嫌い (加藤 菫)
妹の美希と小さなことで喧嘩した。それはもう、小学生も呆れちゃうくらいの小さなこと。
だけど私は譲らなかった。譲りたくなかった。
今となっちゃ変な意地なのかもって冷静になって、でも冷静になれば意地を張ってましたで終了なんてプライドが許さない。
年子である私たち姉妹は基本的に仲がいい、だけど喧嘩は長引く。
「菫なんて知らない!」
「ちょっと!お姉ちゃんって呼べっていつも言ってるじゃん!!」
小さなことでもなんだかイライラ、喧嘩中ってそんなもん。
もう、どうしよ…このままじゃダメだって分かってる。仲直りしなきゃ…私が大人にならなきゃ…だけどできない
意地とプライド
大好きだけど今は大嫌い、嫌い嫌い。
「いつまで喧嘩してるつもり?あなたがお姉ちゃんなのよ、妹のワガママくらい聞いてあげなさいよ」
お母さんは言う。だけど私は今までだって沢山ワガママ聞いてきた。1つしか変わらない妹の望みを叶えてきた。
過ごす1年はとても短い、過ごしてきた1年の差はとても大きい。
お姉ちゃんって何だろう、年上っていったい…長く生きたことが偉いのか、すごいのか。1年はそこまで大きいものなのか。姉妹、先輩後輩、上司部下。矛盾。
色んなことがいっぺんに脳内を駆け巡る。むしろ本題はなんだっけ?
謝るなんてプライドが許さなくて、考えるのも面倒で…
バフンとベットに仰向けに倒れる。つまらない。なんなの、この気持ち。私はどうすりゃいいの?謝って妹を幸せにすればいいの?謝らずにモヤモヤした気持ちのまま過ごすの?私が幸せになる方法は?
何を考えていいか分からなくなる、目を閉じる。真っ暗。