【猿】Part2
子子「おかえりなさい、どーやった?」
猿「ご満足して逝きましたわ。そっちは?」
子子「もちろん。こちらもご満足してもろーてるでー! 」
猿はそれを聞き微笑んだ。
そして、お客さんの方を向き...
猿「今日は、ほんまにすいませんでした。
クレーマーさんは、ご満足していきましたわ。お客はん、今後も、干支をごひいきに〜。」
店中、一斉に拍手が湧いた。
〜店閉店後〜
従業員B「猿さん、あのクレーマーやばくなかったですか?」
従業員A「そうですよ、後で来た男、絶対ヤクザでしたよね? 大丈夫だったんですか?」
猿「大丈夫なわけなかろーに。コテンパンにされましたわー(泣)まぁ、自分のこさえた庭見せたら、ええ子して帰ったわ(笑)」
子子「明日、おもろい事にならんかねー(笑)」
猿「なに言っとるや、そないなこと言わんの!」
従業員A「おもろい事ちゅーんわ?」
猿「なんでもない。子子の悪戯心や。」
従業員B「さすが、子子さん!」
従業員C「猿さん、外にお客さまが...」
猿「誰やろ、わかった、ありがとさん。」
猿は入口の方に歩いていった。
猿が外に出ると1人の女性がいた。
?「あなたが、猿くんですね。」
女性は、猿に尋ねる。
猿「そやけど、お姉さんは?」
橘「橘と申します。新聞記者をやっております。」
猿「新聞記者ね〜。で、その新聞記者さんが自分に何のよーでっか?」
橘は、囁くように言った。
橘「クライマー。」
猿は、ゾクッとした。クライマーの事は誰も知らないはずだからだ。
それでも、猿は平然を装う。
猿「クライマー?そないなもん聞いたことありませんが、なんでっか?」
橘「クライマーを知らないんですか?噂ですよ!この地区で幼い男の子が、刀を背中にクロスに背負い、自分を見たもの全てを殺すって言われている殺人鬼ですよ。」
橘の“殺人鬼”の言葉に猿は反応した。
僕らは、国から指示されて殺してるんだと心の中で訴えた。
猿「殺人鬼?知りませんな〜。で、なんで自分のとこに?」
橘「それは、あなたがクライマーだからですよ。」