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28話

うーん……今回は特にいう事ないです。

なので、早速お読みください。


「うーん……」


うう、頭が痛い……

二日酔いみたいだ……

未成年だから飲んだことはないけど。


「目、覚めた?」


この声は……


「アウラか?」


「そう」


うん、段々と頭の痛みが治まってきた。

横たわっていたので起きると、さっきの場所からは少し移動しているようだ。


「ゴブリンキングはどうなった? 俺が生きてるってことは誰かが倒したのか?」


知っているが、念のため。


「……結果から言えば『粉砕』が倒した。その過程は知らない」


あの映像通りと見て間違いないってことかな?

まぁそれならいいか。

そんな事よりも、気になることがある。


「ゴブリンソーサラーはどこ?」


「……私はメイジと戦ってたから知らない」


少なくとも、残党狩りみたいな感じにされてないのが救いか。

また今度ここに来ないとな。

色々と話したいし。


そういえば、自分のことばっかで他の転生者の事も聞くの忘れてたな……

うん、次もこれ覚えていたら聞いてみよう。


「そういえば、いつ町に戻るんだ?」


「20分後に馬車で帰る」


そうか。

ならちょうど良いタイミングで起きたんじゃないか?

寝てたままで無理やり起こされるとか嫌だし。

いや、神と会ってたからそこら辺がどうなるかは分からないけど。


「それはちょうど良かった。寝起きで馬車はいやだし。……何人生き残ったんだ?」


あまり触れたくはないが、冒険者をやっている以上、いつ自分の身が同じようになるかは分からない。

自分もさっきそうなりかけたし。

だから、この問題からは逃げずに話を聞いとかないと駄目だろう。


「……私達合わせて20人。重傷者はその内14人」


詳しくは知らないけど、あれだけいてたった20人か……

これが普通なのか、異常なのかは分からないけど、流石にこれは犠牲者ですぎじゃないのか?


「これにはギルドを通して貴族に訴える事になると職員が言ってた」


俺の心を読んだのか、アウラが教えてくれた。

いや、きっとそう考えると予想したから言っただけだろう、うん。


「……そろそろ時間。馬車に乗る」


もう20分経ったのか。

詳しい事は馬車の中で聞けば良いかな。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



他に色々と聞いている間に、懐かしいとさえ思える町に着いた。

もう随分と見てないような気分だ。

町の中も、ようやっと少しずつ見慣れた街並みも初めて来た街のように感じている。


今回のゴブリン討伐の被害の大きさからいって暫くはこの街の冒険者ギルドはまともに運営できないだろうことから、報酬も一回ギルドに行って証明書をもらい、暫くして落ち着いてから渡すか、他の町に行って渡して報酬を貰うようにするとアウラが言っていた。

と、いう事で他の町に行きたいと思います。


「それでさ、どこが良いかな?」


この街で頼れるのは二人、騎士のアベルとそして、


「……何で私に聞くの?」


『暴風』のアウラさんです。

ギルド職員に聞いても良いかもしれないが、忙しいと思うので遠慮した。


「だってこの街に知り合い少ないし、ちょうど一緒にいるしね。それにベテラン冒険者だし、そこら辺の人に聞くよりもよさそうだと思って」


「……ここから西に行った所にあるソノの町が良いと思う」


なるほどー。

こういう時にあの世界のネットのありがたさを知るよね。

距離やその町に何があるのかとか簡単に調べられるしね。


「分かった。今日はもう遅いし、明日もやりたいことがあるから、明後日にここを出るよ。色々とありがとうございました」


色々とお世話になったし、お礼を言う。


「……何言ってるの?」


「え? お礼だけど……」


ま、まさかお礼と共に何か頂戴って事かな?

それ程お世話になったしそれでも良いんだけど、実は今、お金ないんだよね……

だから、ちょっとした食べ物奢って位にしてくれたらな……


「私がお勧めしたんだから、私が行かない理由はない」


な、なるほど……

それもそうだな。


「でも、結局は別行動だし、また何時か会えるでしょうし、また会いましょう」


うん? これも違ったか?

何か溜息されちゃったし。

あ、報酬貰ったら私に少しは寄越せって事かな?

まぁそれでも良いんだけど。


「……一緒に行くと思っていたんだけど……迷惑?」


「いや、全然そんなこと思ってないですよ? 俺的にも一緒に来てくれた方がありがたいですし、またお願いします」


何が何だか良く分からないが、一緒に来てくれるらしい。

それはありがたいな。

だってこの世界に来てからも合わせて旅なんてしたことないしな。

何が必要とか良く分かんないし。

それに、今の段階でだと俺よりもきっと強いかもしれないからな。

風の魔法とかも教えてくれるかもしれない。


そう考えると尚更ありがたい申し出だな。


「じゃあ、いつ出る? 俺の予定は明日しか決めてないから明後日からならいつでも良いんだけど……」


「……明後日はやることあるから、明々後日に」


「分かった。今日はもう遅いし会うのは明々後日になるかな?それじゃその時会おうね。じゃあお休みー」


「……分かった。お休み」


宿は今まで使ったやつの所にするか。

じゃあ、明日に備えてもう寝るか。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



翌日。

俺はまた昨日の森に来ていた。

徒歩だったが、まぁ馬車に乗ってたと言っても人数が人数だったし、少し遅かったくらいだと思う。

こういう時に時計って欲しいよね。

おっと、考えが逸れたから戻さないと。

今日忙しい中来たのは、人探しのためだ。

まぁ人じゃなくてゴブリンなんだけどね。


「おーい! いるかー!」


名前は分かんないので呼べないし、ソーサラーと言って、万が一誰かに聞かれたらあれなので、呼ばない。

まぁどうせいるわけないんだが、絶対はこの世に存在しないので、念のためだ。


うーんここにはいないのかな……

入りたくなかったけど、森の中まで探しに行くしかないか。

じゃあ魔物に合わないのを祈りつつ、中に入る。


「おーい、ケイだけどいないかー!」


魔物は来なくていいからねー!(ゴブリンも魔物なんだけど気にしない)

