32話
どうも。俺だよ俺俺。
え? 分からないって?
……すみません、久しぶりです。
奴隷とか出すのでこれから先の展開とかも考えて設定も考えていたので遅くなりました。
ま、まぁ次こそは水曜日に続きを書くので話数的に問題ないようにします。
翌朝。
寝坊とかもせず普通に起きた俺は、朝ごはんを宿で食べ、今は奴隷商のところへ向かっている。
この街には一つしかないみたいだから聞けば教えてくれた。
「ここが奴隷商か……」
外観は普通だった。
事前に教えて貰ってなかったらきっと素通りしたであろう所だ。
取り敢えず向こうは店、こっちは客なので入っても問題ないと思うので入ってみる。
「いらっしゃいませ。何をお探しでしょう?」
普通の服屋みたいな感じに笑顔で尋ねられてしまった。
思う所がないわけでもないが、買おうとしてる自分も自分なのでどうこう言えることではないか。
「これを渡すように言われたんですけど」
紹介状と言っていたやつを渡す。
宛先を見た店員が「少々お待ちください」とのことだったので、そこら辺にあったソファーに座って待つ。
お、このソファー日本のよりは固いけど十分だし、それに触り心地が良いな。
何の素材だろうか?
「ようこそいらっしゃいましたケイ様」
ようやく来たかと声の主を見ると
「パドマさん?」
なんとあの前に居た町のパドマさんじゃないですか!
まさかその紹介状って召喚できる紙とかだったの?
「いえいえ、パドマは私の兄です。私はその弟のコーリウスです」
いや、それにしてはよく似てるというか、同一人物にしか見えないんだが……
「よく言われます」
この人も俺の心が読めるのか! って違うか。
良く言われるのも頷けるほど似ているし、もう考えることが読めちゃうんだろう。
逆にそうであってほしいと願うばかりだ。
「兄からの手紙では奴隷をケイ様に売ってやって欲しいとのことでしたが、条件が書かれてなかったので本日どのような奴隷を求めてきたのか聞かせて貰っても宜しいですか?」
これについてはもう決まっている。
「一人は教養がある、掃除料理などの家事が出来る事、そして年齢が二十五から三十五歳の間である事の三つです。もう一人買いたいですが、そっちは後で話します」
「分かりました。準備しますので少しお待ちくださいませ」
そう言ってお辞儀した後、奥の扉に入っていってしまった。
「お茶をどうぞ」
「ありがとうございます」
この世界で水以外を飲むのは初めてだが、意外とおいしかった。
♢ ♦ ♢ ♦ ♢ ♦ ♢ ♦ ♢ ♦ ♢ ♦ ♢
用意が出来たらしいので、奥の扉に入って案内される。
左右に扉が一杯あるが、手前の方のドアを開けてどうぞと言っているのでここに俺が求めた奴隷がいるのだろう。
「三つの条件に合いましたのは六人でした」
部屋はちょっと薄暗いが、暗くて見えないって程ではないので顔が見れた。
全員別々の檻の中で閉じ込められているな。
四人が女で二人は男は二人か。
いても男は一人だと思っていたので選択肢の幅が出来たことは嬉しい。
それと、ここはファンタジーらしく猫耳? 犬耳? か良く分からない耳をした人も居た。
流石におしゃれでつけてるわけでもないはずだし、あれが獣人なのだろう。
そして重要な事だが、全員綺麗だった。
いや、容姿とかじゃなくて身体が。
小説とかアニメとかだと奴隷って人権ないから風呂もサウナも入れず汚いまんまじゃん?
服も来てなかったりボロボロで体が見えてるとか。
それがこの奴隷たちにはなかった。
いや、服はボロいけど、まぁ着れなくはないって感じだ。
つまり、急に六人も綺麗にすることは無理なので、以前から綺麗にしていたという事だ。
という事は、人さらいして違法に売っているというわけでもないので安心して買う事が出来そうだ。
いや、どっちみち買うんだけどさ。
それと、問題が一つ。
「初めて買うので何を基準に選べばいいか分からないんですけど、何か選ぶ基準とかないですか?」
そう、能力以外に選ぶ基準が分からないことだ。
もしも、能力はあっても人前だと緊張して出来ないとかあったら買うのは止めたいからな。
まぁそんな人はいないだろうけどさ。
「大体のお客様は夜遊びも兼ねて好みで選んでいるかと思われます」
この世界だと、奴隷には何をしても良いってやつなのかな?
例えば夜のお遊びとか。
……いや、俺にはまだ関係ない事だろう、うん。
「そうだ、ちょっと奴隷に質問して、気に入ったのを買っても良いですか?」
面接みたいにしちゃえば何となくだがその人の性格も分かるだろう。
分からない人、もしくは危ない奴だと思ったやつははじいちゃえばいい。
「どうぞどうぞ。私は邪魔にならないよう部屋の隅にでもいるので」
許可も貰ったし、じゃあ早速疑似面接を始めるか!
