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16話

遅かった言い訳はただ一つ。

……毎日出してる人は良くそんなに書けるな~って事です。


嵐の前の静かさって言葉が頭に浮かんでくる森の中。

風が木々を揺らす音以外は自分の呼吸の音と心臓の音しか聞こえない。

隣にはBランクで『暴風』という二つ名持ちのアウラがいる。

特に話すわけでもないが、作戦で考えたフォーメーション的にこうなった。

たまに怪しむように睨む視線がこっちに来るのは気のせいではない、いや、気のせいであってほしいと思う。


前方に約十メートルほど離れた位置で魔物の警戒しているのはDランクで大剣使いのイスヒム。

さっき俺の事馬鹿にしたやつでもあるけど、一つしかランクが違わないのにそういうのは良くない!

そういう偏見がいじめが無くならない理由だと俺は思います!

……この世界にいじめってあるのかな? ない方が良いに決まってるけど。


そして最後にCランクで槍使いのトーランドは後ろで奇襲の警戒をしています。

何でも、大剣よりかは槍の方が奇襲に対応しやすいとか。

武器をまともに使ったこともないから分からないけど、Cランクまで行ってる人が言うなら多分そうなんだろう。

リーダーなのに前に出ないのかとかそういう無駄な考えが出て来てるが、問題ないだろうと頭の隅に追いやるのに必死なのはここだけの話だ。


そして、何故こういうフォーメーションなのかというと……って、さっきからもう答えを言っちゃってるから説明はいらないか。

補足で加えるすると、俺とアウラの魔術師二人は奇襲にあっても返り討ちには難しいから真ん中ってことだな。

前後どっちから来ても、前衛が食い止めてる間に魔術師である俺たちが詠唱してフィニッシュのようだ。


ただ、四人っていうのがどうも不安なんだよな。

一応前後左右の四方向警戒できているけど、ずっと横や後ろ見ながら歩くなんて森の中じゃ不可能だし、集中力から言っても厳しいだろう。

あの二人が入ってくれたら……やっぱりなし。

あんなリア充入れるなら一人ででも森に入る。

そして入り口近くに待機して時間になるまで潜んでいる。

もちろん五匹くらいは倒してからになるけど。


「静かに」


前を歩いていたイスヒムが小さな声で声を掛けて来る。

そして手を右は四、左は一の形を作った。

これは作戦考えている時に決めたハンドサインで、普通のゴブリンは右手、上位種なら左手と予め決めていた。

つまり、普通のゴブリンが四体、なにかしらの上位種が一体って事だろう。

流石に種類までは実際に見ることでの確認しか出来ない。

近くの茂みに隠れながら慎重に前に近づいて様子を見てみると、木にもたれかかっていたり、座っていたりする。

その中でも杖を持っている一体は他と違って休憩しながらでも警戒しているのが分かるほどあちこちに視線を向けている。


「チッ、よりによって面倒なゴブリンマジシャンかよ」


マジシャン。魔術師マジシャンってことか。

面倒って言ってるけどそんなに面倒なのかな?

アーチャーとかの方が奇襲とかしてきそうで面倒だと思うんだけど。


「属性不明……危険。最初に殺るべき」


『暴風』さんまで危険視してるってそんなにやばいのかな?

俺の座右の銘は「弱い奴から殺る」なんだけどな。

ほら、数集まれば恐ろしいのをピク〇ンで知ってるしな。

……百匹だけしか出せないけど、ストーリークリアしたらそれ以上出せるようにしてほしかったのは俺だけかな?

千匹で一体の生物に一斉アタックしたり……

おっと、話がそれたな。今はゴブリンをどうするかだ。


「確かにあのゴブリンマジシャンを最初に殺った方が良いな。『暴風』、出来るか?」


「……問題ない」


どうやら『暴風』さんは問題ないようです。

……だったら危険じゃないんじゃないのかな?


「えーっと……お前は雑魚の方のゴブリンを攻撃してくれ」


「コイツ本当に大丈夫なのか?」


多分名前も覚えてないリーダーに俺の実力を疑っているイスヒム。

こいつら何気に酷いな。

まぁ確かに自分でも特徴がない顔だったり、実力が低いっていう疑いをもたれるのはしょうがないとは思うけどさ。


「……ケイは問題ないはず」


そしてこの何故か信頼してくれるアウラ。

同じ魔術師で何か感じるものがあるのかな?

