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Number18 ~転生エース~  作者: J・P・シュライン
第一章 成長 編
27/81

第27話 Immorality(不道徳)

 追い出される様に監督室から出ると、ドアの外には俺の姿をした佐々木とベテランの代走・守備固め要員の木寺(きでら)が立っていた。

 脇に()けると、佐々木がドアをノックする。


「監督、木寺さんを連れてきました」

「入れ」


 中から吉本監督の声が響いてくる。


「失礼します」


 消え入るような声と共に木寺が監督室の中へ消えて行く。

 木寺は今日の試合では出番がなく、そういえばベンチでも姿を見かけなかったななどと思いながら、不審な表情で監督室のドアを(にら)んでいると、佐々木が隠し持っていた週刊誌を渡して来た。


「これの事みたいですよ」


 渡された週刊誌には煽情(せんじょう)的な見出しが躍っている。


『盗塁王、夜の重盗(じゅうとう)失敗』


 ページをめくって読んでみると、木寺はダブル不倫(ふりん)でお互いに妻子がありながら重婚(じゅうこん)まがいの写真を撮ったりしていたようで、今の奥さんとは離婚調停(りこんちょうてい)中とある。

『今シーズン盗塁成功率100%を誇る盗塁王も他人の妻との重盗はさすがに難しかったようだ』

 茶化(ちゃか)した皮肉で締めくくられた記事を読み終え、週刊誌を佐々木に返す。


「これ、本当なの?」

「試合中に本人に事実確認したんですけど、本当の事みたいです」

「で、球団としてはどうするの?」

「とりあえず、監督と木寺さんとで話をして、明日オーナーと球団代表と四者面談するそうですけど…」

「けど?」

「とりあえず、無期限謹慎(きんしん)処分にして様子を見る事になるだろうって、広報部長が言ってました」

「そっか、まぁ、妥当(だとう)な処分かもね」

「世間は有名人の不倫とかにうるさいですからね」

「これがエンプロイーバイアウトの話に影響しないといいんだけど…。」


 そう言いながら腕を組んで考え込んでいたが、気づくと佐々木が心配そうな目で見ている。


「どうしたの?」

「いや…、鈴木さんもあんまりハメを外さない様に気を付けて下さいね」

「バッ、俺は大丈夫だよ!」

「なら、いいですけど…」

「それより、聞きたい事があったんだけど、エースってさ」


 佐々木にエースの心構えを質問しようとしていると、先輩投手の秋田から声が掛かった。


「おーい、佐々木、帰るぞ!」


 俺は()の悪さにしかめっ面を作っておどけてみせると、佐々木に(ささや)いた。


「こっちでもあっちでもいいから、今度会った時にエース論聞かせてよ!」

「はい、僕でよければ」


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