表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残り、残る  作者: 友霊
6/13

幼馴染 (加藤 菫)

「もう帰りだよ?」

香織の声が聞こえた。そっと目を開ける。

「おはよう?」

「もー6時間目は寝ないって約束したのにー!」

とか言いつつ私が今日寝てた分のノート(6枚)を差し出してくれる。

「早く写してね」

って言いながら前の席に座る。今日は待っててくれるみたい。ノートを開けば綺麗な字。見やすい。

私が写してる間にも香織は色んなことを話す。写すことに必死な私は全然聞いてない。聞いてないことを香織も分かっている、分かっているけど話すんだ。不思議。

香織は小さいころからおしゃべりだった。そんな香織を幼馴染という立場の私はずっと見てきた。おしゃべりだからこそ嫌われた、うるさいし聞いたことは誰かに伝えたくなるらしく、女子特有のナイショ話は香織を通すとナイショの意味を成さなくなる。噂が好きなら香織に聞けば良い、もっとも今じゃ香織にナイショ話をする子なんていない。利用しようとする子はいるけど…。

私は幼馴染でありストッパーだった。香織は自分が喋れればいいのだ、つまり私が聞いたフリでもしとけば満足して噂話は広がらない。ずっと一緒にいれば利用しようとする子から守ることができる。

時々、話を聞くけどコロコロ変わる話のせいで内容はいまいち。

「これはね、この間聞いたの。」

また新しい話題。こんなに一緒にいるのに、いつ聞いたんだろう…。時々、香織の情報源が分からない。

「町田さんってね、整形してるって」

「可愛いならいいんじゃない?」

確かに!なんて綺麗な顔で微笑んだ香織は一瞬だけど驚いた顔をしてた気がする。まともな返しをしたからかも。

「でもさ、町田さんって男子に媚売ってるあたり性格悪そう。顔はあんなに可愛いのにカワイソウだね。」

香織は何も答えなかった。こういう話題嫌いだっけ、悪口とか。

「ごめんね、今のなし。終わったから帰ろっ!」

香織自身が悪口言われてた立場の人間だったから気持ちが分かるとかで、あまりそういう話は好まない。

ノートのお礼に買ってあげたパックのジュースを飲みながら香織は楽しそうに違う話をする。

明日は、どんな話をするんだろう。たまに聞くと面白い話し、今日の分は終わりを告げ、また明日って手を振って別れた分かれ道。前後に建ってるお互い家まで後1分。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