表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/65

19話

ギリギリ出来上がったので、五時に覗いた方ごめんなさい。

そして、一刻も早く投稿したいので挨拶は程ほどにさせて頂きます。

それでは、お読みください。

朝。

それは、神聖なものだと俺は思っている。

柔らかな日差しに包まれて目を覚まし、固まっている体を伸ばし、静かな朝に響き渡る鳥鳴き声を聞きながらゆっくり目を覚まさせて脳を働かすもののはずだ。

なので、断じて、「右が手薄だぞ!」「誰かそっちに迎えー」……断じてこのようなうるさい朝なんて俺は認められない。認めたくない。

それでもそんな俺の気持ちを知った事かと言うように敵は容赦なく攻めて来る。

事の始まりは五分前だった……



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



無数に用意されたテントで周りの冒険者がうるさいいびきを響かせているのを我慢しながら、俺は寝ていた。

ちなみにテントは適当に設置され、六人は寝れる程の広さはある。

だが、テントの数はギリギリらしいので知らない者同士でも一緒のテントで寝ないとダメなのだ。

ファンタジーらしく一人用のテントに見せかけての六人用ならまだ面白かったのにそういうのも無し。

仕事しろよファンタジー……

別にテントじゃなくて外に寝ても良いのだが、異世界に来た日から段々と寒くなってきているので今の季節は冬に近づいているのだろう。

よって、寒くて風邪ひいたら馬鹿なので却下。


地球ではまだ夏だったから不思議な感じがするな……


そんなテントで寝てた時だった。

いきなり大音量の音が聞こえて飛び起きたら、「敵が来たぞ!」「数は不明だ!」「森の闇に紛れてゴブリンアーチャーも弓撃ってくるから気をつけろ!」「魔術師で明かりを点けられるやつは点けろ!」「テントで寝ている野郎は戦闘準備を一分で済ませて各自敵に当たれ!」という声がテントの外から聞こえてきた。

そして今に至る……



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



はい、回想終了っと。

あ、森の闇ってのは、今が夜中の何時か知らないけど、周りが真っ暗で上空に明かりがないと何も見えないほど真っ暗だからだ。

そして森の中にまでは明かりが届かないからゴブリンアーチャーは見つけられないし、森の中に敵が潜んでいたら分からないので敵の数は不明っと。

朝じゃないのかって?

あれは嘘だ。

いや、朝って意味は太陽が出ている時間帯の他に、午前中の意味もあるから完全な嘘ではないと言える。


「おいそこ! サボってないで右行け!」


っとと。

ちょっと寝ぼけた頭で考えてる間に怒られちゃった。

命令されてる感じがしてムカつくが、実際にサボっていたのは事実だし、右が手薄なのも事実なので、大人しく従い右……この場合は南に向かっていく。


南では、ゴブリンマジシャンと、ナイト、それにプリーストと後何かがいるようだ。

数ではこっちが前衛十二人、後衛が俺を含めて八人の計二十人。

そして相手は見えるだけで三十前後居て、アーチャーやマジシャンが森の中から撃ってる来るかもしれないので詳しくは不明。

はっきり言って劣勢だった。


「魔術師はアーチャーの矢とマジシャンの魔術を打ち落とし、隙があればこっちを掩護してくれ! それと回復魔術が使える者は前衛優先で回復!」


誰が指揮しているのか分からないが、現状だと良いんじゃないかな?

皆も特に不満に思っていないのか指揮に従って行動し始める。

連係は大事だとよく言うが、こういう時ほどそれを痛感するな。


「ゴブリンコマンダーの指揮で相手も固まって来たぞ!」


「魔術師は向かって来る敵の数を減らしてくれ!」


コマンダー……指揮官コマンダーって事かな?

