もう6勇者集結
「6勇者の集結か・・・。あいつら5人がすぐ駆けつけてくるとは思えないからな。後手後手に回る、守勢に回る、何とか連中が間に合うかどうかというところだな。」
とゴッチは心の中で、呟き続けていた。
だがそれは、結果として杞憂に終わった。5勇者達は、思いのほか早く、彼らのチーム或いは妻達ととも、本当に大急ぎという調子で駆けつけてきた、という感じでだった。
「もう、お姉さまを騙して連れ去って、あんなにひどい生活をさせて、私から引き離してー。もう、絶対にに許してやらない・・・いや、今回で絶滅させてやるー。」
「もうー、女房達まで苦しめさせてー。迷惑なんだよー。」
「あなた―。私達も頑張りますー。」
「もう、面倒くさいんだよー。早く終わらせてやる。」
「はい、もうご主人様にちょっかい出させる奴らは、許しておけません。」
「もう、早く終わらせたい。もう、手伝うのは面倒くさいんだから。」
「まあ、この次はこっちに飛び火してきそうだし、臭いものは元から断とう。」
とそれぞれ勝手な事情、想いがあったが。
勇者達がこうだと、彼を支援している諸国、特に少し前にグレートとともに救われた経緯がある国々は、影響されるように、あるいは、勇者様に遅れるなとばかりに、集められるだけの兵力をすぐさまかき集めて続いたのだ。もちろん本隊はその後になったが、それも異例なほど早いものとなった。
「義兄者の仇だー。」
と髭面の巨漢の男が、騎馬で巨大な矛を振りかざして迫ってきた。直前に、これまた巨漢の異なる髭の、やはり巨大な矛を振りかざして、その矛から電撃を放ちグレートを一撃で叩き潰し、炭にしよう振り下ろしたものの、グレートの蹴りで電撃ごと矛を折られ、続けざまの脳天唐竹割りで頭が兜ごと砕け散っていた。もちろん即死だった。
「正当防衛だよ。」
と言いながら、軽く水平チョップで矛からの火炎を吹き飛ばして、すかさず飛んだ。待ってましたとばかりに構えた、武道では空中に飛ぶことは動きが読めるものでありタブーなのだが、その笑い顔のまま胴体が真っ二つになっていた。
「大変です。義弟様両将が戦死なされました。」
「ば、馬鹿な・・・。」
「へ、陛下。落ち着いて下さい。直ぐに、ご舎弟様の仇を討ちますから。」
「分かっている・・・しかし、もはや・・・我自ら陣頭指揮で我が舎弟の仇を討つ。我が愛馬を連れてこい。」
「へ、陛下・・・。皆の者、龍虎の陣だ。陛下をお守りして進め。陛下、ご無事で。ええい、お前達にゆかんか。」
その声に不快気な表情をした男は、脇にいた男に、
「早く行け。」
と命じた。お前はどうなんだ?という顔をした男であったが、代りに言ったのは、
「だから、半端な歴史知識で諸葛孔明達をもってきたのは間違いだったんだよ。」
しかし、すかさず、
「うるさい。今、そんなこと言っている時かよ。とっとこ行きやがれ、ここで殺されたいんか?」
という怒鳴り声だった。その声を背に駆けだしていった男は、一言、すまんだがここは頼むと言われれば、奮戦して、死んでも、するつもりだった。そうなれば、少しばかり、状況を好転させえただろう。ほんの少しばかりで、それがどうなるかはわからない程度であったろうが。だが、彼にはそういう気持ちはなくなっていた。
「え~い。この売女め。」
「皆の仇を、お姉さまともに。」
「夫の仇。」
「このブス女死ね。」
「この2丁斧の怖さみるがいい。」
"?・・・梁山泊の性別にずれが・・・まあ、色々あったんだろうな。とにかく、俺は劉備玄徳の本隊を潰すか。まだ、趙雲とかは健在だしな。まあ、名前は違うけれども。"
「みんな、そのブス達は頼んだ。早く片付けて、応援に来てくれ。あ、思え立も俺の愛する奥様達と恩が一応ある師匠をまもってくれよー。」
とグレートは、彼女らと彼女らの軍を飛び越えて、その後方の軍に飛び込んでいった。
「わかったわー。」
「直ぐ行くから。」
「瞬殺する。」
「容赦しないわよ。」
「私も奥様方にしてよ。」
「姉さん達と師匠を守れ。」
聖剣が折れ、斧が砕け、首が飛び、胴体に大穴が開くのにはさほど時間はかからなかった。
「ひえー。」
1人が血だらけで、はいずりながら逃げようとしているのに、止めが差されると、既に相手の軍を半壊させているグレートに向かって、
「旦那様、待っていて―。」
「あなたの旦那様じゃないわよ。」
と4人がハモッた。
6勇者達も相手の軍を蹴散らして進んでいた。
後方のスイートは何とか軍の崩壊を食い止めようと指示を次々に出していた。しかし、その動きが止ることになった。
彼の主が戦死したとの報が、届いたからだ。