それにしても、この獣道は歩きやすいな。

やっぱ森の中では一人行動の方が楽だな。


「……いるぞ」


お、出てきたなゴブリンソーサラーさん?


「やっとか。どれだけ探してたと思ってるんだ。疲れたよ……」


嘘だけど。

ここはまぁ少しの愚痴は許してほしい。


「そうか。それは悪かったな。それなら、近くにある湖に行こう」


移動中、一言も喋らないまま移動した。

空気が重いのは気のせいではないだろう。


「……調子はどうだ?」


結局、話し始めたのは湖についてからだった。

しかも、話し始めたのはゴブリン……さん? 方からだった。


「まぁぼちぼちかな」


調子はどうだ? って答えにくい質問しないでほしい。

まぁきっとこれもこの空気を払うだけの質問だったのだろう。

……ですよね?


「……昨日から考えてたんだ」


湖を見ながら何やら話し始めたので黙って聞く。


「いや、もっと前から考えていたことだったが、きっと無意識のうちに自ら封じていたのだろう。何の因果か、この世界に生まれ変わって、ゴブリンになって。神様に会うでもなかったから最初は夢だろうと思ってたけど、何日も何日もこの生活と他のゴブリンとの生活を続けて、やっと夢じゃなかったって思ったんだ。」


神様に会ってない?

誰かタクト以外が適当に転生でもさせたって事なのかな?


「そして、この現状に絶望したよ。日本生まれだったから血なんてそうそう見なかったし、大きな怪我もしなかったから鼻血で一番多い量を見たって程度だろう。料理だって、日本は大体飯が不味いのは商品にするわけもないから好き嫌いはあれど、大体は美味かった。だが、この世界はどうだ。血なんて見ない日なんてないし、しかもグロイ。飯はどうだ。ここの物は肉ばっかで、なのに焼かず生だけ。たまに美味しいと思えるのは木になってる果物だけだ。こんな生活は耐えられなかったが、何故か段々慣れて行った。そのうち、日本で住んでいた事自体が夢だったんじゃないかって思い始めた時に……」


こっちを向いた。


「お前に会ったんだ。頭がおかしくなったとさえ思ってたところにお前に会って、夢じゃなかったのかって思ったよ。ありがとう」


そう言って頭を下げてきた。

いや、いくら格上とはいえ今まで問答無用に殺してきたゴブリンに頭下げられてると思うと心が痛いな……


「いや、俺だってそうなった可能性だってあったんだし、ただの偶然だっただけだから気にするな」


もう一度「ありがとう」と言った後に顔を上げた。

顔が濡れているが、優しいので指摘しない。

いや、本音はこの重い空気の中で言えないだけです。


「これからどうするんだ?」


そう、気になっていたことで、これを聞くためにここに来たというのも過言ではない。

もうここの森には住めないだろうし、どうするのか気になったんだ。


「考えてないが……北の方向に向かおうと思う。お前には簡単にやられたが、俺は強い方だし、北だと弱い奴しかいないからな。それから考えても遅くはないだろう」


「北か。俺はこの世界に来たばっかだから分からないけど、元気に生きて行けよ」


「おう。世話になったな」


「いや、なってないでしょ」


うん、こういうやり取りが出来る奴と話すのってやっぱり楽しいな。


「そうだ。お前の名前は何て言うんだ? 呼ぶ時にもゴブリンと言うわけにもいかないし、困ったんだけど」


「いや、俺の名前はないな。しいていうならゴブリンソーサラーというのが名前だな」


「いや、それって人間を人間って呼んでるのと同じじゃん。じゃあ俺が決めて良い?」


「いや、止めといた方が……」


うーん……

ゴブリンソーサラーだからソラって言うのも良いかもしれないし、この世界に合いそうな名前だとリーラとかも良さそうだしな……

うん、決めた。


「元日本人だし、ソラって名前はどうだ?」


「いや、良いんだが……」


「じゃあソラで決まりで!」


と言った瞬間、自分の中にある魔力がごっそりと減って行っているのが分かった。

しかも、進行形だ。


「あれ、これって何かミスった?」


「だから止めた方が良いと言ったのに……」


呆れたといった表情で言われたあと、意識が保てなくなった……









はい、感想で女成分? だっけ? が少ないとのことなので入れてみましたがどうでしょうか?

自分で書いてたら気が付かない事ってたくさんあるので、ここが変だとかあそこはおかしいとかそういうのを感想で書いていただけると、きっとこの小説も今よりはマシになると思うので、厳しく評価してもらった感想をお待ちしています。


次回ですが、閑話を一話か二話を予定してますので、登校時に一話しかなかったら閑話も一話だと思ってもらっても多分大丈夫です。

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