第二話 夢2
夢の中で目を覚ますと彼は一人で森の中を歩いていた。
森の中をひたすら突き進み、大きな岩場にたどり着いた。
「ここは以前の夢でモンスターから走って逃げる時に見たことがある気がする!
やはり以前の夢は途中を見ていたんだ!これは嬉しい発見だ!」
僕がそんなこと思っているとなんと彼はそのらへんに落ちている木の棒を手に持ち、少し大きな岩を真っ二つに切った。
そして彼はそれが当たり前のように切った岩の断面を確認して掌サイズに切り刻んだ。
「ん?あれは魔法?でも魔力を使っている感じがしなかったし。でもあの木の棒で叩いて岩が割れる訳がないし。でも動きが速すぎて見えなかったから本当に叩いて割ったのかもしれない。うん。もう少し確認しよう」
僕は彼を見ていたがそれ以降も木の棒で岩を掌サイズに切り刻んでは確認をしていた。
そして、ほとんどは捨てていたが、何個かは集めて一つにまとめていた。
その後も彼は日が暮れるまで岩を切り続けていた。
夜になってからも彼を見ようとしていると気が付いたら朝になっていた。
そして彼の手に持っているのが気の棒の先端に尖った石が付いたのに進化していた。
彼はその棒を持ち、今日は木を切ったりその木に切り込みを入れたりしていた。
今日は木を伐採する作業だけで夜になった。
そして夜になるとやはりなぜか次の日になっているのだ。
よし、今日も見ようとすると、家が建っていたり、近くに畑が出来ていた。
もしかすると今回は一日ではなくある程度スキップしたのかもしれない。
僕は彼を探すと彼は家から離れた石でできた小屋のようなところで何かを燃やしたり叩いたりしていた。
なにかは分からないが何かの固形物を溶かして叩いて、そのあと水につけたりしていた。
彼はその日は一日中この作業をしていた。
この作業を終えるとまた時間がスキップしていた。
今度は家の中の一面中本に囲まれた部屋の中で本を読んでいた。
小屋で作業していた時に家を覗いたときはこんな部屋など無かったはずだ。
「もしかしたら彼は一度集中したら気が済むまでやり続ける性格で次の作業に入るタイミングに夢もあわしているのかな?」
それからは新しく見るときは必ず2、3日では出来ない発展をしていたから仮説は正解だろう。
そして、小屋での作業、読書を何度か繰り返してついに彼は前に見たことのある長い金属の棒を作り上げた。
僕は彼が作った金属の長い棒に見惚れていた。
以前はナニコレ?って感じしか思ていなかったけど、今は凄くカッコイイ!って思う。
彼は金属の棒を3本作りついに冒険に出た。
しかし結果は前見た通り惨敗だった。
でも以前はたまたまモンスターが崖に落ちたのかと思っていいたが棒を目に当てたりして注意力を低下させ落としたり、逃げ回っているだけかと思ったらモンスターを誘導して同士討ちさせたりしていたのだ。
僕は凄く興奮して見ていたがそれと同時に少し残念な気持ちになった。
それは、彼は魔法が使えないからだ。
あんなに戦闘中に計算出来、敵にばれないように欺きながら戦うことが出来るなら戦闘中に魔法を使わない。という選択肢が生まれないはずがない。
もし、魔法が使えるならさらに楽にモンスターを倒すことも出来ると思うし、もし自分のレベルアップの為に魔法を禁止にしている可能性もあるが、彼は僕たち子どもでも出来る生活魔法すら使わないのだ。
だから魔法は使えないのだろう。
それだからこそ、その魔法の火力で一風的に倒すのでは無く、敵を騙し、誘導しながら手をそんなに加えずに戦うスタイルに憧れを持ち、それと同時にこれに魔法が使えたなら一体どんなことになるのか?それが見れないことに残念な気持ちにもなっている。
僕は夢の中だけど彼がもしこの世界にいるなら師事し、魔法もマスターして彼以上の冒険者になろうと決意した。
戦闘が終わり彼が家に帰ると時が進んでいた。
僕は彼を見ると彼はすっかり変わっており、真っ黒の紙が真っ白になっていたり顔の皺しわが凄く増えていた。
彼はとても大きくなっていた小屋で真っ赤に輝く金属の棒を持っていた。
僕はその棒を見て見惚れて時間を忘れるほど凝視していた。
何か分からないけど。神々しく具体的には分からないが何かめちゃくちゃ凄いのだけは分かった。
僕はそれに見惚れていると彼はそれを家に持ち帰り、その棒を置き、その前に何かを書いてベッド寝っ転がると、
「今度の人生はめちゃ長寿で最強の魔法適正をもって生まれたいな」
初めて彼のしゃっべった内容を理科したと同時に夢が終わった。