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閑話02話 戦闘準備

更新遅れてすみません。

書いてたやつが途中で消えたので一時期やる気なくしてまして……

まぁそんな馬鹿やってる間に誰かは分かりませんが、ポイント評価付けてくれた方ありがとうございます!

評価に見合うような小説にしていきたいと思いますので応援よろしくです!


では、前回が微妙うな所で終わってしまって今回もゴブリンキングに入ってはいませんが、安心してください!

次回こそはゴブリンキングですよ!

っという事で、今回はその前の閑話を楽しんでいただけたらと思います。

ゴブリンアーチャーから無事に逃げれた次の日。

案の定昼に集まるようにと緊急指令がかかっていた。

ギルド内のあちこちで今日の招集理由が囁かれている。

曰く魔物の大量発生。曰くSランクの冒険者が来る。曰く貴族が大きな依頼を持ち込んだなどなど。

色々な事がもう噂レベルで広がっているが、招集理由を知っているこっちの身だと実に面白い想像だと笑うのは性格悪いだろうか? いや、あっちだって俺の悪口直接言ってるんだし、口に出さないだけ俺の方が性格いいだろう。多分。


「おい、お前ら! みっともねーぞ!」


誰か――きっと高ランク冒険者だろう——がざわついていたギルド内を一喝する。

するとさっきまで騒いでたやつらが一斉に騒ぐのを止め、一喝した椅子の上に立っている男に視線を向ける。

その視線には、畏怖と尊敬が混じっていたので冒険者の中では有名なんだろう。俺は知らないけど。


「お前ら何年冒険者やってきてんだ! 冒険者ならもっと冷静になれってんだ! ドラゴンが攻めて来るわけでもないんだし、大人しく武器の手入れでもしていろまったく」


そこまで言ってから椅子に座り、自分の武器なのだろう、大槌(ハンマーとも言う)を手入れしていた。

あの大槌、めちゃくちゃでかいぞ? あんなの持って戦えるのか? 潰すところなんて俺の顔よりでかいぞ?


「おいおい、あいつ『粉砕』じゃねーか?」「いつ前の依頼から帰って来たんだ?」等と今度は別の意味でまた騒いでいる。……もちろん怖いのかさっきよりは静かになったが。

そういう話をまとめると、『粉砕』とはもちろん二つ名らしく、本名はプリューゲルというらしい。

ランクはAと、この街では一番、国でも十本指には入っているほどの実力者らしい。

Aランクというと相当の実力者、普通こういう人って中盤に出会うのが普通じゃないの?

テンプレさん、俺が無視したりわざと回避したのもあるから怒って仕事しなくなったのかな?

それに、ゴブリンキングもAランクが居れば瞬殺だと思うのは俺だけなんでしょうか?


そんな事を考えてプリューゲルの事を見ていたら、磨いていた武器から顔をあげ———目が合った、気がした。

気がしたってのは、俺が目をそらしたからなんだけど。

いや、だって何か『粉砕』とか呼ばれてるやつと目が合ったらやばそうじゃん?

合ったらが最後文字通り身も心も粉砕にされそうな気がするし。

更に今さっき怒ってたから八つ当たりで的な感じでやられちゃうかもしんないし。

それにあの目。さっき演説してた時には背中しか見えなかったけど、目が合った一瞬で見えたけどあれはやばい。

日本だったら「いつか殺ると思ってた」って感じでテレビで言われそうなくらいにやばい。

関わったが最後間違いなく死ぬと思うので関わらないようにしよう。

幸いあっちの方は俺なんか眼中になく、また武器磨きを始めたしね。


「皆さん、お集り頂きありがとうございます」


がやがやしてた(俺は壁の花となってた)ギルド内が静まるのを確認して、ギルド職員(あの女ギルド職員じゃない他の女職員だ。……てか、他に居たんだ)が声をあげる。

そして静かになるのを確認し、


「ギルドマスターから今回の招集理由について説明されます」


やっとか。

そして今回の招集理由がゴブリンキングの話になって皆安堵し、そして場所が森だと言うとまた緊張したような空気になっていた。

森だと何かまずいんだろうか?

