Ⅵ 絶望を打ち砕け
エルフの里に飛んできたアズラー、、、
そして、上に飛んでいると男の一人が気づき、団長を呼ぶ。
しかし、アズラーの詠唱魔術は、、、
「あ、お帰り~。」
「ん、ただいま。」
「薬草集めはどうだった?」
「なかなか取れたよ、ほら。」
「本当ね、これならたくさんポーション作れそうね。」
「ポーション作ってどうするの?」
「怪我をしている人たちに配るの。」
「そう。」
「ポーション作り終わったら、教会に行くの~?」
「そうね、まだ細かくは見てないからね。」
「は~い。」
~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~
その一方で、エルフの里に飛んで行ったアズラーは、その上に飛んでいた。
「ここが、エルフの里か、、、」
「さてと、どうしようかな~。」
「ん?おい、あの上に浮いてるのなんだ?」
「は?ここはエルフの里、隠蔽魔術が掛かってんだぞ?」
「でもよ、ほら、アレ。」
そうエルフの男が指をさし、もう一人の男も指先を見る。
「たく、何だよ、、、」
「は?本当に浮いてんじゃねぇか、おい!!族長に知らせるぞ!!」
「あら?見つかっちゃったかもな~、てか、目良いな~。」
「族長!!我らの里の上に何者かが浮いております!!」
「何を言って居る。」
「ほ、本当でございます!!」
「ふぅむ、なら、おぬしが見てこい、団長。」
「かしこまりました、族長。」
団長と呼ばれる、エルフの男が承諾をし、二人の男たちと歩いていく。
「おいおい、本当に、浮いてんじゃねぇか。」
「えぇ、そうなんですよ、どうしますか?」
「あ~、おい!!あんた!!」
「ん?」
「あんたは!!何が目的だ!!」
「あ~。降りた方がよさそうだな。」
アズラーがそう判断し、エルフの里へと降りる。
「だ、団長、、、お、降りてきましたよ、、、」
「あぁ、そうだな、、、」
「で、俺になんか聞いてか?」
「あぁ、あんたは何が目的だ?」
「あ~、そのことか、それなら、エルフの里を潰しに来た。」
「そうか、、、なら、敵か、、、」
団長がそう判断し、槍を構える。
「最後の警告だ、去れ。」
「無理。」
アズラーがそう返事をすると、団長が槍を突き出す。
「しっ。」
「!?」
アズラーが反応をする。
「あっぶな、、、はえぇな。」
「まじか!?今の避けるか!?」
「いや~、危なかったぜ、あんた相当強いな。」
「は、避けたあんたに言われたくねぇな。」
「本当に強いぜ。」
アズラーの言う通り、団長と呼ばれるエルフの男は、この世界では上位に分類される。
その強さは、「神槍」と並ぶほどである、しかし、相手が悪すぎた、今、団長と呼ばれる男が相手にしているのは、女神に愛され、万物を従える、そんな怪物であった。
「ま、長居しても意味ねぇし、悲しいけど、これでおさらばだな。」
アズラーがそう言い、上空へと上がっていく。
「また、上がるか!!」
「さようなら、エルフの里よ。」
アズラーがそうつぶやき、手のひらに魔力を集める。
「!?、おい!!族長を非難させろ!!」
「え!?は、はい!!」
団長がそう叫び、男たちを走らせる。
「さてと、この私の命をもってどれほど時間を稼げるかな?」
「う~ん、このエルフの里を消すには、詠唱が必要か。」
アズラーがそう言いながら、詠唱を始める。
「原初なる炎よ、万物を焼き尽くし、万物を溶かし、生命の命を燃やせ。
神炎魔術 万象を焼き尽くせ」
アズラーがそう詠唱を言うと、手のひらに、小さくも空間をゆがますほどの高温の炎が現れる。
「は、はは、、、何だよ、、、アレ、、、どうやっても、、、どうやっても!!無理じゃねぇかよ!!俺たちが何をした!!」
「お前たちは、二人の少女を追い出したな?」
「は?何言ってんだ!!」
「覚えていないか、、、ならば、魔法を使うことのできる少女と炎の祝福を受けた少女を追い出したな。」
「!?ど、どうして、、、それを知っている!!」
「その者たちは、私の知り合いでな、その者たちの思いと私の思念で潰すことにした。」
「は?そ、そんなことで、、、」
「お前たちにとっては、そんなことでも、当人たちには軽いものではない、今、お前たちの目の前にある絶望は彼女たちが幼き頃に味わったものより、軽いものである、お前たちは幼子に一生消えぬ傷をつけたのだ、故に、私はこのエルフの里を潰す。」
「は、はは、、、こんなことなら、、、こんなことなら、、、」
団長がそう言葉をこぼしながら座り込む。
「さて、では、さようならだな。」
アズラーがそう言い、手のひらからゆっくりと炎の球が降りてくる。
「はぁはぁ、団長!!逃げてください!!ここは危険です!!」
「無理だ、、、あの炎の球はここら一帯を焼き尽くす、どこに逃げようと我々の足では逃げれない。」
「!!おい!!エルフ最強と呼ばれた男が!!こんなところであきらめるのか!!」
「!!そうだな、、、」
団長が何かが吹っ切れたように立ち上がる。
「お前ら!!子供たちを逃がすために命を捨てろ!!」
「「「!!おぉ!!」」」
男たちがそう叫ぶ。
「ふふ、やはり強いな、その球が落ちるまで私を一歩でも動かせたら止めてやる、それが覚悟を決めた者への礼儀だ。」
「ふ、ありがたい!!」
アズラーがそう言い、地面に足をつけ、団長たちが武器を構え、体制をとる。
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