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22話

……はい。

みなまで言うな……

というわけで、とりあえずどうぞ

森の中からクマさんが!

……は、もういっか。

もうそろそろいい加減現実を見ないといけないだろう。

森の中から、キングと思われしき約三メートルもありそうな、え? こいつ本当にゴブリン? ってやつが一体と、その斜め後ろにこれまたキングよりは小さくても普通のやつよりは大きい約二メートルくらいのゴブリンが二体、計三体がゆっくりと歩いてこちらに向かって来る。

その堂々とした感じがいかにも王って感じで若干気後れしてしまったのは内緒だ。


「グハッハッハ。アイツラハゼンメツカ。ナサケナイ」


うおっ、キングが喋ったー!

……ってあれ? 

みんな驚いてないけど、知ってたの? アウラさん?


「……大抵の上位種は話すの当たり前」


どうやら常識だったようで。

こういう所でまだ俺は情報不足だよな……

まぁ今はそんなことは置いといてっと。


「お前がキングで良いんだな?」


「アア、ソウダガオマエハタイショウカ?」


タイショウタイショウ……大将か。

微妙に片言だから分かりにくかった。

けど、『粉砕』が大将ってわけじゃないと思うけど、この集団のリーダー的存在だし、大将って事で良いのかな?


「リーダーなら俺だ。どうだ、キング。俺と一対一で勝負しないか?」


「オモシロイヤツダナニンゲン。イイダロウ。そのジシンマンマンナココロヲツブシテヤル!」


どうやらタイマンをすることになった『粉砕』の明日はどちらに!?

次回! 出会いと別れと出発と。

……結構ありきたりな題名だったかな。

あ、勿論終わんないんで、はい。


「それじゃあお前ら、キングは俺が抑えとくから、他二体は頼んだぞ。多分両方杖持ってるしマジシャンだからお前らは大丈夫だろう」


「グフッグフッグフフフフ」


ねえねえ、それって笑ってるの?

めっちゃキモイな。

それに最後のグフフフって何かの小説で読んだ腐女子の笑い方だから止めてほしいんだけど?


「オロカナニンゲンドモメ。オマエラジャコイツラノコトワカッテナイヨウダカラオレサマガジキジキニオシエテヤルヨ。イッタイハメイジデ、モウイッタイハソーサラーダ」


な、何だってー!?

……名前からしてマジシャンの上位的な感じだけど、みんなの驚きようが半端ないので、一応驚いて見せた。

……心の中でだけど。


「ねえ、何でそんなに皆驚いてるの?」


困ったときの神頼みならぬアウラさん。

そして、今回も驚きながらも律儀に答えを返してくれた。


「……マジシャンの上がメイジ。メイジの上がソーサラー。マジシャン五体分でメイジ、メイジ十体分でソーサラーとなる。キングより危険度は低かったけど、下手なキングよりかはソーサラーの方が凶悪」


……何そのチートみたいなやつ。

いや、俺が言えることじゃないけどさ、それでも言わなきゃと謎の使命感が働いて……

ともかく! これ、詰んだんじゃね?

ランク一がどの程度の威力かは知らないが、少なくとも先の戦いで使った竜巻ほどではないだろうし、しかも一発しか使えないとのことでアウラは実質戦闘不能状態と思った方が良い。

そうなると、現在の戦力は多分キングと互角くらいの『粉砕』、そして俺を含む吹けばその辺りに転がってそうな弱い冒険者、またはランクの低い冒険者どもだな。

……やっぱりこれってもうつんじゃってるんじゃないの?

おれに明日はもうないんじゃないの?


「おい、『暴風』。お前の隣にいるこの男はどのくらい使える?」


『暴風』、つまりアウラの隣って……

俺しかいないじゃんどうなってんだよ。


「いえ、自分はまだギルドに登録して間もない初心者なのでとてもとてもこういう状況で使えるような人ではないと言いますか……」


「そうなのか? 仲良さそうだったから同じ実力だと思ったんだけど……やべーな」


本当やばいですよねどうしましょう。


「……私と同じかそれ以上に強い」


ちょっアウラさん!?

俺そんなに強くないんだから売らないでよ!


「そうなのか? それは丁度いい。じゃあお前が暴風と同じくらいだってんならソーサラーを抑えてくれ。正直メイジでも後の冒険者全員を当てないと不味いレベルだからな」


うわ、残りって八人いるけどそいつら全員当てないとやばいって冒険者が弱いのかそれともメイジが強いのか。

そして、そんなメイジの十倍は強いっていうソーサラーはどんだけやばいのか。

……もうヤダ帰りたい。


「ソロソロイイカ?」


「ああ、待たせて悪かったな」


「グフッグフッグフ。オウタルモノココロハヒロクモタナイトナ」


「そうか。それじゃ、他の邪魔しないようにあっちに行こうぜ」


そういって戦う場所に森を指す『粉砕』。

俺の予想だと、自分の得物も森の中だと生かせないが、それよりも相手の方がそう感じるだろうって考えだと推測する。

まぁ当たっているかどうかは知らないけどね。

森の中の戦闘が実は得意って可能性もあるし。


「グフッ、マァドコデモヨカロウ。アソコガオマエノハカバダナ」


「それはこっちのセリフだな」


そう言いながら森の中へ入っていってしまった一人と一体。

……って、結局何か文句を言う前に行ってしまった……

という事は……


「じゃあ、お前の相手は俺だな」


そういって、笑ったのように見えたのはきっと見間違いだろう……




えー今回も誠に申し訳ありませんでした。

次の次の次くらいには作者も本気を出すので、それまではお待ちを。

……

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