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41話

一月ももう半月経ちましたね。

休みが恋しい……

やりたいこともたくさんあるし後三か月は休みがほしいw


っと、作者の戯言は無視でいいですので是非お読みください


中は真っ暗ということはなく、少し薄暗いだけで見えないという問題はなさそうだった。

これなら光の魔術『ライト』を使う必要はなさそうだな。

とはいえ、気になったので「どうして中は真っ暗じゃないんだ?」と、なぜこんな明かりが外から入ってこない場所が多少暗くても見えるのか不思議だったのでアウラに聞いてみると、「ダンジョンの七不思議のうちの一つ」という答えが返ってきた。

残り六つはちゃんとあるのだろうか?


そんな考えしながらも道は直線だったし何も出てこないのでそのまま進んでいくと、ドアがあった。


「……なんでドアがあるの?」


「……? どのダンジョンにもドアくらいあるけど?」


いや、ダンジョンといえば魔物がわんさか出てきて罠もあったりする危険な場所なはずなのに丁寧にドアが置かれてるってどういうこと?


「というか綺麗だしこれ最近変えたのかな?」


そんなもの好きいるとは思えないけど。


「……ダンジョンのドアは壊れない。七不思議の一つ」


他にもあったのねそれ。

ていうかアウラがどや顔しながら言ってるのが地味にムカついてドアを蹴飛ばして開けた。

そこでドアが壊れた……ということはなく普通に開き、なにやら広い空間のような場所に出た。


「……なんかようやくダンジョンっぽいことがおきそう」


不謹慎だったが、今まで何も出てこずに一直線だけだったのでつまらなかったので楽しみだ。


『……汝、ここに何をしにきた』


一歩その空間に足を踏み入れた時、そんな声が聞こえてきた。


「アウラでは……ないか。ということは誰だ?」


「……ん。これはダンジョンマスターと呼ばれるダンジョンの支配者だと思う」


「ダンジョンマスターね……」


俺が好きだった小説の一つに転生してダンジョンマスターするような話もあったな。

それからすると、要はダンジョンの形や魔物を自由に操れて、しかも宝箱はダンジョンマスターが直々に配置してるとか。

……宝箱は今はどうでもいいか。


『……再び問う。何をしにここに来た?」


「どうするアウラ」


ここで変に返して逆鱗にでも触れて落とし穴、とかになったら嫌なのでアウラの意見を聞く。

聞こうとしたが、なんとグーサインで返してきた。

つまり俺一人で何とかしろと? ……失敗したらアウラの責任にしとこう。


「領主様の娘がご病気とのことなのでここにあると言われた薬を取りに来ました」


こうなったら直球勝負ということで素直にここに来た目的を話した。


『ふん……どうだかな。確かに奥まで来られれば望みの物を渡すようにしておるが、汝の好きなものをここでもらったほうが確実にいい思いが出来るんじゃないのか?」


「確かにそうでしょうが……そんな事のためだったら自分の命の危険なんて冒さずにローリスクハイリターンのことを探しますよ」


別に嘘は言ってないけど本当のことも言ってない。

本音をいえば領主の娘がどうなろうが自分の知らない人だからどうでもいいし。

それに、領主に薬渡した途端「じゃあもうお前らは用済みだ」なんて言われたらとりあえずその場所吹き飛ばして他国に亡命するからいいし。

こういうときって冒険者って良いよね。


『……そうか。先ほどきた奴らよりは期待できそうだな。では楽しみに奥で待つとしよう」


……その言葉を最後に何も聞こえなくなった。

「あれでよかったかな?」


「……さっきのやつらよりマシって言ってたし多分」


じゃあ良しとしとくか。

さて、前に進むか。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



人が五人横に並べるくらい広い空間を前に進んでいく。

そう、ただただ前に進んでいく。

五分も、十分も、三十分も、一時間も……って


「いやこれどう考えてもおかしいだろ!」


「……何が?」


いや何がじゃないよ。


「こんだけ前進んでいるのにちっとも何もないし、流石にそれはおかしいだろってこと」


「……言われてみれば確かに」


いや気づけよ。


「多分、これってそういう罠みたいなもんじゃないか? 同じ場所をずっと歩き続けるみたいな」


「……じゃあどうするの?」


それが問題なんだよな。

幻覚とかそういう魔法なら気づいた途端に解けているはずだし、単純にそういうダンジョンの罠だとしたら、クリア不可能な罠はないはずだからどっかに出口がありそうものなのにそれらしきものが見当たらないし。


「どうするって言われても何かこれを解くのに条件が必要だと思うし……」


それとも来た道を後ろに行けば良いとか?