そして、今日この場にいない奴もいるだろうから来なかった知り合いに教えておけとの事。

友達も知り合いもいないから全然関係がな……何か自分で言ってて悲しくなってくるから止めよう。

出発は三日後。

持ち物は自分の武器や防具だけで良く、馬車や食料はギルドで用意してくれるとの事。

まぁ期待せずにいよう。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



突然だが、先ほどのギルドで自分に足りない者があると分かってしまった。

それは……


「自分の武器と防具がない……」


これは由々しき事態だ。

今の俺は普通の服に普通のズボン、これまた普通の靴とどっからどうみても一般人と変わらない姿だ。

いや、簡単な武器さえ持ってないのでそこら辺の一般人よりも装備といった面では負けているまである。

と、いう事で、今日は武器屋と防具屋に行こうと思っている。

幸い金は昨日までの護衛(と言う名のいろんな場所の調査)依頼をやっていたので懐が温かい。

カードに入っているから重さは変わってないけど。

まぁそんな事は置いといて、早速武器屋に出発し———


「おっ、昨日ぶりだね」


ん? この声はもしかして……


「アベル……?」


「そうだよ! いやー偶然というものはあるもんだね!」


爽やかイケメンのアベルがやって来た。

くそ、こんな全国の男の敵といつの間にこんなに仲良くなっていたんだ。

恐るべし、イケメン会話術。


「今日は何してるんだい?」


イケメンスマイルで聞いてくるアベル。

あ、今歯が光ったよ? そういうのってアニメだけじゃね?


「今日は武器と防具を買いに行こうと思っているんだ」


くそ、悲しいかな、イケメンには逆らえず素直に話してしまう自分。

素直なのは良い事だけど、武器選びっていう地球ではありえない男のロマンの時にはその素直さは必要あるまい。


「あーなるほど。確かに昨日武器と防具持ってなかったもんね」


うんうんと首を縦に振り納得してくれたご様子。

ねえねえ、そろそろ行っても良いですか? 

今武器選びでどんなものが良いだろうかと悩んでいるので。


「俺も一緒に行っていいかな?」


だ、駄目に決まって……


「聞きたいこともあるしさ。なんなら武器でも買ってあげるよ?」


「是非もちろん!」


はははと苦笑いしてのはきっと俺の見間違いだろう。

だって武器を買ってもらえるんだし、その分お金が浮くって事だからね!

少しお金が増えたからっていつかまたなくなるんだし出来る限りの節約はしないと。


「そういえば行く武器屋は決めてるのかな?」


「まだ決めてないな。適当にブラブラして、武器屋があったらその店を見てって感じでやろうと思ってたしね」


うーん……我ながら実に計画性がないな。

まぁしょうがないんだけどね。武器屋の場所どこにあるかなんて知らないし。

ギルドで聞こうにも忙しそうで止めといたんだし。

べ、別に職員があの女ギルド職員と、いかつくて怖い男の人の二択しか選択肢がなかったわけじゃないんだよ? 


「じゃあ普段俺が使っている所にでも行ってみる?」


おお、それは良いアイディアだ。

ついでに武器の選びのアドバイスも求めれば良いのが買えそうだし。

これだけでも同行許可したのは間違っていないと胸を張れるな。


「ああ、案内頼む」



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



……予想は、しておくべきだっただろう。

一冒険者の俺と違い、貴族の護衛隊隊長がそんな安い武器屋に何て行くわけもなく、普通にこの街でも一、二を争う人気武器屋に来ていた。

人は少ないが建物はでかく、中は広く、そして剣でも片手剣と両手剣みたいな感じで何種類もの武器が揃っていた。

これだけ聞けば非常にいい店だと言えるだろう。実際高級武具店だし。

では、何が不満なのかというと、


「……この短剣だけで70万……こっちの投げナイフが一本三十万か……」


それは、高級店に見合ったそれ相応の値段だろう。

もし万が一の時、敵に近づかれたらと近距離で戦うならもっといた方が良いだろう短剣でこの値段だ。

しかも、無駄な装飾はなく、シンプルな見た目をしていたやつで、この店の一番安い短剣でも、70万だという。詳しくは言わないが、俺が貰ったような金額だと短剣二本で終わってしまうレベルだ。

武器を買ってあげると言っていたが大丈夫なのだろうか?


