異常狂愛彼女
シリーズの中ではヤンデレ要素強め。
グロいシーンが含まれるので、苦手な方は回避推奨。
前編は下記URLよりどうぞ。
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ルコ「今日は何の日でしょーかー?」
俺「…」
またこのパターンだ。
でも、今日は何かの記念日だったか?
俺の記憶では、確か何もなかった気がするのだが。
変な回答をして包丁でも出されたら、寿命がどれだけあっても足りやしない。
ルコ「今日は夏祭りでしたー」
俺「…前も言ったけどさ、夜中にその企画を持ってくるのやめない?」
ルコ「なんで?」
俺「眠たいから」
それでは皆さん、おやすみなさい。
次に起きる時は、太陽が昇った綺麗な朝を眺めたいです。
ルコ「おはよー!」
あれ? 俺、寝たっけ?
ビックリするくらい疲れてるんだけど。
ルコ「今日は夏祭りだよ」
俺「…何時?」
ルコ「花火はねー、夜の7時からー」
夜の7時…。
今、朝の6時だよ。
まぁ4時間も眠れたなら良い方だろう。
どうにかして頭を覚ますしかないな。
もう1回寝かせてくれることなんて、そんな甘いこと無理だろうし。
正面に座っているルコの胸を鷲掴み…出来ないので、手の平で撫でまわす。
拒むことなく、俺の手による侵略を全身で受けている。
寝起きでも反応するモノは反応する。
ルコの胸から手を放すと、物惜しげな表情をした後に俺の上に倒れ込んできた。
焦点が合わないほど近くにルコの顔がある。
湿った熱い吐息がかかり、間もなく唇が重なった。
ねっとりとした唾液が、互いの口の中を行き来する。
そのままの状態で、ルコの手が俺の体に添うように下へ向かっていった。
俺「ぷはっ…。はぁい、ここまで」
口を離して、下腹部の棒を触ろうをしていた手を、俺の手で絡めるように握ってやる。
もう目は覚めたし、エロティックな成分も補充できた。
それにここで本番までやってしまったら、今日中には枯れ果ててしまいそうだ。
俺「続きは…また夜な」
ルコ「やくそく。じゃあ朝ごはん作るね」
朝起きて、いきなりってのは珍しくない。
だからこそルコも何も言ってこない。
…夜は大変な目に遭うけどな。
いつもと同じ朝飯を食べて、昼過ぎまでは家でのんびりしていた。
祭りまではまだ時間がある。
別段することもないので、大して面白くもないテレビを眺めていた。
ルコ「ねぇねぇ、見てー」
そういえばルコの姿が見えない。
寝室の扉を開いてやると、そこには浴衣姿のルコが妖艶なポーズで立っていた。
俺「どこに浴衣なんて隠してたんだ…」
ルコ「お祭りに着て行くの!」
俺「着て行くのはいいけど…俺はそういうの持ってないぞ?」
ルコ「大丈夫だよ、普段着で」
ルコが家の中で布を纏っているというのが、不思議でしょうがない。
全くの別人に見えてしまう。
というか、浴衣の帯を一人で結んだって事だよな?
何というか…レベル的にすごく高い気がする。
例えるなら、最終ダンジョンに出てくる敵くらい…?
俺「…待て。もう一つ気になることがある」
ルコ「なぁに?」
俺「その下はどうなってる」
ルコ「ネクタイだけだよ?」
思った通りだ。
「お前その格好で外歩くつもりか!?」という言葉を飲み込んだ。
説得するのは、おそらく無駄だ。
言ってもどうせ意味が通じないだろうから。
通じたところで、恥なんて無に等しいくらいの奴だからな…。
あぁ…頭が痛くなってきた…。
お金を十二分に用意し、いざ夏祭りへ。
ルコと腕を組みながら、祭りの場所へと歩いていった。
夕方とはいえ、昼間の夏の熱気が残っている。
外にいるだけでも汗ばむというのに…。徒歩で…。
俺「何が食べたい?」
ルコ「焼きとうこもろし!」
俺「とうもろこし、な」
そんな会話を挟みつつ、まったりグダグダと歩いていった。
服が汗で湿って不快感を誘っていく中、次第と浴衣の人も増えてきて、祭りに近づいたと思わせる。
俺たち以外のカップルもいて、いつもの俺たち以上にいちゃついている奴らもいる。
まぁ、そんな奴らはどうでもいい。
ルコはすでに俺の腕から離れ、祭りの屋台で綿あめを見つめている。
焼きとうもろこしじゃなかったのかよ…。
後ろから近付いて、屋台のおっちゃんにお金を払った。
嬉しそうに右手に綿あめを持って、左腕を俺と組んだ。
俺「食べないのか?」
ルコ「家に帰ってから一緒に食べよ?」
いつものルコと言えばそうなんだが、なぜか涙が出そうなほど言葉が響いた。
涙腺が滅んだか? それとも祭りの雰囲気に飲まれたか?
