40話
ハッピーニューイヤー!
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
あけおめことよろ!
……まあとにかく新年になりましたね。
この小説は出してから一年たつというのにまだ40話と色々と問題のある小説ですが、今年も見てくれるとやる気も上がるので是非見てってください。
といわけで、新年早々暇な時間でもありましたら是非読んでください。
そしてやっとのことで乗り心地の悪い馬車で着いた町「ケルン」。
道中は魔物が襲ってきたくらいで何事もなく平和だった。
「うわぁー。ここも広い所ですね」
「迷子にならないようよそ見はしないグラント」
勿論今回の予定だと何日かかるか分からないからグラントとカリーナも一緒に連れてきた。
馬車代が地味に痛かったが長い事二人にさせるのも心配だししょうがない。
「グラントはこういうのに興味があるのか?」
「こういうのって何ですか?」
「うーん言葉にするのは難しいけど……町とか、村とか、色々と見て回る事かな」
「そうですね……奴隷になるまで村から出たことはなかったので興味があります」
どこの引きこもりかと言いたくなるが、この世界だとそういう事もあるだろうと考え直す。
村と村の間を移動するだけでも徒歩だと一日じゃつかない距離だし、移動手段はそういう田舎だと徒歩。
馬車とかは領主くらいしか使えないだろうし。
しかも、移動するだけでも魔物に出会う可能性はある。
そんな危険を冒してまで移動する理由が子供にはないだろうしな。
「そうか。じゃあグラントには冒険者が天職かもな」
「天職……ですか?」
「だってそうだろ? 冒険者は確かに危険だし食うに困るほど儲からない時もあるだろうけど、仕事を求めて移動したり、今の俺みたいに依頼のために移動したり、俺たちが今から行くダンジョンなんかも地図は見れても中は実際に行かなきゃ予想は出来ず、しかも運が良ければ良いものが手に入るらしいからな。そうやって色々と見て回ることが出来るのは冒険者くらいだろうな」
「冒険者……ですか」
少しは興味持ってくれたかな?
……ふっふっふ。計算通り。
これで自主的に冒険者になって活躍してくれて俺に生活費を入れてくれれば俺は最低限の依頼をするだけで今のランクを維持したまま楽な暮らしができるぞ!
……まぁ今のランクだと一回受ければ最低一か月は贅沢しなければ暮らせるけどな。
「まぁそんな話は良いとして……さっきから無言だがどうしたんだアウラ?」
勿論今回の依頼にはアウラにも着いてきてもらっている。
一人だと初めてのダンジョンでどうすればいいかゲーム知識しかない俺だと話しにならなそうだしな。
「……別に何でもない。考え事をしていただけ」
そうか。ならいいけど。
さて、今回の「ケルン」の町だが、そう人はいないな。過疎っているって言うわけではないけど昼間なのにあまり人を見ないのは不思議を通り越して奇妙だ。
「この町ってちゃんと機能してるのか?」
「……私達には関係ない。早速ダンジョンに入る準備をするだけ」
「まぁそうなんだけどな」
まずは宿屋に行って今日の分と明日はカリーナとグラントの分を予約して。
次に一応武器屋だな。
今まで近くに来た敵用に使用していたナイフが数回使っただけで駄目になってしまったからな。
まぁ安物だったし、血を洗って流すくらいしかやっておらず手入れは一切してないからしょうがないか。
そして今回も安物のナイフを一本買っておく。
本当に近くに来た敵に刺す程度だから安物でも十分だろう。
次は杖がない俺に魔法屋に寄れとアウラが言ってきたが止めといた。
別に杖がなくても問題ないし、また買ってすぐ壊れたら泣いちゃうからな。
アウラもなくても充分戦えてるし問題ないと思ったのか何も言わなかった。
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翌朝。
少しいつもより遅い七時くらいに起きて朝食を食べ、荷物をちゃんと入れたか確認して出発の準備はできた。
「じゃあ行ってくるから大人しく待っていてくれよ」
「もちろんです」
「あの……一ついいですか?」
ん? グラントがこういう時に何か言うのは珍しい。
「町を見て回ってもいいですか?」
「ああ、そのことか。それなら条件がある。今日は見て回っても良いが、カリーナと一緒にいること。そして明日以降も見て回りたいならカリーナの許可を取り、一人だったら夕方五時には宿に戻る事。この条件を飲めるならいいだろう」
「はい、ありがとうございます!」
別に勉強ばっかじゃなくてこういう事を毎回でも良いが、カリーナは街を周ることに興味が薄そうだから大変だろう。
まぁ今日一日くらいは我慢してくれ。
「カリーナも今日だけでいいからよろしく頼んだぞ」
「はい、ケイ様もお気をつけて」
うん、良い買い物だったと毎回思っちゃうな。
有能すぎてマジ羨ましいレベル。
これで戦闘も出来たら俺は人造人間を疑うレベルだわ。
「じゃあアウラ、行くか」
返事はながったが無言でうなずいてくれたのを確認し、先に歩き始めた。
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徒歩で向かって一時間。
流石最寄りと言うだけあって近くていいな。
まぁ普通のダンジョンはダンジョンに村というか小規模な町が出来るようだからここは例外中の例外何だとか。
「それで、本当にそんなに難しいのか?」
「……ん。噂ではそう」
危険度が高いというわけではなく難しいというのは何故か。
それは、奥に進める人がまず少なく、そしてこのダンジョンは怪我はするような罠はあるが致死性は低いらしく、他のダンジョンの方が逆に高いくらいなんだとか。
しかも奥にいけないから魔物とも滅多に出会わないらしい。
奥に行けず、しかも魔物からダンジョンでは魔石は出ないので儲けもでず、ただの時間の無駄として不人気なのがここに小規模の町が出来ない理由の一つらしい。
まぁ今はもうその話はいいか。
「おい、万が一にも他の奴等が先に行っている可能性もあるから早速行くぞ」
「「「はい! カズキ様!!」」」
そしてダンジョンの入り口の前には男一人に女三人というハーレムパーティーが入っていったが……
うん、俺の予想が当たっていたら厄介な事になりそうだから何も見なかったことにしよう。
「……私たちも来た意味がなくなる前に行こう」
「そうだね」
出会わせなければいいが、そこは運だししょうがない。
出会ったら出会ったでどうにかするとしよう。
今回も普段よりは短いですが、キリも良いですし、新年ですしこれくらいが丁度いいでしょう。
次回はまた何時になるかわかりませんが、改めて今年もよろしくお願いします。




