表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジンクス!  作者: つぐみ
3/5

星座占い

今回は三葉と色葉の双子のお話です。

シスコンブラコン、好きなんです…



目覚ましのアラーム。

小鳥のさえずり。

階段を駆け降りる足音。


「次は、星座占いのコーナーです」


つけっぱなしのテレビは、いつも通り進行中。


「おはよ。今日早いな」


居間では、片割れの色葉が、朝食を食べていた。


「おはよう、三葉。今日は委員会の朝当番なんだ」


いまだパジャマ姿の三葉とは違い、色葉は既に制服を着ている。

髪の毛のセットもばっちりで、すぐにでも出かけられそうだ。


「言えよ」

「なんでさ」


拗ねたような声音に、色葉が首を傾げる。


「一緒に登校するだろう、普通」


さも、それが世界の常識であると言わんばかりに胸まで張って、三葉が真面目な顔で言った。


「朝当番の時間に合わせてまで一緒に登校しないよ、普通」

「何言ってるんだ!朝だって危険なんだぞ!痴漢とか、誘拐とか、変質者とか!」

「……相変わらず、想像力豊かだよね」


朝から残念な片割れに、色葉は溜息をついた。


不意に、テレビから華やかな効果音が流れてきた。

二人揃ってテレビを見る。


「さーて、今日一番のラッキーさんは…、山羊座のあなた!」


「山羊座は今日運勢がいいって。だから良いことは起きても悪いことは起こらないよ」


テレビには、色葉たちの星座を摸したキャラクターが踊っている。


「だから心配しないで別々に…」

「ラッキーな山羊座のあなた!今日は運命の出会いが待っているかも?」


色葉の言葉は、、テレビからの声に遮られた。

同時に、三葉の顔が強張る。


「一緒に行く」


言うやいなや、テーブルに着く。

同時にパンに手を伸ばし、猛烈な勢いで詰め込み始めた。


「は?もう出るよ?」

「5分で用意するから、絶対待ってろ!」

「えぇぇ…」


三葉の言葉に、色葉は困り顔だ。


「悪い虫なんか、つかせてたまるか!」


いくら幸運な事だとはいえ、彼氏なんてお兄ちゃんまだまだ認めません!


「……三葉だって、同じ山羊座なんだから」


焦りすぎてパンを喉に詰まらせた三葉の背を、呆れながらも擦ってやる。



運命の人、現れるかも知れないのに。




蛇足



二人の両親は。


「なぁ、母さん」

「なぁに、父さん」

「育て方、間違えたかなぁ」


目線の先には、すさまじい勢いで支度をする三葉。


「仲が良くて良いじゃない」

「良すぎて困るっていうか…一方的に…」


なんだかんだ三葉を待っている色葉も、まんざらでも無いのだろうが…。


「当分、孫の顔は見れなさそうだなぁ…」

「良いじゃない!お嫁にやりたくないのが本音でしょ」

「…まぁ」


結局、似たもの家族


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