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評判?

「……お、おかえりなさいませご主人さま!」

「……あ、はい……その、可愛いね。すっごく」

「あ、ありがとうございますご主人さま……」



 それから、しばらくして。

 二年B組――本日は可愛いカフェと化している教室にて、たどたどしい口調でお客さまを出迎える僕。……その、可愛いだなんて恐縮です。


 さて、開店から一時間ほど経過したのだけど――大変ありがたいことに、これが何とも盛況で。店内はほぼ常に満席、そしてすぐ外には長蛇の列が出来ていて。



 その後も、お客さまをお迎えしてはぎこちなく接客をする僕。それでも、不服を示すお客さまはほとんどいなくて……うん、ありがとうございます皆さん。


 ……ところで、聞いたお話によると……何やら、当店のメイド男子が大いに評判になっているとのことで。そして、当店にて他のメイドさんは皆女子なので、必然そこに該当するのは僕ということになるのだけど……だけど、大いに評判となると、それはやはり誤情報ではないかと――



「……………あ」


 そんな思考の最中なか、ふと声を洩らす。と言うのも、目の前に何とも楽しそうに僕を見つめる清麗な少女の姿があって。……いや、驚くことじゃない。事前に言われていたし、何も驚くことじゃないんだけども――


「――おや、どうなさいました? ほら、ちゃんとお迎えしてください。さっきまで他の方になさっていたように。あっ、ちゃんと名前もつけてくださいね? もちろん、ファーストネームを」


 すると、楽しそうな微笑のまま希望を述べる黒髪の美少女。……いや、元々そういう制度システムじゃなかったんだけども……でも、他にもそういう希望をなさるお客さまはいたので、ここでお断りすると差別になってしまうのかも……なので――



「――お、おかえりなさいませ……その、ふ、冬雪ふゆお嬢さま」

「ふふっ、ただいまです奏良そうら先輩」



 そう、ぎこちなくも告げる。すると、たいそう満足そうな笑顔でお答えになる冬雪お嬢さま。……うん、やっぱり来ちゃったんだね。







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