表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

自由と自立

作者: 流聖

短編です。自分が変わろうと思ってる人読んでみてください。



 ある、よく晴れた日の正午前、二人の男女が街のラブホテルの出口付近で

互いに別れを告げそれぞれの帰路についた。


 その男、前田竜二は昨晩、居酒屋で知り合った女性と意気投合し、今その

女と別れたのであった。


 彼にとってこんなことは日常茶飯事、一度や二度ではない。


 歩きながら、習慣のようにパンツの右ポケットから携帯を手に持ち

画面を確認すると、何件もの着信履歴が。


 見ると彼女の母親からであった

 

 嫌な予感がし、折り返してみると。

「あ、竜二さん?もう何してたの? あのね、今朝、良子の勤め先から

連絡が入ってね、通勤中交通事故にあったらしいのよ。私達、今

向かってるところなんだけど、なにしろ遠いでしょ?竜二さんに容態

見に行ってほしいの」。


 竜二は背筋に冷たいものが走った。


 タクシーを捕まえ、A町の総合病院へと急いだ。


     ・・・・・・


 勢いに任せ乱暴に病室の開けた先には、病床に横たわり顔に

白い布がかけられている良子がいた。


 彼の全身の力は抜け、よろよろと壁際のソファーに力なく倒れた。


担当医と看護士が何やら説明しているらしいが、何も耳に入ってこなかった・・・・。


 現実を逃避するように病室から這い出し、病院敷地内のベンチに崩れ落ち

震える手で、煙草に火をつける。

 

 ふと、見知ったような顔に出会った。  大学時代の遊び仲間だった。


 「よう!竜二じゃねえか!久しぶりだな!」。

捲し立てるようにその友人は喋りつけたが、その言葉は幻想のように響いていた。

「・・・・・。昔の俺たちは自由で欲望の奴隷だったよな・・・・ハハハッ・・・・。」


 俯き加減で竜二は呟いた。

「すまないが、一人にしてくれないか?」


空気を察した友人は、挨拶もすがら元来た所へ戻っていった。


 「・・・・・・・・・・・・。 奴隷・・・。」

 

 竜二は空を見上げた。


 大空の向こうには、一羽の鳥が自らの力で自由に羽ばたいていた・・・。


 竜二は立ち上がり、良子との思い出の家へと歩みを進めた。











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