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異世界迷宮に転移したら、僕はみんなの食糧でした。  作者: 捨一留勉
第三章 お別れ
33/114

第三十二話 勇者パーティーはちゃんと存在しました。

 

 宝箱部屋には総勢二十二人が集結していた(クロ含む)。


 まず一番初めに起きたイベントは、僕の正体にビックリである。

 まぁ、いなくなった同級生が神父の格好して銃ぶっ放してたらね。

 それで、イケメンは本当に僕のことを心配していたらしい。

 すぐ戻って来ると思ってたのに、戻ってこない。

 まさか自分のせいで死んだのでは、と。

 だけど、そんなことは知らん。

 あと、お前が勝手な行動をしたせいで……と、くどくど言われた。

 とりあえず僕に言えることは一つだ。

 死ねばいいのにね。

 ちなみに、委員長がイケメンの防波堤になってくれているおかげで、何とかなっている。


 残りの連中の反応は、三つに分かれる。

 かるーく、良かったねと言って来る奴ら。

 特に興味がなさそうな奴ら。

 なんだよ、アイツまだ生きてたのかよ、しかも何だあの格好、キモいんだよ、と言ってる奴ら。

 とりあえずこいつら全員に言えることも一つだ。

 全員死ねばいいのにね。


 あ、もう一つあった。

 お前なに人の女とひっついてんだ、あぁ? 殺されたいのか、おぉ? 凜華、なにお前もそんな奴とひっついてんだよ。俺との仲はどうなったんだよ? と言って来る奴だ。

 言えることは(ry。

 死ねば(ry。

 ちなみに、凜華も「あぁ、誰かと思ったらウチを置いて、一人で逃げて行ったナイトきゅんじゃん」と言って、ヤンキー茶を黙らせている。


 はぁ、アナと二人っきりになりたい。


 次に起きたイベントは、クロにビックリである。


 誰もクロのことを話すのを忘れていて、広間に入った途端、バカデカいヘルハウンドがいたため、阿鼻叫喚の地獄となった。

 すぐに先生、その他生徒数名が、クロは怖くないんだよアピールをし始めたため、すぐに全員に受け入れられたけど。

 でも、僕が目で「何か変な動きをする奴がいたら、わかっているな?」と合図したら、口を大きく開けて、閉じる仕草をしていた。

 うん、出来た犬だ。

 ちなみにクロのステータスは、『知力』が12に上がった他は、大して変わっていないんだけど、『忠誠』と『愛』が大きく伸びている。

 僕への『忠誠』が80、『愛』が50で、凜華への『愛』が10、委員長への『愛』が10である。

 あれ? アナは? 

 他のメンツに対する数値はもちろん無い。

 クロは普段、犬然としているから何も考えてなさそうに見えるけど、腹の底ではとんでもないことを考えていそうである。

 アナはどうとも思っていなくて、凜華と委員長は妹か手下とか……。


 さて、僕自身のステータスは確認していない。

 なぜなら、何か変わった気がしないからである。

 それに、これからクラスの連中のステータスを確認しなくてはいけないのだ。

 全部で十二人もいるのを、手分けして本人に教えていく。

 だけど、実はそんなに面倒な事ではなかったりする。

 なぜなら、すでに先生、委員長、ピザ、眼鏡ツインテが『鑑定』を使えるようになったからだ。

 糸目と水女? 

 アイツらは知力が足りなくて覚えられなかった。

 ちなみに、委員長もなかなかに大変だった。

 今はそれだけ言っておこう。


 ま、というわけで、僕たちは手分けして教えることになったのだが、その前にもう一つイベントがあった。

 感動の再会とか、その逆とかである。


「おお、門田氏、ご無事だったか!」

「これは伊藤殿、また会えて何よりでござるよ!」


 ピザとその友達のケツアゴが、肩を叩き合って再会を喜んでいる。

 そういえばこいつらの仲間ってもう少しいなかったっけ?

