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8話

今日は祝日だけど、まぁ読んでくれる人いるよね(チラッ

祝日でも仕事があるという方、どうぞ頑張ってください!



鬼ごっこって楽しいよね。

といっても最後にやったのは小学生だったかな。

鬼役が誰かを狙ってタッチしたり、女子がいてもタッチしたら弱い物狙ったとか言われて次からは狙いにくくなったりとか……

グオォォォォ……


「それなりに離れているのに、揺れがこっちに来てますね」


現実逃避してるのにお前ってやつは……

人間の子供同士なら微笑ましいと思う遊びでも、でかいワニとその二倍以上ありそうな蛇がやってるなら話は別だ。

ていうか遊びじゃなくて命がけの鬼ごっこだしな。

あ、これってリアル鬼ごっこ……じゃなくて。


「おい、こっちに集合だ。作戦会議だ」


現実逃避していた間に、リーダーのバンダナ男はこっちに来ていたようだ。

初速が早いようで結構です。

そのままなんとか俺抜きで倒したりできたりしないかな?


馬車は一回止まり、休憩中のパーティーも集めて作戦会議が始まった。


「俺のパーティーの斥候役の奴がもうちょいで帰ってくるはずだから、詳しいことは後にするが……この中に魔法使える者居るか? 使える場合は属性も教えてくれ」


「私は火魔法使えます」


「私は風魔法です!」


「……み、水魔法です」


「全属せ……え? ……水と風の二つ使えます。はい」


「俺は土と風です」


「おお、そこの二人パーティーはどっちも魔法使いで、二属性(ダブル)とは珍しいな。土が一人、水が二人で風三人、火が一人か……」


女三人、男二人の計五人が使えるようだ。

まぁ男の方は俺とカズキなんだけどね。

というかこの馬鹿は全属性とか言いそうになってるし……

あれなの? 全属性って自慢したいから正直に言うの?

注目集めると面倒だから黙っててくれないかな?


「今戻ったよー」


「で、どうだった?」


「ハイサンドが三体、追いかけられてこっちに来てた。追いかけてたのはフィゾンだったなぁ」


「こっちに来る時間は?」


「後五分ってとこかなぁ」


「そうか……余裕を見て三分で作戦決めないと……」


追いかけられてたワニみたいなのは、ハイサンドといって、蛇はフィゾンか。

ハイサンドが三体、ダーバ食われた数も三体……偶然か?

まぁともかく、ハイサンド三体が逃げるってことは、ハイサンド三体<フィゾンってことか。

まぁあの蛇本当でかかったしな。

さて、この状況バンダナ男はどうするのだろうか……


「……よし、とりあえず俺たち魔法が使えない組は魔法使いより前にでて、抑えてる間にやってもらうとして……君、どれくらいの距離まで地面を固く出来る? 普通の土くらいでもいい」


君、というのは俺みたいだ。

うーん何て答えるのが正解か……


「えーっと……頑張れば百メートルギリギリくらいです」


「え、そんなに届くとは嬉しい誤算だ」


どうやらミスったらしい。

何mくらいが普通なんだろうか?

それともここが低レベルなだけなのか。


「じゃあハイサンドはそれで動きが鈍るはずだから、その間に火と風魔法の人達は攻撃してくれ。距離があるからそれで三体倒せるだろう」


ということは、俺の仕事は地面を固くするだけですかね?

さっきので疲れてるけど、まぁ百メートルくらいなら楽勝だろう。

コンクリートはなくて土程度で良いって言ってるし更に楽だ。


「それで、フィゾンは俺たちが囲って、無理ない程度に傷つけていこう。その間、風魔法でも傷付けて、そこに水魔法してもらっていいかな? 火魔法は当てないようにしてくれ。フィゾンは火魔法に強いからな」


無理ない程度って言っても巨体なんでしょ?

どうやって抑えるんかね?

期待していいのかね?


「何か質問は? ……よし、じゃあ馬車が邪魔だから少し進んだところで待機してよう」


まぁ俺は小心者なので文句は言えないけどね。

じゃあお前他の案出せって言われても俺とカズキでごり押ししか思いつかないし。

そもそもそれで倒せるのかって不安もあるしね。

だったら負けた時の責任とりたくないし他人に任せよう。

俺は指示通り動けばいいだけで文句言われないんだから、黙って従おう。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



「そろそろだな。何秒維持できる?」


百メートル、土程度の硬度なら半日は余裕だけど、何が正解か。


「五秒くらいです」


「詠唱にはどれくらいかかる?」


無詠唱できます、とは言わない。

無詠唱は高等技術って本に書いてあったしな。


「三秒あればなんとか」


「わかった。じゃあ合図したら初めてくれ」


合図とは、右腕上げるから確認したら詠唱しろってことらしい。

配置としては、    前衛組




            

           後衛組


            俺


って感じだ。

大体俺から後衛組まで二十、前衛は八十mくらいだ。

何で俺だけ後ろなんだって?

そりゃ魔力切れで自衛できないだろうから下がっててと言われたんですよ。

距離が長くなるほど魔力消費は激しくなるからな。

決して俺がビビりだからじゃない。

サボりなのは認めるけど。


それにしても暇だな。

話し相手だったカズキも後衛組だから俺一人だし。

……あれ、今気づいたけど後ろから来たら俺やばいんじゃない?

