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11話

今回はちゃんと出せましたね。

そして、久しぶり投稿したのにも関わらず、今までで一番読者が多くて非常に嬉しかったです。

お待ちした人、新しく見てくれた人ありがとうございます。



馬車で町から出て多分二時間くらいで馬車が止まった。

その間は本当大変だった……

お嬢様は「ちょっと横になります」とかで寝ちゃうし、その隣にいるメイドは俺が変な事しないように監視しているのかこっちを睨んでくるし、そんな中俺も寝れるほど神経強くないし。

護衛以前に疲れるってどういうことなんでしょうね?


「お嬢様、お着きになられたようです」


揺さぶって起こそうとしているが中々起きないお嬢様。

こういう時って無理矢理に起こせないから大変だよね。

それで起きるまでずっと続けて、「なんでもっと早く起こしてくれなかったの?」みたいな事言われるんでしょ? 大変ですねメイドも。

そんな二人のやり取りを見ていたら何故かまたこっちを睨んでくるメイド。

俺何かやった?


「いつまでこちらを見ているんですか。外に行って安全確認でもしといて下さい」


なるほど、サボってないで働けって言いたかったのか。

でもさ、そういうのは言葉にしないと私は思います。

だから、さっさと外に出るのでずっとこちらを睨まないでくれませんかね?

もちろん俺も言葉にしてないので伝わることなく、外に出る。


外に出てみたら見渡す限りの緑。

周囲を見渡しても動物さえいなかったので緑の他には花の色がたまに見られる程度か。

こんな見渡す限り草原なんて、今の日本にはあるのだろうか?


「ここに来たのは初めて?」


後ろから話しかけられたので振り返ると、馬車の御者をしたらしいイケメン騎士ことアベル。

このイケメン騎士は後ろから不意に話しかけるのが好きなのか?


「はい、冒険者登録したのも最近ですし、それまでは田舎に住んでいたので」


という設定にしておけば例え常識知らずでもなら仕方ないってなるかもしれない。

まぁ最悪何も知らない田舎冒険者ってだけだからどっちでも良いけどね。


「実は俺はここに来たのは二回目なんだ。今日この日のために動物とか魔物がいない所を事前に調査した時に一回来ただけでね」


なるほど、だからここには自然以外なにもないのか。

馬車で二時間とか相当遠いのに良く見つけられたな。

それよりここの草原の広さってどのくらいなんだろう?


「ハンナ様は?」


「ハンナ様でしたら——―」


「私はここよ?」


寝てます、って言う前に馬車から降りてきたお嬢様。

随分遅いお目覚めで。


「では、早速調査を始めますわよ」


お、もうやるのか。


「では、頑張って下さいませ」


え?


「ハンナ様が調査をやるんでは……」


「あら、誰がそんな事言ったのかしら?」


ギルマスが言ってましたけど?

あなた何をしにきたんですかね?


「私が今日来たのは普段の息抜きのためですわよ。たまにはこういう気分転換も良いものだと思いますし、お兄様には悪いですけど、ちょうど良かったですわね」


うわぁー……うわぁー…………

大事じゃなくても二回言いました。


「ですので、ケイとアベル、二人でやりなさい」


「かしこまりました」


「は、はい……」


どうやら護衛ではなく結局調査をやることになりそうです。

でも調査って何やるの?

イケメン騎士に聞いてみると


「調査? うーん今回は草原全体でいつもと何か変わったことがないかの確認なんだけど……広いから大変だね」


いやいや、この広い草原を一日――正確には日が沈むまでの五、六時間程度——で出来るわけないじゃないですかー。

……え? 何か準備してるけど本当にやるの? 歩いて?

あ、でも俺は今回護衛として呼ばれたんだし馬車の近くで盗賊とかが来ないように見張ってるだけでよくない?

そうお嬢様に伝えてみたところ、


「護衛は大丈夫ですので調査の方よろしくお願いします」


と一刀両断されてしまった……

あー本当にやるんですか?