「じゃあ右から順番に名前、年齢、特異な事、いつから奴隷になったか、なる前は何をしていたかを答えて下さい」
まだ自分の奴隷じゃないし、一番年下の人でも年上なのでタメ語はやめておいた。
「タスイです。歳は26。得意な事は家事です。一年前に奴隷になり、それまでは宿屋をしていました」
若干大人しめな人だ。
宿屋をやってたとか客が入らなくて借金背負い、そのまま奴隷というテンプレをこの人やったのかな?
あ、このテンプレは潰れる前に主人公が宿屋に入って事情を知り、立て直すまでがセットだったか。
まぁこの世界に主人公なんて生物は存在しないのでそんないい話があるはずもなく、奴隷の仲間入りと。
「カンナ。20。得意な事は人殺し。奴隷には———」
「ああ、もう結構です」
何この人危なすぎだろ!!
それに20とかどう見てもサバ読んでるじゃん。
思わずコーリウスの方を見たが、笑顔だった。
だが忘れないぞ、笑顔に戻す前は睨みつけていたのを……
あ、勿論睨みつけてたのは奴隷の方だから俺は気にしない。
「私はぁ~メロディって言うの~。歳は29よ~。お姉さんを買ってくれたら良い事教えてあ・げ・る♡」
「すみませんコーリウスさん。二人目と三人目の人弾いちゃってください」
「かしこまりました」
「ちょっと良い事よ! 童貞卒業どころかそれ以上良い事あるわよ!?」
あーなにも聞こえない聞こえない。
誰が童貞だくそアマ。
俺はまだ健全な高校一年生だ。
逆にこの時期に卒業してるやつとかほぼ皆無だろう。
ってそういえばここは異世界、成人と見なされる年も15だと酒場で言ってたからこの歳でまだあれなのは俺だけ……いや、きっと魔術師がいる世界、二重の意味で魔法使いさんもいるだろう、そうに違いない。
そんなもう聞くのを拒んでいる耳には聞こえなかったが、コーリウスが檻に近づいて何か言ったら、口を閉じてそのまま黙ってしまった。
一体どんな魔法を使ったんだ。
恐ろしい……
「この奴隷を戻してくるのでどうぞ続けて下さい」
お言葉に甘えて、次の人に目を向けて催促する。
「カリーナといいます。歳は33。得意な事は家事全般です。奴隷には一か月前からなり、それまでは侍女をやっていました」
侍女ってメイドみたいなやつだっけ?
そこで働いてたとか結構優良物件なんじゃないこれ?
まぁ決めるのはまだ早いし男の方にも聞こう。
「バイラプシーだ。歳は28。得意な事は剣と料理だ。半年前に奴隷になってそれまでは傭兵をしていた」
戦うコックさん的な感じなのかな?
それとも料理が得意って言っても所詮は男料理って感じなのかな?
剣の腕はそんなに必要としてないけど、料理は肝心だからな。
だけど傭兵で料理人という良い響き。
うーん迷うな……
「俺はジンカシンや。32。特技は計算やで。買ってくれたら商売の秘訣を教えてやるぜ」
いや、商売の秘訣は確かに気になるけど、別にそこまで知りたいってわけじゃないし。
人の話聞かないで自分の話しばっかの人は俺好きじゃないし、この人もないな。
決めるとしたら一人目と四人目と五人目か。
一人目は見た目大人しそうで、だがしっかりしてそうな感じだった。
四人目は家事全般出来てしかも侍女。
なぜ奴隷になったかは分からないがそれは置いといて、本当の意味で教養があるのはこの人だろう。
五人目は傭兵で料理が出来る。
正直どこに教養があるんだって突っ込み入れたいところだが、案外傭兵っていろんな国に行くから意外といろんな知識があるのかも。
悩むが、正直一人目の得意な事と四人目の得意の事が被ってて、しかも四人目の方が上位互換の感じがするな。
それと、料理が出来るからって傭兵をやってた人が家事とかできるかな? しかも男だし。
やっぱり家事とかさせるなら女の方が良いかな?
うん、変に失敗とかしたくないし、侍女なら失敗とかないだろう。
「どうやらお決まりになられたようですね」
いつからいたんだ?
気づかなかった。
もしかして気を使ってくれたのかな?
「はい。カリーナを買いたいと思います」
「ありがとうございます。カリーナは600万リルになります」
た、高すぎる……確か貰ったのが1200万だったから半分もか……
いや、それだけの価値があるんだろう。
そう信じたい、いや価値なかったらここ潰してやる。
「後もう一人買いたいんですが、良いですか?」
「はい、勿論喜んで」
「じゃあ次に買いたいのは———」
「はい、用意させますのでしばらくお待ちください」
次は安い奴隷を買わないとな……
一人目の奴隷はカリーナさんでした。
侍女ですよ侍女。
やっぱり王族とか貴族の侍女でもやってたんですかね?
そして何で奴隷とかになってたんですかね?
作者自身も大まかにしか決めてないので分からないのが実情ですがww
長くなったので二つに分けたので次こそは書く時間さえあれば楽に投稿できるとそう信じたい……
あ、たとえ一か月以上音沙汰なくても失踪という一番最悪な終わり方はしないので安心してください。
失踪=作者は事故で死亡と思ってもらっても構わないほど失踪するつもりないので。
では、およみいただきありがとうございました。