「何買うか決まった?」


「いや……それより、ここ高くないか? もっと普通に安い所でも俺は良いんだけど……」


おごってくれるのは嬉しいけど、流石にこんなに使わせちゃうと嬉しいより困るというか、何というか……


「良いんだよ、あの時助けてくれなかったらきっと今頃森の養分になってた所だしね。それに、この店で一番高い武器買っても一か月分の給料にちょっと足すだけで届く値段だから」


顔良し、性格良し、金良しとかもう非の打ち所がないな。

天は二物どころか三物も与えるのか……あの神ならありえるな、くそ野郎め。

一つくらい俺に分け与えても良いだろうに……


「じゃあさ、杖買いたいんだけど、選ぶの手伝ってくれないかな? どういうのが良いのか分からなくて」


「杖は俺より君の方が知ってそうだけど……まぁ俺で良いなら手伝うよ。それと、短剣見てたようだけど、それは良いの?」


一本70万とか逆に使いにくいわ!

そんなんだったら一本10万のを七つ買った方がマシとさえ思っちゃうよ。


「何となく見てただけだから大丈夫だよ。じゃあ杖を見に行こう」


この店は杖は五本しか置いておらず、長さも持つ部分の太さや先の部分が一本一本違うのしかないようだ。

自分だけしか持ってない一本。

それ自体に価値がなくても、そういうのに憧れるよね。


「こっちは水の威力を上げるやつで……こっちは土みたいだよ」


杖の先にはそれぞれ大きい宝石のような物がはめ込まれており、色で様々な効果になるようだ。

大きさがでかい程、また純度が高い程に更に効果は高まるそうだ。


「うーん……前回は良いのがあったんだけど、今回はあんまり良いのはないみたいだね」


「そうなんだ……それより、アベルは魔法使わないのに杖に詳しいんだね?」


「魔法は使わないだけで一応使えるよ。水を少しね。杖は仲間に使うやつも居るし、当然敵にも使うやつがいるから、一通りの武器は把握してるつもりだよ」


へぇー流石護衛隊長。

物知りですね。


「それよりケイは魔術師なのに杖は持ってないのか?」


「あーえっと……この前使ってたのは安物だったから壊れちゃってね。無くてもどうにかなったけど、これからゴブリンキング討伐に行かないといけないから、念のために買おうと思ってね」


「なるほど……ケイはいつから魔術を使えるようになったんだい?」


「え……えっと、……五年前くらいかな」


嘘ですすみませんまだ一か月もたってないです。

まぁ本当の事言うわけにもいかないけどさ。


「五年であの技量……誰に教わったんだい?」


なんだ? やけにグイグイと来るな。


「自己流だけど……」


「……なるほど、天才ってやつか」


「ん? 声が小さくて聞こえなかったけど、何て言ったんだ?」


「いや、大したことじゃないから大丈夫だよ。それよりどうしようか?」


「どうするって……何が?」


「杖はあまり良いの無かったし、他の店に行くか?」


うーん……ぶっちゃけどっちでも良いんだよな。

おごってもらう身だしどっちでも。


「これはこれはお客さん、何かお悩みですか?」


「あ、店主、いつもお世話になってます」


「おお、これはこれは隊長様じゃないですかな」


「いえいえ、隊長なんかじゃなくてアベルでいいですよ」


何か店主と呼ばれたおじいさんが話しかけて来て会話に没頭してんな。

……あれ、俺空気?


「元気にやってるかね?」


「まぁそれなりに」


おーい、おーい……

もう帰っていいかな?


「それで、何かお悩みですかな?」


「今回はこっちのケイの杖を買おうと思ったんですけど……その……」


「良いのがなかったって事かな?」


「まぁ……はっきり言うとそうですね」


店主がこっちを向いたのでお辞儀をしておく。

……やっと本題に入ってくれたか。


「ふむ……杖か……そっちの五本は気に入らなかったのかね」


何かブツブツ言ってるけど大丈夫か?

もうボケちゃったのかな?


「ちょっと待ってなさい」


そう言って店の奥に行ってしまった店主。

アベルの方を向いても、目で待とうって言ってるので大人しく待つことにする。


少し経った頃に一本の杖を持った店主が戻って来た。


「その五本が気に入らないならこれなんかどうだい」


渡された杖は太さは丁度よく、長さは一メートル半と長い。

先の宝石みたいなのにはさっきまでとは違い、無色透明のダイヤモンドみたいなのがついていた。

しかも握りこぶしより一回り小さいだけのでかさ。


「これは……」


アベルは驚いているけどそんなに凄いのだろうか?