そいつの指揮でさっきまでこっちと同じく連携何それ美味しいの? って感じだったのが一斉に攻めて来る。

その数は二十以上。

中にはゴブリンナイトもその数に含まれているから洒落にならないな……

そしてその後ろではゴブリンマジシャンも魔法を放つ準備しているらしく杖を掲げているのが目に見える。

それなのに、目の前しか見ずにその対処を優先させるよう指揮したさっきの人。

やっぱりこの人はダメだったようだな。

その結果として……


「何人やられた!」「三人殺られた!」「腕や足が使えなくなったのも何人かいるぞ!」


とりあえず突っ込むやつらは他の人に任せて、俺は遠距離攻撃を打ち落としたんだが、やっぱり全部打ち落とすわけにはいかなかったようだ。

そして最低五人は殺られたっと。


「こっちも流れ矢で一人死んだ!」


……後衛組も一人死亡っと。


「誰か範囲魔術使えないのか!」「そんな魔力残ってねーよ!」「そもそもそんな魔術使える人は少ないわよ!」「戦線を下げるぞ! 誰か援軍呼んで来い!」


……これはもう目立ちたくないって言ってられない状況じゃないな。

流石に死ぬのを見て見ぬふりをするほど俺は悪魔じゃないからな。

……昨日のアウラの事もあるし、土にしよう。風はノーコメントで。


「えーと……我が前に何人も立てず。全てを地に還し給え。『アースホール』」


大きな茶色の魔法陣がゴブリンの足元に現れ、光ったと同時に土がすべてを飲み込み始める。

うーん……昨日よりはいい感じの詠唱だと思うけどなんかなぁ……

それはそれとして、この『アースホール』はブラックホールを参考に地面を吸い込む感じでやってみた魔法だ。

分かりやすく言うと、落とし穴やアリジゴクってやつだな。

ただ、まだ練習不足なので個別個別にゴブリンの足元に作ることは出来ず、大きな一つの円としてか使う事が出来ず、それによって少し木が巻き込まれて一緒に沈んで行ってるが……まぁ少しだし問題ないだろう。


「すごい……」


誰だか知らないけどありがとさん。

だけどさ、そうやって驚くのは良いんだけど、そうやって固まっている間に『アースホール』の範囲外に居る敵を倒して欲しかったりしなかったり。

はぁ……しょうがないからこっちも自分で片づけるか。


「全てを貫く矢を。『アースアロー』」


こっちの詠唱は更にダサいけど良いのが思いつかないのでしょうがない。

全部で二十の矢が俺の周りに現れる。これが今の俺の限界だ。

無限に出来たらどっかの無限の剣製みたいに無限に放てそうなのに。

残りは視認できる限り後七体なので一体以外に三本放っておく。

頭に刺さらなかった奴もいるが、足や腹には刺さっているので時期に死ぬので大丈夫だろう。

何はともあれ、これでミッションコンプリートかな?

森の仲間では流石に無理です。

さてと。南は終わったので、北……は遠いので東に行くか。


「すげー……」


おいおいだから冒険者たちよ、そんなんやってるなら動けよまったく。

止血ちゃんとしないといけない奴もいるんだから、ちゃんとしろって……



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



東は比較的に南よりはゴブリンの数が少なかったけど、一体一体がゴブリンナイトやマジシャンと精鋭集めたんじゃね? ってのが敵だ。

数は十四体。

正し、森の闇に紛れて潜んでいるアーチャーまでは把握できずっと……

対してこちらは十人。

圧倒的に不利……

うん、もう面倒なので早速飛ばしていこう。


「我が前に何人も立てず。全てを地に還し給え。『アースホール』」


さっきと違い、今回はどいつもこいつも強かったのか、避けた個体が何体か居るな。

というか、マジシャンは同じ魔法使いなのか四体全員避けてるし、ナイトも何体か避けている。

これは流石に一人じゃあれだな。


「援軍に来たぞ! 動き止めたら仕留めるから何とかしろ!」


「なんだか知らねーけど強い奴が援軍に来たぞ!」「勝てるぞ! 言われた通りに動き止めさせろ!」


うんうん、指示通り動いてくれて楽だな。

そこまで狙わなくても魔法ってホーミングしてくれるしね。

止まったやつ次第アースアローで仕留めて行って、最後の一体も仕留めた瞬間!


「おい、北の方に巨大竜巻があるぞ!」「あれは大丈夫なのか!?」


大きな竜巻ならアウラなんじゃない?

『暴風』って二つ名だし。

あー俺もそっちに行って詠唱聞きたかったな。

っとそんなことを考えていると、地面が大きく揺れた。

地震か?


「西で『粉砕』が暴れてるぞ!」「続け続け!」


あっちは『粉砕』さんが暴れている模様。

って事はもう終わりかな……疲れた。

いつの間にか上空に上げた明かりの数が少ないし、結構人死んだな。

……戦争みたいに大規模で戦ったけど、流石にこんなハードのは辛すぎ……


お、朝日が昇って来たな。

これで本当の意味での朝だな。

……血生臭いけど。

これはもう借金が増えまくってるから早く返さないと。

待ってろよゴブリンキング。

お前は俺が……

いや、やっぱ『暴風』か『粉砕』に任せるか。

だって目立ちたくないですし。








今回時間なくて急いで書いたので、誤字脱字があったら報告いただけると嬉しいです。

それでは、お読み頂きありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