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告白
「…………ふぅ」
ある日の、放課後のこと。
ふっと、深く呼吸を整える。そんな僕がいるのは沖縄県の公立校、斎叡高校の屋上。なぜかと言うと――この場所で、ある生徒と待ち合わせをしているためで。
「…………ふぅ」
再度、呼吸を整える。……もちろん、分かってる。これが、過ぎた行為だってことくらい。地味で陰キャラでコミュ障で根暗で……あれ、なんか意味かぶった? まあ、それはともあれ――そんな、言わずもがな所謂カーストの最下層にいるこんな僕が、なんとカースト最上位の女子生徒に告白しようというのだから過ぎた行為の他なんでもない。……まあ、そもそも僕の場合、誰に対してであれそうだろうけど。
だけど、この期に及んで逃げても仕方がない。と言うか、逃げられない。だって――
「――それで、何の用? 三崎」
そう、萌黄色の髪を靡かせ問う鮮麗な少女。たった今ここに姿を見せた、まさしく僕が待っていたクラスメイトの女子生徒で。そんな彼女に対し、震えた唇をどうにか開き言葉を紡ぐ。
「……あの、桜野さん……どうか、僕とお友達から始めてください!」