 ま、いいか、どうでも。


「また、減っちゃったね」

「うん、弘瀬君と河野君と那須さんが、ここに来るまでにやられちゃったみたいなの」

「そうなんだ。でも、藤堂さんと井上さんが無事で良かったよ。もちろん優樹菜と咲良に土方君、他の皆もね」

「で、それはどういう状態なの?」


 委員長がいつも仲良かった者たちに囲まれている。

 イケメンに、確か何かの運動部に所属しているイケメンに、僕のトラウマと、美少女という以外特徴のない女と、短髪の美少女だ。

 確かこの短髪も運動部、見た目からしてバスケかな? 髪がちょっと茶色いし、あ、あれは赤か。

 糸目はいない。

 そもそも奴は、この華やかなメンバーの一員ではないのだ。

 偶に委員長目当てで近付いているだけだったらしい。


 それにしても短髪の髪の長さが、僕より短い。

 僕もそろそろ切らないとな……。

 で、その短髪が指差しているのは僕たちだった。

 正確に言うと、僕と僕に引っ付いているアナ、凜華、委員長である。

 ポジションは右手にアナ、左手に委員長、頭に、じゃなかった、背中に凜華である。


「ハーレムじゃんか、羨ましいなぁ、おい」


 そう言って快活に笑ったのはスポーツ系イケメンの……スポメン君だ。


「羨ましい、じゃないだろ。安易にそんなことを言っていると、品性を疑われるぞ。で、それは何なんだ?」


 気にはなるんだね、イケメン君。

 それにイケメンはいの一番に先生の元に、ふらつく足で駆けて行っているし、別に恋愛に興味が無いというわけじゃないみたいだ。

 生徒と教師ね。

 ま、ここは異世界だから問題ない。そもそも僕が気にすることでことでもない。


「えっと、私、実は勇也君が好きだったんだけど」

「あ、それは知ってた」

「うん、私も」

「バレバレだったよね」

「俺も、何となくは」

「俺もうっすらとなー」

「……」


 良かったね、委員長。理解ある友人たちで。


「で、でも、再会した時にはアナベルさんっていう恋人がいたの。見た目は悪魔だし、私も初めは勇也君が騙されてるんだ、って思ってたんだけど、話してみたらすごくいい子で、この通り可愛らしいでしょ? だから、勇也君は本気なんだってわかって、で、でも、その、諦め切れなくって、勇也君の隙に付け入っちゃって……」


 ……付け入れられていたのか、僕。

 確かに一時隙があったのは否定できない。


「それは……委員長が悪いな。すっぱり諦めるべきだろ。だいたいアナベルさん? ちゃん? 「どっちでもいいのですよ」アナベルちゃんはそれでいいのかい?」


 んん? 何でアナをちゃん付けするんだ、このイケメンは?

 先生のことと言い、さてはロリコ……やめておこう、盛大なブーメランになりそうだ。


「仕方ないのです。ユーヤに隙を作らせてしまったのは、アナにも責任がありますし、ユーヤは魅力的ですからね。で・す・が、腕だけなのです。腕を組むのを仕方なく許しているだけなのです。もし、それ以上のことがあれば、ユーヤは灰燼と化すでしょう」


 え!? 僕なの!?

