閑話06話 光に潜む影
やっはろー!
久しぶりなのと夜中のテンションが合わさって良い感じのたかゃです。
ようやっと時間に余裕が出来たので、また定期的に更新出来たらいいなぁと思いつつの最初の一話。
果たしていつまで定期的に続けられるのか・・・
それの確認も含めて読んでくれたらなーって思ってたり思ってなかったり……
うーん眠くて頭痛いし回らない。
っとと、前回か前々回前書き長いと言われたし、詳しい投稿時間は活動報告の方で。
リヒト王国、通称光の国の王都。
ここでは、日が暮れた後でも光に包まれていた。
この国は光の国と呼ばれるだけあって、夜でも街は非常に明るい。
そしてその中でも一際輝いているのが、街のど真ん中にある王城であった。
常ならば、この国の王が住む城も壁が光っているかと思われるくらい光が溢れ出ているのだが、今は嘘のように暗くなっており、いつも輝いていた城が不気味に見えた。
そしてこれは今日だけではなく、ある日を境に今日もこんな風に暗くなっていた。
今までこのような事はなく、民衆も不安に思い続けていた。
何の言葉もなく、何故なのか誰も分からないからだ。
そのため、王族の誰かが暗殺された、戦争をしようとしているなどの噂さえ流れてしまっている。
だが仕方がないだろう。
王都という国で一番と言ってもいい程の場所でも、半分以上は平民なのだから。
日の出る時間帯に働き、日が暮れるまで働くのはここ光の国だけではなく、どの国も同じだ。
少し裕福なら仕事の後にギャンブルでもできるだろうが、平民の大半はそこまで裕福ではないのだ。
他にやる事と言ったら知り合いと酒を飲むだけ。
王都だから噂話も多数あり、今のブームは王城の事だ。
だから酒で酔った勢いで各自のこういった予想が飛び通い、中には王位継承権争いで他国の貴族を殺してしまい、どうにかしようと忙しい、なんてものもある。
こういったものは娯楽が少ない平民にとっては良い娯楽になる。
楽しさ半分、不安半分だったとしてもだ。
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そんな暗い城の中でも人はいる。
城門の門兵、見回りの兵士、執事、侍女、料理人などの使用人。
だが、本来いるはずのこの城の所有者、王はおらず、そして妃や、その血を引く王子、王女もまたいなかった。
これは戦争時でさえあり得ない事だった。
だが、ある意味戦争よりも重要な事のため、王家全員でその場に向かっていた。
王城から徒歩十数分の位置にある、神殿にその全員の姿があった……
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「おい、まだなのか」
「聞いてまいります」
神殿内、客間の一つ。
そこにこの国の王、アーゼル・バード・リヒトの姿があった。
年齢はまだ40後半と若くとも老いているとも言えない微妙な年齢だが、その顔には苦労が刻まれたかのようなシワがあり、体は少し出ているが王としての覇気があるように見えた。
そんな一国の王がイライラしていて、何度目になるかも分からない問答を繰り返していた。
「父上。私たちの感覚では後数日で必要な魔力が貯まるはずです」
「やっとか。早く戻らないと国が止まってしまう」
この国の第一王子であるサンドラ・バード・リヒトが、そんな王に向かって報告する。
「それは後で全員でやれば、片付くでしょう」
「分かっている。それより他の三人は?」
「私の方が三人よりも魔力が少ないので先に休ませてもらっています」
「……そうだったな。お前は時期王なのだから、それでもいいが、その分他で努力しろ」
「……はい」
サンドラは困ったように笑いながら、話を続ける。
「それよりも父上、お話があります」
「まぁ暇だし良いだろう。何だ?」
「……本当にこれは必要なことなのでしょうか?」
「これとは何のことだ?」
「この勇者召喚の儀です」
勇者召喚とは、異世界から、素質ある人をこちらの世界に呼び出すことである。
だがしかし、自分や物を別の場所に移動させる『転移』と呼ばれる魔術でも、宮廷魔術師レベルが有している魔力が数人文程度も必要なのだ。
距離や使う人の精度に多少の差はあれど、意思のない物を移動させるのでさえここまで必要なのだ。
