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原作知識を使った全てを奪っておいて、今更勇者頼むというのは身勝手ではない?  作者: 安藤昌益


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ハーレムは、定員いっぱい

“この俺も同じだよな。”グレイトは、少しふくれっ面の4人の美女を前に、あらためて、自分の全てを奪って、栄光を手にしている6人を赦していた。

 黒髪の、長身で、感情をあまり見せず、一人で静に考えごとをしている、剣と魔法が抜群の聖魔法騎士のバデイ・ロジィー。金髪と黒髪のメッシュで、長身とはいえ、その体からは考えられない、力も魔法も、パワー系の大斧などの使い手で気の優しいドナ・ジョナ。栗色の髪のダークエルフで、口は悪いが意外に面倒見のよい、優れた弓手であり、魔法の使い手であるルー・テティ、赤髪の元魔族正騎士のマルシア・サン。誰もが、魅惑的な容姿の美人である。グレイトは、この4人皆と関係を持ってしまった。

「すまん。俺は、誰かを選べない!」

 彼は、頭を下げた。


 バデイは、いつものように、考えこむ風だった。3人は、彼女の反応を待ってしまった。彼女が、正論、反論できない、かつ、予想できないをするのではないか、と思って、その言葉を待ったのだ。自分が何か言うのも、それどころか、考えることすら、それからでいい、とさえ思ってしまっていた。

「まあ、仕方がないんじゃない?」

 ため息をつきながら、彼女が言った言葉に、後の3人は驚いた。

「あなたは優しいし、私の方から・・・私達の方から惚れて、迫ったわけだし・・・、私達が優柔不断さを見せるな、とは言えないでしょう。でも、ただし、条件があるわ。」

 4人は、その条件を黙って聞いた。彼女は、大きく深呼吸してから、

「私達4人以外はダメ。5人目はだめ。私達4人だけ、絶対に。一人抜けても、穴埋めはダメ。私達4人を、4人だけを愛しなさい。新しい女は、私達全員がいなくなってからよ。これが条件よ、絶対的な。もう決まりだからね、いいわね。」

 他の三人は複雑な表情ながらもうなずいた。

「わかったよ。君達がそれでいいのなら。」

 四人は、それを聞くと、早速服を脱ぎだした。脱ぎ終わると、彼の服を脱がせにかかった。全員が全裸になると、女達は争うように彼に抱きつき、唇を重ねた。

「あ、汗をかいたまま・・・。」

「今頃、そんなこと言っても遅いよ。」

 彼は、四人をそれぞれ押し倒して、喘ぎ声を出しまくらせた。

 ぐったりして、よだれを流したまま満足そうに、寝息をかいている四人を見て、

「得たものも多かったしな。」

 彼女らの見事な体を眺めながら、ゼブラは思った。皇女でも、王女でも、上級貴族の令嬢でも、正式な聖女、剣聖とか、聖騎士、神聖騎士でもない彼女達だったが、戦いでは頼もしく、よき相談相手であり、美しい恋人だった。出身も、決して低くはなかったし。

 それに、順調に金も貯まっている。そこそこの土地を手に入れて領主として、彼女達とともにそこそこ豊かな生活ができる見通しがついている。これで満足していいんだ。勇者となっていたら、色々な面倒ごとに、巻き込まれていた、そのはずだし、これからもあっただろう。せっかく、運命をねじ曲げて、成り上がり、成功したらしい、あの6人にざまあする必要はない、と決めたゼブラが、階段を降りていくと、

「昨晩というか…お盛んだったな?」

「この町は、来年出産ラッシュだよ。」

「街の外まで聞こえたそうよ。」

 彼ら、彼女らの表情に邪気はなかった。それを見て、あらためて、守るべき者達が、できたんだ、という思いを強めた。

「皆、食事の後で、俺の特訓に付き合ってくれないか?」


 その特訓は、それから二週間ほど先の仕事で実証することができた。

「うぎゃあ!」

 小魔王が蹴りで飛ばされ、数㍍先に飛ばされた。正確に言うと、彼を守って人間の戦士に対峙した親衛隊長が、その男の蹴りで魔法強化された大盾ごと体を蹴り破られ、その後ろにいた戦士の頭が、その余波で吹っ飛ばされ、さらに小魔王に炸裂したからである。

「奴を倒せ!」

 彼は、既に主を守ろうと、火球を連発させた魔道士、トカゲ顔のが、上半身を飛ばされているのを見てしまった。

 さらに彼を守ろうと、駆け付けてきた親衛隊の騎士達を、グレイトは雷球、光弾を放って半ばを倒し、連係を破壊すると、躍り込み、剣、手刀、蹴りであっという間に、切り倒し、頭を割り、胸板を破壊し、腹を蹴破った。身体強化しているそれの威力は、周辺にいる者も巻き込んだ。立ち上がろうとする小魔王は、彼の放つ衝撃弾でまた倒れてしまった。それでも、

「我の本当の力を見せてやる!」

と、誇りと意地と部下達のため、何度か立ち上がろうとした。しかし、それで終わりだった。頭を脳天唐竹割りで真っ二つ、拳で心臓を貫かれ、蹴りが内蔵をバラバラにし、手、剣、足に纏った魔法で内部から燃やされ、再生もかなわず、死んでいった。

 それを機に、魔族の軍は退却を始めた。

「皆、無事か?」

との彼の声に、

「お前の魔法攻撃での援護と支援魔法での力の強化のおかげさ、皆無事だよ。」

「主様は、本当に勇者ではないのか?ここまでやれるか、私の故魔王様でもできなかったぞ。」

「SS級の連中、悔しがるわね。」

 これに、皆が和して大笑いした。が、グレイトは心配そうな顔で、

「まあ、あまり刺激しないようにしような。」

「そうね、あなたの言う通りよ。」

 バディが、少し考えてから、彼に同意した。


 6勇者達とそのパーティーが魔王討伐に旅立ったことで、実は、それは魔王の一人ということなのだが人間・亜人は知らなかったし、原作には記されていなかったことだったが、魔王は、別の方面での陽動作戦のような行動をとったのである。勇者のいないところへの攻撃、襲撃。勇者達への支援でそちらの方面に兵力が投入されるから、他の方面が、その分手薄になる。そこを襲撃すれば、成功率は高く、戦利品などをより多く獲得できるし、ひいては勇者達の行動を混乱できるし、同盟を分裂させることもできるかもしれない。他方、勇者達に対しては、守りに徹する。魔王は、そういう戦略をとった。それで、グレイトたちへの依頼になったのだが、それは彼らだけへの依頼ではなかった。


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