったなんて自分では分からないけど……それでも、今の説明に少なくとも僕の方から反論できる論理も持ち合わせていなくて。


 ……ところで、それはそれとして――


「……あの、白河さん。質問ばかりで申し訳ないのですが……ですが、それが僕が教室へお伺いすることと、どのように繋がるのでしょう……?」

「ふふっ、構いませんよ。そうですね、主たる理由ですが……教室に姿をお見せになった際、何処かから他とは異なる視線を感じませんでしたか?」

「……他とは、異なる……あっ」

「ふふっ、覚えがあるようですね」



 そんな彼女の問いに、記憶の糸を手繰ってみるとふとハッとする。……そう言えば、白河さんが笑顔で僕の方へと近づいてきた時……こう、疎らに敵意のような視線を――



「――ええ、幾人の男子生徒の視線です。これでも中々にモテますので、私」



 そんな回想の最中さなか、何処か不敵に微笑み告げる白河さん。そんな彼女に、僕は困惑しつつ口を開いて――



「……いえ、これでもも何も、モテることには一切の疑問もありませんよ? 言わずもがな、白河さんは容姿も内面もとても素敵な方――モテない方が疑問なくらいです」

「……お、おぉ、よもや不意打ちがくるとは……その、ありがとうございます、奏良そうら先輩」

「……不意打ち? まあ、それはともあれ、それが僕が教室にお伺いすることと――」

「……うん、大方分かってはいましたが中々に鈍いですね、先輩。……ほら、先ほども申したように先輩は類稀なる美少年――そんな貴方が卒然、私に逢うべく教室へ現れたら彼らはどのように思うでしょう。この時点では彼氏とまでは思うか分かりませんが、それに近い関係とまでは推測するのではないでしょうか?」

「……それは、確かに……」

「でしょう? そうなれば、みなとは言わずとも彼らの大半は思うでしょう。自分では敵わない、と」

「……つまりは、彼らに白河さんのことを諦めていただくため、と」

「はい、ご明察です」


 すると、満足そうにそう口にする白河さん。……なるほど、そういうことか。尤も、僕ごときにそれほどの効果が期待できるかどうかは甚だ懐疑的だけれども……それでも、僕を教室に呼んだその意図は理解できて――



(……まあ、それだけでもないんですけどね)

「…………ん?」

「いえ、何でもありませんよ」


 すると、ふと微かに届いた声。尤も、その内容までは聞こえなかったのだけど……まあ、別に良いか。彼女自身が何でもないと言ってるわけだし。


 




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