どんなご用事?
「――みんなお疲れ! また明日も頑張ろうね」
「うん、お疲れ〜」
それから、数時間経て。
そう、パンと手を叩き告げる中山さん。そして、そんな彼女にそれぞれ笑顔で答える皆さん。……うん、皆さんお疲れさまです。
ところで、今更ながら中山さんはクラスのムードメーカー的な存在で、この文化祭の準備では率先してクラスを引っ張ってくれていて……うん、こういう人がいてくれると本当にありがたい。僕にはまず無理だし。
その後、ほどなく教室を後にする僕。少し先に終わったらしい白河さんをあまり待たせるわけにもいかないので、少し足早に昇降口へと――
「――すみません、三崎先輩。今、少しお時間いいですか?」
「…………へっ?」
ふと、後方から僕を呼ぶ声。それは、確かに覚えのある声……なの、だけども――
「……はい、もちろんですけど……どうかなさいましたか? 弓島さん」
そう、戸惑いつつ尋ねてみる。……えっと、どうしたのだろう。ここは三階――基本的には二年生のフロアであり、学年の異なる彼女と偶然会うことは絶対とは言わないまでもほぼないかと。なので、恐らくはわざわざ僕に会いに来たのだろうけど……でも、そこまでしていったい僕にどんなご用事が――
「……その、次の休日とかって空いてますか?」
「…………へっ?」