第八話 旅立ち
俺は次の日に親に最後の挨拶をした。
親は
「頑張ってきなさい。何かあったら帰ってきていいからね」
とだけ言い、見送ってくれた。
正直もっと心配してくれてもいいだろうと思ったりもしたが親なりの配慮なのかもしれない。
俺は別れを告げた後はすぐに世界樹に反対側の方向に進んだ。
この村から外に出るの初めてだしこの外はどんなとこなのかは分からないが世界樹じゃない方向が外だと思うので勘だがそっちに行くことにした。
もし間違っていたとしてもマッピングされていくから少し時間をロスする位だろう。
俺は完全に集落が見えなくなったら空を飛び進んでいると一時間後位に森が終わっているのが見えた。
飛行機位のスピードで移動しているから800キロ位移動したのか
それを知って、そりゃ人間はエルフを見つけられないよな。他にも集落があるのかもしれないけど森を800キロって相当やばいよな。
それにしても魔法を伝えたエルフって相当やばいな。
という感想を持ちながら取り敢えず進んで行った。
今の行動計画はマッピングをしながら前世の俺の拠点を探すことだ。
あの拠点はサラス王国の王都の近くの森だが拠点自体はまず人が来ないところに建ているので大丈夫だと思う。
そこで精霊剣を確保することが今一番優先することだがもし精霊剣が無かったたら大変なことになるかもしれない。
あれは魔法適正が無い人も使えて今の俺の最高峰の威力が出るはずだ。
持った人が特に使ったりしなかったいいがもし政治利用で戦争に使われたりしたら世界のパワーバランスが崩れるのはもちろん世界崩壊につながるかもしれない。
そんなことには絶対になってはいけないのでもし精霊剣が無かったら何があっても回収しないと。
だから早く拠点に行かないといけないが今具体的な場所が分からないんだよな。
前世の地理道りだとしたらここは魔境の森かもしれない。
魔境の森は強いモンスターだらけで森の反対側に誰も行ったことが無い、命知らずしか行かない森の筈だ。
強いモンスターがいたかは索敵を使って無かったし空を飛んでいたので分からいが最低800キロ近くあるのでここが魔境の森の可能性が高い。
だとしたらここはウィール皇国の可能性が高い。
確かウィール皇国の隣にサラス王国があり、ウィール皇国は横長に広くサラス王国の王都はどちらかというとウィール皇国よりにある筈だ。
なので急げば今日中につくかもしれない。
そうと分かれば早速移動しよう。
あと今からは人間が住んでいる街を通ることになるから一応今よりも高いとこを飛んでさらに隠密を使うことにしよう。
俺は飛んでいると少しずつ民家が見え始めてだんだん蜜が増え始めて村になり、それが集まり始め、街になりさらにそれが都市になり、と飛びながら地域を一望でき感慨深くなった。
また何かに似ているなと思うと新幹線で外を見ているときと似ているなと思った。
あれも基本的には田んぼばかりだがだんだん家が増えてきて街になって都市になると駅に止まり、また駅から出るとさっきの逆になっていく。
あの景色をぼおっとして見るのは好きだったなぁー。
そんなことも考えながら俺はずっと飛んでいると大きな都市とお城が見えてきたこのお城は見たことが無いからこれがウィール皇国の皇都だろう。
流石皇国一番の都市だ。物凄く大きいし、上から見ても人が沢山いる。
確かこの国はこの世界の中でも住みやすいとか聞いたことがある。
皇女がとても優秀で内政は勿論、外交もとても良く、ウィール皇国に面している国は三か国あるのだがそのすべての国境で検問をしていないのだ。
またこの国は貧富の格差が全然無く、毎月必ず必要最低限の食糧を配布しているという。
ベーシックインカムのような政策を行っているため、農家がいないと行うことが出来ない政策を行っているため、他の国では発言権の低い農家の発言権が上がり、その結果お金持ち優遇の政策にならずに貧富の差が無くなっているのだ。
そこまで見通していたのかは分からないが、まだ他の国では絶対王政が基本の中でこのような政策をするのは相当皇女は優れているのだろう。
まぁーこれは俺の前世の話なので今は違うだろうがこの活気具合からして悪い方向に行っては無いだろう。
落ち着いたらここを拠点にしてもいいかもな。
そんなことを考えていたらウィール皇国の国境を越えた位になったそのまま進んでいるとついに目標であったサラス王国の王都が見えてきた。
俺は王都につくとあたりを見渡してみるとそんなに変わっていなかったので何百年の時が経っているとかではなく安心した。
俺はその後、誰もいないことを確認して地面に着地して隠密を解除した。
最後位歩いて家に帰りたいと思ったのだ。
俺の住んでいた家まで歩いていると周りに俺の練習で切れた切り株等があった。
これを見る限りそんなに時は経ってないと思われるの安心した。
そしてついに家に到着した。
家の周りの畑は枯れきっていたがそれ以外には荒らされている様子も無かった。
俺は
「ただいま」
と言って入ると目の前に精霊剣が出迎えてくれた。
今も紅に輝き続け、主人が帰っていたことを喜んでいるようにも見えた。
俺はその精霊剣を取り敢えず手に持ち、改めて精霊剣に何年か振りにやっと
「これからよろしくな。相棒!!」
ということが遂に出来た。
一番の心配点だった精霊剣は無事に解決したので俺は安心して今日は家で寝ることにした。