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07の少女。  作者: ほげの
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変わらぬ朝

朝七時、目覚ましの音で目が覚める。


天井近くに位置した小さな小窓から、白い光が差し込んでいた。

目をこすりながらけだるけな体を起こし、朝の準備を始める。

洗面や歯磨きを済ませ、一通りの身支度をすませると、差し出し口に置かれた規定の衣類に着替えた。

様子を見計らい、ちょうどのタイミングで施設の女性が迎えてくれた。


「おはようございます。朝食を持ってきました。」


見慣れた30代くらいの女性が、ガラス越しに朝食のトレーを持って立っている。


「おはようございます。お願いします。」

そう返すと、女性は扉のロックを解除して入室し、小さな机に配膳をおいてくれた。


「30分後また取りに来ます。食べ終わったらここに置いておいてください。」

「わかりました」


確認を終えて、見慣れた女性はそそくさと部屋を出る。


「今日は焼き鮭かあ、、」


鮭に加えて今日の朝食は、薄味の味噌汁と菜の和え物、白米と健康的な和食だった。

塩気は抑えめだが朝の食事としては、胃に通りやすくてそこそこにおいしい。

朝食を平らげると、トレーの隣に置いてある錠剤と水に手をかけた。

もともと立ちくらみのひどい体質のため、毎日薬を飲まないとすぐに倒れてしまう。


配膳を持って行ってもらい食事を終えて一服していると


「奈那ちゃん、おはよう。」

爽やかな声が聞こえてきた。30を手前にして青年のような笑顔の彼が、ガラス越しに立っていた。


「せんせい!おはようございます」

思わず頬がほころぶ。


彼の名前は月島零矢、普段は先生と呼んでいる。幼い頃から自分の担当をしてくれてる研究員さんで、かれこれ十数年お世話になっている。初めて出会った頃の彼はまだ16で、高校生だっただろうか。今現在でもその容姿はあまり変わらず、年齢の割に若々しいと思う。

正直タイプだ、、。



「じゃあ、検診はじめようか」


「はい」



そうして、奈那のいつも通りの朝が始まる。

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