29話
前回閑話とか言いましたが……あれは嘘だ!
……いや、マジすみません。
閑話はここでより後の方がいいと思ったので先に29話投稿しちゃいます。
お詫びとしまして、閑話は水曜日にします。
短いだろうけど。
まだ書いてないのでどれくらいになるか分からないけど。
まぁそういう事なので、今回はあの人? の続きになります。
「よぉ、また会ったな」
「随分早い再開ね」
ああ、俺もそうこんな早くなるとは思わなかったよ。
「今回達成した条件は、『魔物に名前を付ける』事だ! はい、見事達成したケイに拍手!」
器用な事に、俺の他に2人しか居ないのにそれ以上の拍手の音が聞こえる。
まぁ神相手にこんな細かい事気にしてたらやっていけないだろ。
「本当は『テイムすること』を条件にしようと思ったんだが」
「それじゃ簡単すぎるし、だったらネームドモンスターを作らせることにしたんだ」
「と言っても、簡単に作らされちゃったわね」
「これは予想外だったな」
ネームドモンスターって確か、種族名とは別に個体を表す名前がついてる魔物だったかな……まんまだな。
「という事で、これまた直ぐに進むな」
「ええ、早速作っといて正解だったわね」
そう言って取り出したのが、1と書かれた……ガラスの板?
「知らないの!? これは神界で流行っている『真実の鏡』よ!」
いや、何ですかその嘘くさい名前。
しかも神界で流行っているとか人間でしかない俺にわかるわけないじゃないですか。
「嘘くさいとは何よ。この鏡は凄いのよ! なんたって『嘘が書けない』鏡なんだから!」
うーん……
神の世界にあるかどうかは知らないけど、契約の時にでも使うのかな?
「それもあるが、罪を犯した神が本当に反省したかどうかの判別するのにも用いられてる。神同士だと心が読めないからこれほど便利な物はない」
いや、神が問題起こして裁かれている事の方が驚きなんですけど。
「まぁ今はその事は良い。今回はその特性ではなく、『真実を映す』特性の方を使って作ったからな」
まんまなんですね。
「じゃあ更新するか。『汝、フェレミスの正しき時間を現せ。総ては真実のために』」
その直後、さっきまで1と書かれた鏡が2へと変わった。
「まぁこの場合の時間は勇者の召喚までの時間に設定してるからこうなってるんだがな」
そういえばさ、気になってる事があるんだけど……
「何だ?」
「どんどん言っちゃって良いわよ?」
「こういうのって幾つ達成したとかを表すんじゃなくて、カウントダウン形式の方が色々と良くないか?」
言った途端、2人の顔は「その手があったか!」といった感じを表していた。
いや、逆に普通それしか思いつかないんだけど……
「確かにそっちの方が後幾つとか忘れないから良いな!」
「それは盲点だったわね!」
「いや、流石に思いつかなかったってのを声に出して言うのは止めようぜ?」
人間相手に威厳が無くなっちゃうよ?
まぁ元々俺の場合は感じてないけど。
「そんな事より改造だ!」
「ええ、そうね! じゃ、私たちはこれから忙しくなるから次はまた条件達成して会いましょうね!」
「いや、ちょっと待った!」
うん、忘れない内に聞いとかないとな。
「それじゃあ達成したご褒美として聞こうか。但し、一個だけだ」
一個だけ?
どうして?
「何を聞こうとしてるのか大体予想しているからだ。そして、俺たちは基本あまり管理してる世界に関わらないようにしているからな」
「まぁこれも神の事情ってやつよ」
それならしょうがない……のかな?
「じゃあとりあえずこれだけ。俺以外の転生者ってどれ位いるんだ?」
現在ソラしか見つけていないが、これが特殊な例だとか思うのはおめでたすぎだろう。
「あの世界に送ったのは全員で300人だ。まぁ時期は3年前とかだったり、20年前だとかに別れているけどな。寿命以外の理由で死んでいなければその人数がいるはずだ」
300人。
これはきっと多いのだろう。
だが、その中で今も生きているのは何人だ?
「その中で何人生きているんだ? どこに住んでいるんだ?」
「その情報は個人情報の問題で教えられないって言えば伝わるかな?」
十分伝わったよ。
だが、結局何もわからないままだ。
300人来たと言っても日本と違って危ない世界でゴブリンにもなる可能性がある中どれほど生きている……
そうか、その聞き方があったか!
「どこに生まれたとかは良いから、今生きてるやつはどんな見た目をしている?」
「これも個人情報に引っかか……らないな。上手い事を考えるな」
住所は? とか聞くと個人情報に引っかかるが、いつもどんな服着てるの? とかは引っかからないのと同じだろう。
まぁこんな事聞く人がいるとは思えないし、言うとしたらナンパしてる男が言うような感じの言葉だよな。
「これは色々いるぞ。ドワーフだったり、お前と同じ人間だったり、エルフだったり獣人だったり。珍しい精霊だったりもいるぞ。後は魔物だったりだな。これは少数だが」
色々いるんだな、本当に。
これじゃ特定するとかできない……
いや、待て。何で俺は特定して会おうとしてるんだ?