俺には良く分かんない事なんだけど。


「今はそんな噂はどうでも良いんだ。頼んだぜ」


こいつも良い奴なんだか悪い奴なんだか良く分かん奴だな~

まぁもちろん、


「頼まれなくても頑張りますよ」


ゴブリン四体だろ? そんなのちょろいな。

……四体程度なら大丈夫。

問題はどの魔法を使うかだけど。


「じゃあ決まりだな。五カウントするからそれまでに準備してくれ。もたもたしてっと気づかれるかもしれねーしな」


うーん……火は論外としてまず属性をどうしようか……


「いくぞ、五…四…」


っておいおい、ちょっと待てよ!

こっちはどの魔法使うかさえ決めてないのに準備なんかできっか!

しかもなんか隣から「吹き荒れよ!」とか詠唱っぽいのが聞こえてるけど、詠唱も何か言っといた方が普通で良いのかな!?

……っていうか、吹き荒れよって『暴風』の二つ名通りに何かサイクロンでもやる気なの?

もっと普通のにした方が俺的には良いと思うよ?


「三…二…一……今だ!」


今だって言われても何にも決めてないんですけど!

ああもう、こうなったら『暴風』と同じ風属性でいいや! ついでに詠唱も適当で!


「すべてを切り裂け!『鎌鼬かまいたち』」「えっと……すべてを貫く風の矢を!『ウィンドアロー』」


鎌鼬と風の矢が放たれたはずなんだが……見えない!

練習の時から知ってたけど、見えないって何か発動しているのが分かってても不安になるんだよな。

しかも場所はなんとなくここかな? って感じでしか分からないっていう。

つまり、見えない攻撃がいきなり敵を襲っちゃうと……


『………』


何か微妙な雰囲気になってるなー……

ゴブリンマジシャン……であったであろう体は地面に力なく倒れて首から上はそこら辺に転がっている。

首から上がないだけでも十分死んでるはずなのに更に体にも風の刃に切り刻まれたのか切り傷が目立つ。

腕なんか半分まで切れちゃってるぜ。

対して普通のゴブリン四体はいきなり頭に小石程度の穴が貫通していて頭の中身が見えちゃう。

……見えちゃうって言っても絶対にそんなことやらないけどな。

しっかし、いきなり首が飛んだり頭に穴が空いたり……

軽くホラーってレベル越してると思うんですけど?

いつからこの小説はホラーになったの? ファンタジーじゃないの?

……メタい発言は控えよっと。


それよりも、詠唱の言い訳をさせてもらうとすると……ほら、日本には中二病っていう多くの中学生がかかる病気があるじゃん?

それに運よくかからなかった俺だからさ、こういうのって苦手なんですよ、ええ。

つまり! 詠唱があんな残念なのは仕方ないって事なんです!

いいもん! 火属性の時は「闇の炎に抱かれて消えろ!」って言うから!


「こいつらの処理どうする?」


おっと、そろそろ現実逃避は終了ですかリーダー?


「……問題ない」


さっきも問題ないっていてたけど、この時の問題ないってどっちの意味なんですかねアウラさん?

あなたもこの原因の一人って分かっての発言ですかね?


「放って置いて良いんじゃないですかね? 火属性使うな的な感じの事言ってましたし」


森が燃えるからとかなんとか。

そもそも森を焼き払えば話は早かったんじゃないんですかね? 

え? 責任転嫁するなって? そもそもの話をして何が悪いんですかね?

そして考えてたらそもそも悪いのは森を燃やすなって言った上のお偉いさんってことになるだけなんだよ。

真実はいつも一つ!


「そうだな。とりあえず他の道に進むか」


どうやらリーダーも賛成してくれているようだし、文句ないのか他二人も何も言わない。


「おい」


そうやって酷すぎる殺戮場から離れていたらイスヒムさんに声を掛けられた。

今そんなに余裕ないですから文句があるなら後にしてくれませんかね?


「何でしょうか?」


「実力疑って悪かった」


「……問題ない」


うん、問題ないです。

あ、問題あるとしたら『暴風』と発言が被っちゃった所か。

そして全員何とも言えない雰囲気でその殺戮現場から離れるのであった……








あんま進んでないと思うかもしれませんが、進んでいるので多分大丈夫です。

それよりも、本当に毎日出してる人って凄いですよね。

私にもそういう才能があったら……!


そして、楽しみに待っていた方々、遅くなって申し訳ありません。

いつ出るんだって毎日確認してくださった方もいるかもしれませんし(居たらちょー嬉しいです)、月曜の五時に出てなかったら来週まで出ないんだなって思ってください!


ということで今回遅くなってしまいましたがお読み頂きありがとうございました。

また次回もお読みください。

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