いや、そんな単純に解けるような罠だったら俺なら作んないし。


「……なら壁壊してみる?」


「うーん……他に案ないしやってみるか。あ、アウラはやらなくていいよ。取りあえず俺が試してみるから」


少し不満そうにしていたが渋々納得してくれた。

風は威力より不可視とか速度が優れているものでほかの属性に比べて威力は低い。

この場合、威力が最も大事なので理解してくれたのだろう。


「じゃあ、やってみるよ。『ファイアーランス』」


『ファイアーランス』は一つしか放てないが、バレット系やアロー系と違って威力を重視した魔術だから威力は高い。

壁に当たった瞬間に爆発するのもランス系の特徴の一つであったりする。



「……壊せた?」


おいそこ、「やったか?」みたいなフラグ建てるな!

煙が晴れるとそこには先ほどと同じように壁が現れて……アニメとかでよく見るようにミシミシって音がして大きなひびが入った。


「……とりあえず壊せそうだから壊すね。『マルチ・ファイアーランス』」


さっきよりだいぶ小さい炎の槍を六個くらい出してひび全体に当たるように狙って放った。

え? 『ファイアーランス』は一個しか出せないんじゃないのかって?

魔法はイメージでいくらでも変えられるから問題ありません。

魔力消費もさっきと同じようにするために小さくしたんだし。

つまりイメージ次第で魔法はどうとでもなる。

……誰に話してるんだろう俺。


とにかく、壁は完全に壊れてその先に道があった。


「……私の予想的中」


そしてまたどや顔しているけど、今日はなんだか珍しいな。

普段は表情なんて変わらないのにこんだけ変わるなんて。

もしかしてダンジョンということで興奮しているんだろうか?

……とりあえず置いとくか。

先にアウラ行っちゃったし離れたら不測の事態に対応できないからな。

……主にアウラが。

魔力量とかでは勝ってても、未だに技術では勝てないから仕方がない。

俺の場合無詠唱でもできるけど集中しないといけないから時間がかかるし、ぶっちゃけ魔法名を言って発動(これは詠唱破棄と言われる技術らしい)させたほうが早いほどだ。

対してアウラは普段は魔力消費だとか集中しすぎて疲れないようにしてるから詠唱までしているらしいけど、いざとなったら魔法名さえ言わないから、やっぱり発動は俺のほうが遅かったりする。

……男女差別はしない主義だけど、女に守られるってのはちょっと情けない気がしてきたので魔法開発とかと

並行して無詠唱の練習でもしようかな。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢


~ 一方そのころ ~


「カズキ様、少し休憩にしませんか?」


「これ以上歩いて疲れを溜めているといざというときに対応できないかもしれません」


「それに、カズキ様と少し話したいな……なんて思っちゃったんですけど……だめですか?」


「そうだな……お前たちも疲れただろうし少し休むか」


「さすがカズキ様! その優しさ素敵です!」


なんてことが同じダンジョンの別の空間であったりなかったり……










なんか、あんまり進んでなくね?

で、でもこれ以上書くと長くなっちゃうか中途半端になっちゃうししょうがない。

そう、しょうがないんだ……と、自分に言い聞かせないとやってられないほど進んでないですよねw

このダンジョン編は後何話で終わるかも分かんないので、気楽に待ってくれて、酷すぎる内容でも笑って流してくれる読者様は引き続き読んでくれると嬉しいです。


それじゃ、お読みいただきありがとうございました。

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