別に会ったからってそいつが善人である保証なんてどこにもないんだし、俺以外に転生者はいらねえ! という考えの転生者に出会ったら戦闘になるし……
何で探そうとしてたんだろうな?
「考えてるところ悪いが、やる事はこっちもいくらでもあるからな。それじゃ、勇者の召喚までの最後の1つ、頑張って達成してくれよ?」
その言葉を機に、どんどん意識が薄くなってくる……
まだ聞きたいことあったのに……
「あ、魔法渡すの忘れてた」
「まぁ二つ質問聞いたんだし良いんじゃないかしら?」
「それもそうか。じゃ、真実の鏡の事、頼んだぞ」
「わかってるわよ」
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「返事がない。ただの屍のようだ」
「勝手に殺すなアホ」
起きた途端にこれ……って。
「どちら様ですか?」
「どちらってソラだけど」
俺の目の前にはちょっと太ってるように見えるけどそれは筋肉のせいだって感じの人がいる。
しかも顔は……うん、取り敢えずこの世界はどうして美形な顔してる人ばかりなのかこっちの質問すればよかった。
「きっと人違いでしょう。私の知ってるソラは人ではないので」
「ゴブリンだろ? 俺がどこからどう見てもそうだろ。目がおかしくなったのか?」
「嘘だ!」
「いや、嘘ついてどうする」
アベルの爽やか系とはまた違ったイケメンが何か言ってる。
チッ、こういう奴らは総じて自分の顔を把握してないよな。
「だったらそこの湖ででも確認したらどうですか? その顔でゴブリンだなんてそしたら俺は……」
俺は何だろう?
まぁ今は良い。
「だから俺はゴブリンのソラだ……ってわけじゃないな」
やっと気づいたか。
「え? これが俺? 何で……いや、あれしか原因はないか」
なんか納得してるけどそれはそれでムカつく。
女でいう「私って可愛いでしょ?」位にムカつく。
大抵そういう奴は性格悪いから皆さんも覚えておくように。
「まぁ、色々あって顔は変わったみたいだけど、お前が名付けた元ゴブリンのソラだ」
「証拠は?」
「はぁ? 何だよ出来るかよ。転生者ってワードで証明出来るなら別だけど」
「うん、どうやら本当のようだなこのイケメンが」
「本人確認できた瞬間冷たいとか酷くね!?」
うん、イケメンは普通の顔の男子の敵だ。
優しくする必要なんてない。
してほしいなら女にでもやってもらえ。
「それで、どうしてそんな顔だけでなく、身体全体が変わってるんだ?」
「簡単に言うと、お前が名前付けたせい……だと思う」
名前つけただけで魔物は人間になれるとかこの世界怖いな。
「いや、俺の場合は特殊だろう。普通魔物に名付けするには魔力が必要だ。そこから色々な条件とかもあるが、今は省こう。そしてお前が付けたからお前の魔力がこっちに流れてきて、多分人間に近い感じになったんだろう」
難しい……
これも近いうちに聞くか調べるしかないか?
というか俺の心を読むなエスパーめ。
「ただ、名付けされた魔物は『ネームド』と呼ばれて、大体が名付けられる前より強くなってるんだが、俺の場合は見た目が人間に近くなっただけのようだな」
名前つけたら強くなるとかやばいな。
兎に名前つけたら巨大兎とかになるのかな?
「よくわかんないけど良かったな」
「ああ、失敗したらお前が死んでたから良かったよ」
え、そんなに危険なの?
というかそういうのは先に言えよ。
「止めようとしたのにお前が聞かないで勝手にやるからだろ」
……まぁこれはもう終わったことだしいいか。
そしてまた読むのかエスパー。
「そういえば、これからどうするんだ?」
「さっき言わなかったか?」
「いや、その姿なら人の町にも入れそうだしどうするのかなって。一緒に来る?」
「いや、今は止めとこう」
「そうか。じゃあ俺は他にやることあるから行くわ」
「元気でな」
「いや、それはこっちの台詞だと思うんだが……まぁいっか。じゃあねー」
別れの挨拶にしては軽すぎるような気もするが、まぁ、きっとまた会う事だろうしいっか。
決してイケメンになって嫉妬してるわけではない。
本当だよ? 羨ましいと思ってるだけです。
「さて、さっさと帰って次行くか」
先に言っちゃうと、主人公がやった事、それはテイム……ではないです。
名前をつけただけなので、テイムしたわけではありません。
元ゴブリンのソラの説明も、後々出すので気になる人はぜひ読んでみてください。(興味ない人は読まなくてもストーリ上問題ないのでOKです)
では、また水曜日に予定通り出せたらまたお読みください。
そして、この話わ読んで頂きありがとうございました。




