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魔王を倒しました、6勇者様だけでは無理でした、やっぱり。

「風よ、炎よ、氷剣よ、我が敵を切り裂け、焦がし尽くし、貫け!」

 ロピアの詠唱。鎌鼬が、真空が魔王を切り裂き、火球多数が、また、さらに多数の氷の剣が、魔王の体にぶち当たり、体を燃え上がらせ、貫いた。

「今よ。イーノ、ゴッチ。魔王を倒しなさい!」

「おお!」

「分かった。」

と叫び、魔王のもとに飛び込む二人。

「こちらは俺達が相手をするから、頼んだぞ。」

とは、リッキー。スタアとリョクゼンとともに、まだ残る魔王の親衛隊を相手にした。ともに突入した騎士達はその多くが倒れている。中には、既に死んでいるものもいた。


 魔王に斬り込んだ、イーノとゴッチだが、聖剣に魔力を最大限まとわせて斬り込んだが、致命傷を与えるには及ばなかった。

「主様。ここは私達にまかせて下さい。」

「魔王を倒しに行ってください、主様。」

「あなた。魔王を倒すことが全てよ。」

 3人の妻?達に懇願されながらも躊躇するリッキーに、

「お前だけでも加勢しに行ってくれ。」

「早く、魔王を倒してちょうだい―。お願いだから―。」

とリョクゼンとスタア。

「わ、わかったよー。」

 リッキーは魔王の方に踵を返して駆けだした。


 リッキーの加勢で、魔王が反撃しようとすると、陽動をかけるように剣や拳、蹴り、魔法で矢継ぎ早に攻撃して、魔法の攻撃が空回りして、その隙にロピアの特大、多様な魔法攻撃、畳みかけるように肉薄してイーノとゴッチが攻撃してくることで、魔王ははっきりと押され始めた。しかし、イーノ、ゴッチ、ロピア、リッキーもかなり疲労がたまっているのが感じられ、時折スタア達をすり抜け魔王を助けようと割って入る親衛隊を蹴散らすのにも体力を使い、形勢はいつ変わるかわからない状態だった。はっきり攻めあぐねているのが傍目からわかった。


「え~と、こういう場合、どういう風にやれば一番いいだろうか?」

駈けつけてきたゼブラにとって最良とは、一番早く魔王を倒すことではなく、六勇者が魔王を倒したということがわかるということだった。

「やっぱりこれだな。」


「6勇者様!雑魚どもは私にまかせて下さい。魔王に向ってください!」

とゼブラは叫ぶことを選んだ。

"ええい、ありったけ出してやる。"

「転真敬会奥義。四行八真活真妙用小進。」

 十数、いやそれ以上の種類の魔法攻撃を場所を限定しながら、ピンポイントでの攻撃を行い続けることにした。やっぱり思い返して、余力は残すことにした、ゼブラは。

「お前ら、頼む。」

「任せておいて。」

とハーモニーして、彼の4人の妻達が、残る魔王の親衛隊に躍り込んだ。これに、身体強化魔法を解除したゼブラが続いた。支援魔法と危なくなった仲間や6勇者を助けるための魔法攻撃は続けながらではあったが。身体強化を解除すれば、少しは活躍が目立たなくなるという算段だった。次々に水平打ち、脳天~竹割、蹴り、飛び蹴り、タックル、投げ飛ばし、叩きつけて、魔法攻撃を生身で弾いて、魔王の親衛隊を蹴散らしてはいたが。


「魔王様!」

 悲痛なほどの叫び声をあげて、魔王のもとに駆け付けようとする女?魔族を、非常にもゼブラは蹴り上げた。

 多分、内臓は再生不可能なほどにぐちゃぐちゃななっていたろうが、彼女は立ち上がろうとした。が、

「もう、楽になりなさい。すぐ、魔王をあなたの側に行かせてあげるから。」

 バディアが、魔力を纏わせた剣で一閃、焼き斬った。

「魔王様。」

 最後の一言。気持ちだけは魔王の下に駆け付けていたかもしれない。

 

 魔王は、彼女に、彼女の死に気が付いた。それが隙になった。次の瞬間、彼の体は真っ二つになり、首が胴体を離れて床に落ちた。その後に真っ二つになった体がほぼ同時に床に音をたてて倒れた。

「魔王は、勇者イーノとゴッチが止めをさしました。」

というロピアの言葉が魔王城の中を木霊したのだった。


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