 いや、アナのことだから、僕を殺して自分も死ぬとか言い出すんだろうな。

 そうならないためにも、これ以上の隙は作らないぞ。


「まぁ、本人がそう言っているなら……。永倉も不服そうな顔はしているし、ん? やっぱりちょっと嬉しそうか?」


 おお、何言い出すんだ、このイケメン。

 これ以上アナとの不和を招くようなことを言ったら、撃ち殺すことも辞さないぞ。

 あ、駄目だ。両手塞がってる。

 あと、そこの女子三人、「永倉君の魅力って何だろ?」「さぁ?」とかいう会話はやめて。聞こえてるからね。


「まぁ、それはわかったけど、背中のは何なんだ?」

「あ、それも仕方ないのです。もちろん変なことをしたら承知しませんが。リンカはユーヤの従魔(サーヴァント)ですし」

「サーヴァント?」


 という会話をしていると、横からヤンキー茶が現れた。

 うわぁ、面倒臭くなりそうだなぁ。


「なぁ、凜華。置いて行ったわけじゃないんだ。すぐ後ろからついて来てると思ったんだよぉ。な、だから、そいつから離れろって」

「その後ろにいたのって、ウチじゃないし」

「え? 俺の後ろに何かいたのか!?」


 冷たい視線がヤンキー茶に集中した。

 後ろを気に掛けていなかったことがバレたね。

 ヤンキー茶も自分の失態に気付いたらしく、慌てて取り繕おうとするが、後の祭りだ。

 ヤンキー茶が凜華に言い募るものの、凜華はそっぽを向いてしまい、相手にしていない。

 仕舞いには僕にまでとばっちりが来てしまった。

 とばっちりっていうか、僕が原因なんだけど。


「おい、永倉、お前も凜華を放しやがれっ! っていうか、なんだその状態は!? なんでお前みたいな奴が女に囲まれてやがんだ」

「僕が妬ましいのか、凜華を放してほしいのか、はっきりしてください」

「お、お前が凜華って気安く呼ぶんじゃねぇよ! 凜華を放せ!」

「無理です。見てわかりませんか? 両手が塞がっているんですよ。あと、僕は別に凜華を掴んでませんから。どうやって放せばいいんでしょうね?」

「て、てめぇ、おちょくってんのか!?」


 ヤンキー茶が僕に近付いて来る。

 そう、そのまま手を出せばいい。

 そうしたら、と思っていると、僕の当てにしていたクロが、先に僕の前に立ち塞がってしまった。

 食い殺すより、僕を守ることを優先したらしい。

 いや、普通そうするか。

 ヤンキー茶は目の前に現れた巨大なクロに、戦いを挑む度胸は無かったらしく、怯んで、かといって逃げ出すこともできずにその場で固まってしまっている。


 しかしこの状況、どうしようかと思っていると、僕たちとはまた別の一団から声が上がってきた。


「おい、何で河野と弘瀬と那須が死んで、お前らだけ生き残ってんだよ?」

「お前ら、弘瀬たちを犠牲にしたんじゃないか?」

「ホント信じらんない。美緒たちを返してよ!」

「何とか言いなさいよ、根暗ども!」


 アレは、日本では僕を苛めていた奴らだ。

 水女と糸目も中に混じっている。

 全くしようのない奴らだ。

 二人の女子生徒が怯えているのを、複数の人数で囲んでいるのである。


「もう、私止めて来るね」


 なぜか委員長が、僕の顔色を見ながら言った。

 僕に気を使ってくれているのかな?

 自分が苛められていた時を思い出すんじゃないかと。

 だけど、気を使ってくれるなら、もっと僕の気が晴れる方法がある。

 ちょっと試してみるか。


「委員長、止めに行かなくも良いんで、ちょっと僕の右のズボンのポケットに手を入れてもらっていいですか?」

「え!? いいの?」


 と言いつつ、委員長はすでにアナと僕の体の間に手を伸ばしている。


「えっと、入らないんだけど。S(スミス)W(ウェッソン)M500があって」

「はい、それを抜いてください」

「あ、ありがとう! 今までずっと触らせてくれなかったもんね! でも、何で今?」

「で、左の胸ポケットに入っている弾を一発だけ抜いてください」


 そこには非殺傷性の『サンドヘイズ』の弾が入っている。

 あ、いや、普通の人や魔物は撃ち抜かれたら死ぬけどね。


 委員長は言われたとおりに弾を抜き、エカレスに装填した。

 使い方を教えていないのに、なんか使い慣れている感じがするな。


「腕に自信はありますか?」

「うん、四歳の時から実弾射撃で遊んでたから、自信あるよ」


 僕を含め、近くにいたものがアナ以外全員ドン引いた。

 なるほど、ガンマニアなのは英才教育だったか。


「で、では、頭を撃ち抜いてやってください」


 僕の言葉に、アナ含め、今度こそ全員引いた。


「ユーヤ、委員長さんに何をやらせようとしているのですか!?」

「そうだぞ、永倉! いくら苛めから救うためだとはいえ、人殺しをするのは間違っている。だいたい委員長が撃つわけないだろう」

「わかった、島村さんを撃てばいいのね」

「「「委員長!?」」」


 全員驚愕する中、委員長は慣れた手つきで銃を腰だめに構え、引き金を引いた。


 ズガァァァンっ!