「名前はクラールハイト、木材は世界樹の枝、そしてダイヤモンドで造られているよ」


こんなでかいダイヤモンドが異世界にはあるのか……

ダイヤモンドは見るだけでなく使うことも出来るようになったのか。

流石ダイヤモンド。


「この杖、どうしたんですか? これ国宝にもなるものじゃないですか!」


……国宝ってあの国宝?


「我が家の家宝の一つでね、そこにある杖が気に入らないなら使ってもらおうと思ってね」


家宝……

なんかもう頭がパンクしそうだな。


「そんな大事な杖をあげちゃって良いんですか!?」


「この杖は飾りじゃないからね。使ってもらった方が良いだろう。それに……」


それに?


「君の連れのそう……ケイ君と言ったかな。私の目によると只者じゃなさそうだからね。この杖を渡すのにちょうどいいよ」


良く只者じゃないって言われるけど、そう言われる事なんてしてないんだけどな?


「だからってそんな大事な家宝を……」


おいおい、アベルさんや、君はどちらの味方なんだね?


「じゃあそうじゃな……この店の商品は高くてな、中々売れないから今月赤字でピンチなんじゃよ。これを買ってこの老いぼれを助けると思って買ってくれんかね?」


その言い方はずるいだろ。

そんな言い方したらアベルは絶対……


「分かりました……お言葉に甘えて買わせて頂きます!」


……確かに買うのはアベルなんだけどさ、なんだろう……

使うのは俺なのに最初っから最後までずっと俺の存在がないような扱いは。

……流石に泣いちゃいそう。


「じゃあ値段は……これでどうかのう?」


「これは……! いや、家宝って言ってたし当然か……それにケイは命の恩人だし……」


値段は紙に書かれてアベルにしか見えないので、俺からは見えない。

が、高いのはアベルからの反応で分かった。

……この世界では電卓がないから紙に書いているんだろうか?


「じゃあそれで買います。代金は後でも良いですか?」


「君なら信頼できるし一週間以内で良いじゃろう」


お金がないという設定はもう止めたんですかね?


「じゃあこの杖貰っていきますね」


「うむ、大事に使いなされ」


お、終わったか。


「じゃあこれが君の杖で良いかい?」


「良いんだけど……高いから今すぐは無理でも、ローンして返すよ?」


「命の恩人だから気にするなって。まぁこれで貸しは0だからね」


そういう言い方、ずるいと思います。

この世界にはずるい人しかいないんでしょうか?


「じゃあ遠慮なくもらっておくよ」


「ああ、そうしてくれるとありがたいかな」


「それで、この杖に何か能力アップ的なのってあるのか?」


「ダイヤモンドは魔力をその大きさ分溜めておけるから魔術師には誰もが手に入れたいものじゃないかな?」


……正直いらないけど、今更そんなこと言えないよね……

しかも高い金まで払って買ってくれたんだし。


「どのくらい入れらるのかは分からないけど、ありがとう!」


今自分は笑えているのだろうか?

顔が引きつっていないことを祈ろう。


「じゃあ次は防具やに行こう……と思ったんだけど、思ったよりここで時間取ったから俺は行けないな……」


「武器屋だけでも十分だって。今日はありがとな!」


「貸しを返しただけなんだから気にしないでよ。それじゃ、また会おう!」


そう言って武器屋から出て行った。

その去り際の笑顔がとても爽やかだったのは余談だろう。

……じゃあ、杖も買ってもらったし、次は防具屋に行くか。



♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



……防具屋では火耐性の赤いローブ、水耐性の青いローブと色と属性で同じなやつがあったけど俺的には黒の方が好きだから黒にしといた。

黒は特になにもないから他のに比べて安かった。

……安いと言っても良い生地使ってるのかそれ自体が高かったけど。


よし、色々あったけどこれで戦闘準備が完了だ。

ゴブリンなんかちゃちゃっと片づけて、当初の目的だった奴隷を買いに行くか。

……これはフラグじゃないよね?









正直小説書く時間って夜しかないから寝落ちして書いたのが消えたって自己責任ですよね……


っという事で、楽しみにしてる人はいないかと思いますが、今回はここは何も書かないで眠いので早く寝ようと思います。

では、次回はちゃんと出したいと思うので是非読んでください。

お読み頂きありがとうございました。

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