距離は異世界というどれだけ離れているかさえ予想がつかない距離。
そして、意思ある人を無理矢理召喚するので尚更魔力が必要なのだ。
本当なら、追加で更に召喚者も必要だが、代々光の国が持つ古代遺物の一つ、『召喚陣』のおかげで、素質がなくとも魔力があれば召喚される仕組みになっているから問題なかった。
そのことから、どれくらいの魔力が必要かわからないから当初はじっくり時間をかけてやろうとしていたのを、王がうるさいから当初の予定の半分でやろうとしているのは王は知らない。
「……今さら言うな。もう決まった事だ」
それに、と王が続ける。
「当代の巫女に神託がきたのだ。それを無視も出来まい」
巫女とは、神に仕える聖職者の中でも、神託を受けることが出来る一族の女性一人がなる役職のようなものだ。
神の声が聞こえるんだから一番上、ということもなく立場が特殊なのだ。
第一、巫女が生きているうち、神託は最初に前巫女から受け継がれるときと、次代の巫女に引き継ぐときのみだ。
それ以外で受けるのは、よほどの事のみだ。
そして、その受けるはずのない神託を受けたというのはただ事ではない。
更に、『勇者を召喚するように』とまで巫女が神託受けたと言っているのだ。
いかに王といえども、この神託を無視することができないから、勇者を迎えるためにここにいるのだ。
「しかし、巫女が嘘をついている場合もあるのでは?」
神からの声を神託として受け取れるのは巫女のみだ。
嘘の可能性もあるのだ。
「それはもう先に確認させた。審議眼のやつで確認済みだ」
「そうでしたか……失礼しました」
「よい。何事もまず疑って裏を調べるのは当たり前だからな」
『審議眼』とは、魔眼の一種で、相手の嘘を見破るというものだ。
なんとも便利な眼だが、この眼のせいで不幸になる人もいるので、一概に良いものとは言えないだろう。
「それに、嘘であろうと余ら王族たちにその召喚しない選択は取れない」
「何故ですか?」
「もし仮に、何かが起こった場合、ここぞとばかりに教会と一部の貴族が責めて来るだろう。その場合の言い訳として、勇者召喚はしとかなければならないのだ」
例えば、魔王が復活はしなくても、流行り病で王都の平民が半分かかったとしよう。
そこまで流行れば当然貴族にもかかるものは現れる。
この時に、「勇者召喚はこの危機のために必要であったのでは?」と責められるのは召喚を無視した王族に行く。
要するに、言い訳するのにもここは教会に従って召喚は為されなければならないのだ。
「それに、巫女本人は本当に神託が下ったと思っていても、それが幻聴であれば審議眼ではそれが判断できない」
審議眼は嘘かどうか見破るだけだ。
それ故に、嘘はついて無かったとしても、本当の事とは限らない場合もあるという事だ。
「……分かりました」
言葉では納得しても、本心では納得しきれていないサンドラ。
それが顔に出ているのが、まだまだ未熟と言った所か。
気づいていながらも、無視して続ける。
「もう夜も遅い。魔力回復も必要なのだから、もう休め」
「……失礼します」
そうして退室していったので部屋には王ただ一人。
そのはずなのだが、王が左手を上げたらどこかから黒い影が近づいてきた。
「これを外務省のあいつに」
「……」
一言も発することなく、出された紙を受け取り闇に消えていった。
これで本当に一人だ。
コンコン
「……入れ」
入って来たのは、先ほど聞いて来ると言って退出した侍女だった。
「もうすぐに終わるとのことです」
「……そうか。もういい、お前も戻れ」
「失礼します」
そうして退出していった。
これで本当の本当に、一人だ。
窓の外には、夜中にも関わらず光が溢れていた。
そんな光景を、この国の王は見つめていた。
閑話いくつかって言ったけど、多分これだけの可能性大だな……
考えた物の内、一つはまだ時期が早くて、もう一つはまぁ今じゃなくても後の方が良いかもって感じだから残ったこれしか使えないという……
そんなわけで次回から第二章ですね。
つけるとしたら、『聖国の波乱』ですかね。
そんなわけで、48話をエピローグに変えました。
まぁ途中までは考えていても、終わりまでの展開が見えてないのでどうなるのか……
よし、今日はもうここまでにして寝まーす。
お読み頂きありがとうございました。
次回もまたお読みください。