 島村の頭が弾け飛び、さらに周りにいた者たち全員が目を押さえた。


「「「な、何だ? 何が起こった!? 目がー、目がー」」」


 おお、滅びの呪文の放送時みたいだ。

 全員呆気に取られる中、水女が復活した。


「永倉ぁ! お前一体人の頭を何だと思って……って、委員長!? ちっ、アンタホントに永倉に毒されたわね」

「駄目よ、そんな風に藤堂さんたちを責めちゃ。責めるんじゃなくて、生きていたことを喜んであげて、悲しみは皆で分かち合いましょ」


 水女はもう、なんか、条件反射みたいに僕に向かって怒鳴るようになったな。

 そして、委員長の台詞は、とてもじゃないけど、人の頭を撃ち抜いた人の台詞じゃないと思う。

 委員長は僕にエカレスを渡して、にっこりと微笑んだ。

 なんか褒めて欲しそうだ。

 まぁ、頭ぐらい撫ででやるか。

 僕が委員長の頭を撫でていると、辺りが騒然とし始めた。


「何だ? どうなってる? 確かに頭に命中したのに、普通に生きてるぞ」

「彼女は『液体人間』というスキルの持ち主でしてね、物理攻撃が効かないみたいなんですよ。魔法はまだ試してませんけど」


 僕はちょっとここで広間の中心に進み、声を張り上げた。


「ということで、皆さんのスキルを、迅速かつ適当にお調べしていきたいと思います。では、やる気のない方から僕の所に来てください」

「ユ、ユーヤが無理矢理まとめてしまったのです……」


 僕の所には当然誰も来なかった。

 アナや先生たちが手分けして『鑑定』し始めた。

 暇になった僕はとりあえず全員『鑑定』してみる。

 そこで驚愕の事実を知ってしまった。

 とりあえず、まずはステータスの高い者を二人紹介しよう。


≪名前≫岡田秀一

≪種族≫人族

≪年齢≫15

≪身長≫176cm

≪体重≫63kg

≪体力≫14

≪攻撃力≫16

≪耐久力≫16

≪敏捷≫17

≪知力≫9

≪魔力≫10

≪精神力≫9

≪愛≫1010

≪忠誠≫90

≪精霊魔法≫火:51 水:49 風:36 土:64

≪スキル≫光刃の剣士:光の斬撃を放てる。一回につき魔力消費1。


 おお、また随分勇者っぽいスキルだね。

 なんか、これぞ主人公って感じが半端ない。

 ステータスも僕と大して変わらないし。

 これは、戦ったら完全に負けるね!


 さて、次はこいつだ。


≪名前≫土方大翔

≪種族≫人族

≪年齢≫16

≪身長≫178cm

≪体重≫68kg

≪体力≫16

≪攻撃力≫14

≪耐久力≫15

≪敏捷≫17

≪知力≫6

≪魔力≫10

≪精神力≫12

≪愛≫670

≪忠誠≫70

≪精霊魔法≫火:45 水:55 風:39 土:61

≪スキル≫竜の息吹(ドラゴンブレス):魔力を三割消費し、ドラゴンブレスを放てる。


 僕は察した。

 これが勇者パーティーかと。


 生き残った者たちで、四つのグループに分割して進んでいたそうなのだが、ちょっとパーティー別にスキルを見比べてみようかと思う。ステータスは大したことないし、どうでもいいや。