早くも帰りたくなってきた……


「あ、そうそう。最近ここを通った商人が行方不明になっているらしいので、それの調査も一緒にしなさい」


「はっ」


えーー

そんな物騒な所を調査するのか……

何事もないといいなー。


♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢  ♦  ♢



それからは本当に大変だった。

ずっと歩き回って動物や魔物の生態系に以上は無いか、どこか不自然な所はないかなどを一つ一つ細かく調べてもうくたくた。

こっそり身体強化の魔法を使っていたから良いけど、なかったらどうなってたか。

あ、そうそう。

依頼を受けるまでの間に身体強化も練習して、体から湯気だかオーラだかを見えなくさせる事も出来たからアベルも気づいてないだろう。

しかも、見えなくても強化効率はむしろ上がっているのでメリットだらけ。

チートだけで満足しないで自分の努力も必要なんだなと思いました。

そういえばイケメン騎士は見た目やってなかったけど俺と同じようにやっていたんだろうか?

それともしてなくてもあんなに歩けていたのか。

後者だったら化け物だな。

まぁそんなこんなで無事に何事もなく終わったわけですよ、ええ。

なのに……


「ほら、伝え忘れていたのは悪かったけど、野営の準備とかはこっちでやってあるからさ、元気だせよ」


どうしてここで寝泊まりしてまた明日やらないといけないんでしょうか?

折角今日一日だけ頑張れって自分に言い聞かせていたのに……

もう宿に帰りたい。

っていうか、いつからそんなにフレンドリーになったんですかね?

友達かなんかと勘違いするレベルで話しかけて来くるからびっくりしちゃったよ。


「あ、そっちにそのテント広げてー」


……物の準備はしてくれてもこういうのは自分でやれというわけですかそうですか。

まぁ初の野営がテントなしで地面の上で寝るっていうのは抵抗あるから大人しく広げますとも。

そして四苦八苦しながら何とか広げられて、大丈夫か確認している時にちょうどよく声がかかった。


「食事の準備が出来ました。お嬢様もお待ちですので来てください」


なんか良い匂いがするなって思ってたけど、ごはんの匂いだったか。

これで最悪の保存食の食事という予想が外れて一安心だ。

異世界ならこういうのもありそうだったから心配だったんだよ。


元々テントも広げ終わって、やることがちゃんと出来てるか確認すること位だったのですぐに向かっていく。

そこにあったのはスープが入った鍋とサラダとフランスパンっぽいやつ。

良い匂いだし、これは宿の物とは比べ物にならないくらい美味しそうだな。


「おっ、相変わらずあいつの料理は美味しそうだな」


そうして確認している間にイケメン騎士アベルもやってきた。

自分が仕える主にお前って言うわけないし、俺は論外だから、これを作ったのはあのメイドだろう。

……俺をいつも睨んでたけど、流石に食事に毒を入れて殺そうとはしない……よな?


「二人とも、何しているのですか。さっさとこちらへ来て座りなさい」


おっと、どうやらお嬢様がまた短期スキルを発動させたみたいなので、お嬢様から少し離れたところに座る。

メイドからの目つきもさっきとあまり変わってない事から、これが正解なのだろう。


「では、早速食べますよ」


メイドから食事を受け取り、お嬢様が合図する。

そしたら三人ともが目を瞑り手を胸の前で組む。

……え? もしかしてアーメンってやつ?


「ささやかなる食事をお恵み頂いた事に感謝します。クレアーレ」


「「クレアーレ」」


……これが普通なのかな?

これがこの世界の常識なのかな?

……いや、思い出せ。

宿でこんなのやってた人は見たことない。

つまり、これはどっかの宗教に入っている人だけの物ってやつか。

アーメンみたいな感じで。


「……あら? あなたはクレアーレ教の信者ではないのですか?」


お嬢様が食事しながら意外そうな感じで聞いてくる。

やっぱり宗教か。

でも、驚いた感じで聞いてくるっていう事は、普通はこの宗教の信者ってことなのかな?


「ええ、まぁそうなんです」


どこの信者でもないですよ。

タクトとか見ちゃうと……ねー?


