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第7話「さすがは五傑執行集」


ここはヴァロン領のガンラック城。

その謁見(えっけん)の間にて、ジェイ・ライデッカー国王は不機嫌そうに王座につくのである。

両目をぎゅっと閉じたまま、時折獣のような唸り声を弾く。

だからこそ軍司であるアナザフル・ワルドは自分から声を掛けるような無粋な行為は

まずしなかった。

その沈黙を守ってきたライデッカーの両目がゆっくりと開いた。


「またゴミが来たようだな」


ライデッカーの声に反応したのか、城にまとわりついていたコウモリが一斉に飛び立つ。

事実、その言葉をすでに予測していたかのように

ワルドは考える間も無く、うなずいた。


「左様ですな。

 どうやらウェイランドの学園にいるようで」


「アルバードの、か」


「いかがします。

 あちらはアルバートを筆頭にハイクラスのナイトを多数有している。

 迂闊うかつに攻めては危険かと」


「・・・五傑執行集ごけつしっこうしゅうを呼べ」


ライデッカーがその『五傑執行集ごけつしっこうしゅう』の名を口にした瞬間であった。

この謁見の間の至る影から、合計4名の人物が”生え出てきた”。

元々そこにいたのか、忍法か、魔法の類か。

4人それぞれ真っ黒の、ある意味この世界に全く相応しくない

悠然としたスーツをまとい、ここに参上した。

その奇怪に全く動じることなく、ワルドは声を張り上げた。


「これはどういうことか、五傑執行集共よ。

 国王の命の前にその数を合わせんとは。

 なぜ、一人足りぬ」


ワルドが苛立ちを見せたのは、現れた五傑執行集が4人しかいないこと。

文理解釈するのであれば、五傑であれば5人いることが筋といえる。

その一人が、ワルドの言葉を鼻で笑う。


「4番号、鬼白鳥の鉄は死んだ!

 以上であるっ!」


その言葉を聞き、思わずワルドはバカがと声を漏らすのであった。

もう良いと、ワルドに下がる様指示を出すライデッカー。

4人となった五傑執行集を視界に捉えると、その重い腰を上げ、

ゆっくりと王座から立ち上がった。


「1番号、豪快たる選択獅せんたくし帯刀たいとう

 続けて5番号、リーサルウェポンきわみ蝶超ちょうちょうっ!

 壊れた闘争本能に狩られた獣共よ、

 ウェイランドの魔法学園を襲撃せよ、命令である!」


その名の如く、スーツ姿にそぐわぬ帯刀を備えたその名も『帯刀たいとう』。

名を呼ばれ沸き立ったか香水を1、2度振りかけるは『蝶超ちょうちょう』。

二人の背中を突き飛ばすように、漆黒の夜に今、雷鳴が響き渡った。


「承諾した!」


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