自衛できないことになってるのに、これってどういう事なんだろう。

俺たちのために犠牲になったみたいな囮にされてるのか?

……理由はどうあれ、きっとあのバンダナ男はきっとわかってやってるな。

作戦立てれるからこんなことも分かんないってわけじゃないだろう。

何て鬼畜な野郎だ……

お前が先に見捨てたんだからな、お前がピンチでもこっそり助けるのはやめるからな。


と、被害妄想(結構ガチだけど)している間に合図があった。

詠唱は……まぁ近くに誰もいないし無詠唱でいっか。

三秒後に発動っと。

よし、これで五秒維持すれば俺の仕事は終わりだな。

っと、言ってる間に、えっと……ワニが突っ込んできたのが感覚で分かる。

これは維持型だから使っている間は魔力と意識を使うので何となくわかる。

よし、五秒経ったし俺は後ろから高みの見物と行こうかな。

あ、なんなら奇襲も警戒して簡易的な砂の塔作ってその上にいれば文字通りの高みの見物とるし、安全だから一石二鳥だな。

じゃあ早速作って見物しますか。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



ハイサンドとフィゾンの関係は、蛇とカエルのようなものだ。

一方は本当に蛇だが、もう一方はカエルみたいに動けなくはならないまでも、勝てないと本能が囁き数的有利でも逃げる程ハイサンドには勝てない。

必死に逃げるが、本来フィゾンの方が速いので逃げられてもすぐに追いつき丸のみできるはずだった。

では、何故追いかけっこになっていたか。

答えはフィゾンが遊んでいたからだ。

獲物はいつでも狩れるのだから飽きるまでは逃げるがいい、という捕食者の余裕な考えだったからだ。

その結果、ケイ達の方に来ているのだからたまったものではないが、そんなことフィゾンは考えすらしないだろう。

邪魔ものが新たに表れても、同じように逃げるだけ逃げさせてから狩れば良い。


そう思って狩りを楽しんでいたが、どうやら前方に人間がいるのに気づいた。

そろそろ飽きて来たし、こいつらを狩ってから人間も……と考えているうちに、獲物に異変が起こった。

今までずっと逃げていたのに、今は止まっており人間たちに狩られていたのだ。

自分の得物が横取りされたと理解したフィゾンは怒り、更に速度を上げて勢いよく突進していった。

二人吹き飛ばし、次に周りにいたやつらを尻尾で叩きつけようとしたが、いきなり飛んできたナニカ光る物によって肉が裂け、血が出始めた。

痛みを理解した瞬間、更に怒りは爆発的に増えて行った。

それはまるで人間如きに! と言葉が出たかと思うほど吠えた。

周りの人間たちはそれビビったのか、少し距離を開けていく姿に少し留飲を下げたフィゾンだが、今度は水が飛んできて、傷口を更に抉ってきた。

ただでさえ痛むのに、更に抉られ、水で沁みたのだ。

更に大きく声をあげ、暴れ始めた。

砂埃が激しく舞い上がり、距離が十分に取れてなかった数人はその攻撃とは言えない攻撃に当たり、吹き飛ばされた。

命に別状はないが、フィゾンの意図せぬ攻撃で鎧は凹み、骨も折れて動けず呻き声を上げていた。


そんな彼らを無視し、後衛組が更に魔法を唱え始める。

水魔法が使える者は更に水の矢を作って発射し、風魔法が使える者はフィゾンの体に傷をつけていく。

フィゾンは更に暴れ、フィゾンにとっては運よく、人間にとっては運なく、そのフィゾンは後衛組に向かって暴れ始めていた。

すぐさま魔法を中断し、蜘蛛の子散るように逃ていくが、一人残ったものがいた。

先ほどまでの風の刃とは違い、その刃には異質なほど魔力が籠っており、分かる物が見れば、又は平常時のフィゾンなら分かっただろうが、暴れているため感じ取れず、そのまま土ぼこりを上げ突っ込んで行く。

遂にぶつかるか、と言った所でその者は刃を放ち、全長十メートル越え、太さ三メートル近いフィゾンは真っ二つに切れ、崩れ落ちて行った。

だが、真っ二つにしてもまだフィゾンは生きていた。

恐るべき生命力を甘く見ており、油断していたその者に落ち着いた、でも怒りが爆発しているフィゾンは道連れと言わんばかりに地面から跳びあがり、その者を噛もうとした。

腕に当たる、といった瞬間、地面から鋭い槍状の土が飛び出て来て、その顎から脳天まで貫きその者を救った。

誰がやったのかはその者は理解したが、他の物は土ぼこりのせいで見えてなかったので一人で倒したと勘違いしているようだった。


そのことを指摘しようとしても助けた本人からそういう事にしとけと言われたので、彼一人が称賛されることになった。

こうして、本人が納得いかずとも、砂蛇殺し(フィゾンスレイヤー)と呼ばれるようになった。











前回、これで護衛は終わるって言っちゃったから本当は分けたくなったけど頑張って書きました。

なので、最後の方の三人称はまぁ少しおかしい所があると自分でも思いますが、どこがおかしいかは自分ではわからないのでご指摘くださいますか、我慢してお読みください。

って、これを読んでるって事はもう読んだ後だから意味ないか……

まぁとにかく、話の細かい所は予想外に、大まかな流れは予定通りに行ってるので次回から物語が動き始めます!


では、お読み頂きありがとうございました。


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