「そんなに意外ですか?」


「いえ……私、クレアーレ教の信者以外と初めて会ったので驚いただけです」


なるほど、良く分かんなかった。

何で信者以外と会うと驚くんだろうか?

あれか? この宗教に入っていないやつはすべて敵だから注意しろとか聖典なんかにでも書かれているのかな?

まぁ宗教何て俺には関係ないから気にしても仕方ないか。


「まぁでも、確かにクレアーレ教の信者じゃないのはあの町では珍しいですよね」


「神殿はあそこに一つしかなかったわよね、アベル?」


「はい、あそこ以外にはありませんので……という事は、他の宗教か無神論者という事でしょうか」


あれれー? あの町に神殿何て御大層な物ありましたっけ?

まぁまだ一週間しか滞在してないから行ってない場所も多いから気が付かなかっただけかもしれないけど。


「ケイは、他の信者なのか?」


うーん……ここはどう答えるのが正解なのだろうか。

はいって言ってもじゃあどこだって言われたら答えられないし、いいえで無神論者だと、神を信じないとは……みたいな感じになられても困る。

特にあのメイド。不敬だとかで殺されないかな?

貴族よりメイドが怖いっていう謎の事実。不思議だ。


「私は神なんて不確かな物を信じてはいませんよ。ただ、居るとは思いますが、だったら何故神はこう私達を見てるだけで何もしないのかとは思っていますけどね」


結局曖昧に答えることにした。

神はいると思いますけど、信じてはいませんよ。

あっ……忘れてたけど、タクトも一応神なのか。

転生させてくれた恩はあるけど、一度殺されたからノーカン。むしろマイナスになるまである。

なので、いるとは思ってるけど、信じてはいない。


「ふーん……冒険者はやっぱり神に祈ることはしないって事なのですか?」


「少なくても、私はそうですね」


他の冒険者は知らん。

第一嫌われてるからまともに話したことさえないしな。

……あれ? もしかしなくてもいじめられてる?

ま、まぁいざとなったらやり返すしそれまでは放って置くか。


「なるほど……冒険者と私達ではやはり違うのですね……」


「当たり前ですお嬢様。冒険者のような野蛮なやつらと比べる事も烏滸がましい程に身分も何もかも違います」


そりゃそうだろう。

何をしても多分いい貴族と怯えながら毎日を働いている一般人だと違うだろう。

知っているかのように話しているけど、俺も結局分かってないと思うけどね。


それからも宿とは比べ物にならないくらいの美味い食事を堪能しながら雑談(主に俺とお嬢様、お嬢様が話を振った時にアベル、そして適当にメイドも)し、就寝時間となった。


「じゃあ、見張りの順番決めようか」


……お嬢様とメイドだけ。

どうやら寝ずの番にはならないらしいが、それでも二人でって事は負担も大きいので厄介だ。

しかも今日は歩きっぱなしで疲れたので早く寝たい。


「先と後、どっちがいい?」


寝る時間は変わらないしはっきり言ってどっちでも良いんだが、当然見張りとかやったことないので


「後で」


それで、やり方を少し見てから寝るとするか。

まぁ眠いの以外に大変なことはないだろうし、大丈夫だろう。


たき火が消えないように時折木を入れる事、それから足音がしたら注意しろって事だけを教わった。

やっぱりそこまで大変ではないらしい。

まぁ一番大変なのが起きてる事なんだろうが。

たき火についてはないと寒いからだろう。

そういえばこの世界に暦ってあるのか?

まぁ考えても仕方ないのでもう寝るとするか。

……見張り面倒そうだなぁ~










うーん……

作者が言うのも何なんですが、何とも言えない話ですね今回……

ま、まぁ次回からはもっと展開動く……予定なので、次回も楽しみに待っていただけると嬉しいです。


それと、メイドの名前が出てきてない件について……

あんまり良い名前が出てこなかったというのもありますし、この現実でメイドなんて秋葉原とかにしかいないので良く分かんないというのもあって……

いつも適当に思いついた名前を付けているんですが、「これなんかどう?」ってやつがあったら是非教えて下さいお願いします。


では、次回またお会いしましょう。

お読み頂きありがとうございました。

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