 あ、ちなみに全員一塊になってこちらに向かってきていたのは、たまたま合流したのだそうだ。

 さ、では早速、イケメンのパーティーから。


≪名前≫田中騎士

≪スキル≫遠見:遠くの物を見通せるようになる。


≪名前≫近藤咲良

≪スキル≫黒き棺の呼び手(レスト・イン・ピース):半径三十メートル以内の任意の場所に、魔力を三割消費して、荷電粒子砲を落とすことができる。


≪名前≫斎藤優樹菜

≪スキル≫魔物調教師(テイマー):最大魔力を三割消費し、魔物を操れるようになる。


≪名前≫伊東蒼真

≪スキル≫兵器創造(イマジンクリエーター):想像した武器などを想像できる。現出させている間は魔力が使えなくなる。


 ……なんだこいつら。

 約一名使えないのがいるけど(特に三階層では)、あとがおかしい。

 魔物調教師(テイマー)とか見てると、謝りたくなってくるね。

 特にあとの二人は、えーっと、もう言葉が出てこない。


 もういいや、次に行こう。

 次はスポメンのパーティーだ。


≪名前≫平井柚希

≪スキル≫死の接吻(ドレインキッス):口づけにより、相手から体力と魔力と生気を吸収できる。


≪名前≫清岡湊介(そうすけ)

≪スキル≫蛙飛びフロッガースプラッシュ:跳躍力が自身の身長の八倍になる。『ウォーターキャノン』を消費魔力2で口から放てる。


≪名前≫間崎慧

≪スキル≫手当:魔力を2消費し、触れた相手の怪我、病などの状態異常を治療する。


 うん、イケメンたちのパーティーに比べたらマシだけど、有用なスキルが多いね。

 それに、ここにはさらに富士さんが加わる。

 ちなみに『ウォーターキャノン』とは、中級の水魔法だ。

 破壊力が高く、僕も魔法弾にしていくつか持っている。使ったことは無いけど……。


 もし、この中にいる魅力的なスキルの持ち主が、昨日まで一緒に行動していたメンツに加わっていてくれたらもっと楽だったのに。

 いや、確かにアナやクロがいてくれたから、そんなに苦戦はしてないんだけど。


 それにしても、先生たちのパーティーは大したことないな。

 水女が『鑑定』を使えたら、もっと楽だったかもしれないのに。

 自分のスキルであれば、スキルの中に内包されているスキルも見ることができるし、使い方もわかる。

 ちなみに委員長は『鑑定』を使えるようになったおかげで、スキル『道士』が上級(アドバンスド)だったことがわかった。

 内包しているスキルが何なのか、なぜか全然教えてくれないけど。

 ともかく、あと内包しているスキルを確認する方法は、赤熱の魔女が持っているという『中級鑑定』を取得するぐらいだ。

 これがあれば、他人の上級(アドバンスド)スキルを見ることができるし、特殊(エクストラ)スキルでも自分のであれば、隠された能力を見ることができるのだという。

 でも、取得条件が、魔力30以上、知力30以上だそうである。

 ……無理。

 恐ろしいな、赤熱の魔女。


 あれ? でも、なんかこうして見てみると、非常に偏りがある。

 いや、酷いぞ、これ。

 先生たちのパーティーに、アタッカーぽいのが誰もいないのもそうだけど、スポメンのパーティーに前衛が誰かいたら、楽だったろうに。


 僕がそんな風に考察している内に、『鑑定』は終わったらしい。

 全員が各々に、自分のスキルについて興奮しながら語り合っている。

 約一名、意気消沈しているのもいるけど。

 死の接吻(ドレインキッス)とか、キスしないと使えないしね……。


「皆聞いて。私たち今後の方針について話そうと思うの」


 先生が大声を出して注目を集めた。

 なぜか隣には、アナが恥ずかしそうにして立っている。

 今後の方針ね。

 僕はアナと一緒にいられれば、それでいいんだけど。

 できれば二人っきりで……。


次回8/29(火)20:00に第三十三話「一触即発の危機に陥りました。」を投稿します。タイトルは後々変更するかもしれません。

次回で三章ラストです。その後は幕間を挟み、四章に入ります。

感想、質問、ダメだし、何でもいいのであれば、お願いいたします。

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