その後、チョコバナナが欲しいと言うので買ってあげた。
こちらから頼んだわけでもないのに、上目遣いでチョコバナナをエロく咥え始めた。
明らかに誘っておられる。
朝の続きの事を言っているのだろうか。
俺「他の人がいるんだから、普通に食べなさい」
ルコ「ほいひいよ?」
俺「焼きとうもろこし買ってあげない」
大人しくなった。
躾けるのも俺の役目ですから。
ただ物で釣っているだけだけど。
それでも立派な躾…調教だ。
食べ歩いている間にも目的の屋台はいくつもあったのだが、食べ終わるまで買うのは控えておいた。
?「あれ? お前…やっぱりそうだ!」
誰かに話しかけられたか?
いや、きっと他の人だろう。
よくある事だ。自分が呼ばれたと思ったら、全然関係なかったという、あれだ。
?「無視するなよ~。久しぶりに会ったんだからよ~」
後ろから肩を掴まれて、強引に後ろを振り向かされる。
そこに映った顔は、確かにどこかで見た顔。
?「私だよ! 小学生の頃はよく遊んであげたろ~?」
…。
なんだか、徐々に思い出してきたような気がする。
そうだ。こいつは…。
?「隣にいるのは彼女さん? あんたに彼女が…
俺「焼きとうもろこし買いに行こうな、ルコ」
チョコバナナを食べ終わり、棒だけを持っているルコの左手を掴んで走り出した。
思い出したよ。2つの事を同時にな!
あいつは小学生の時の友人だ。
男勝りで男口調。当時は女らしさなんて皆無だった。
陸上部で、下手な男より足が速いと言われていた。
中学は俺は普通に進級したが、あいつは私立の中学に行った。
それから全くと言っていいほど会わなかったのに、まさかこんなところで遭遇するとは。
昔はよく遊んださ。昔はな。
今は事情が違うんだよ。
お前の言った「彼女」の言葉で思い出したよ。
ルコの言ったルールを覚えているだろうか?
ルコ以外の女と話すの禁止という、どうでもよかったルールがある。
隣にいた彼女さんに目をやると、その時にはすでに目が濁っていた。
ルコの両手が塞がっていて助かった。
その場で包丁でも出されたら堪ったもんじゃない。
お祭りだというのに、俺の気分はぶっ壊れた。
いや、それはルコだって同じなのか?
欲しがっていた焼きとうもろこしを買い与えてみると、嬉しそうに笑っていた。
と、とりあえず、最悪の事態だけは回避できたか…?
後ろから追っては来ていないようだ。
さすがにこの人混みだ。簡単には見つからないだろう。
ちょうど上がりだした花火。
もう見つからないと安心して、ゆっくりと花火を見ていた。
俺「綺麗だな、ルコ。…ルコ?」
隣を見た時には、すでにルコはいなかった。
前後左右上下、どこを探してもルコは見つからない。
さっきまで一緒に花火を見ていたはず…。
まさか、こっちまで見つからなくなるとは…。
あの目をしたルコは、何を仕出かすか分からない。
そして、野生の力とも言える能力を発揮する。
冗談っぽく聞こえるが、本当の事だ。
早く探し出さないと死人が出るかもしれない。
でもこんな人混みの中から、どうやって探し出す?
とにかく当てもなく走り回り、人にも聞いてみたのだが、やはり見つからない。
くそ…。あまりやりたくはなかったが、大声を出して呼んでみるしかないか。
俺「おーい、ルコー! どこ…
ルコ「呼んだ?」
後ろから服を引っ張られて振り返ると、右手に綿あめを持ったルコが立っていた。
返り血や相手の悲鳴もなかったので、とにかくそこは一安心した。
俺「どこ行ってたんだよ」
ルコ「ひみつー」
秘密って事は、何か悪いことでもしたな。
その先の事を聞く勇気がなくて、花火の途中で家に帰ることにした。
もう花火とか夏祭りとか、そんな気分じゃない。
これからしばらくの間はルコを監視しといた方が良いな。
何が起こるか分からないからな…。
家に帰ると浴衣を脱いだルコが、いつも通りの格好で晩ご飯を作ってくれた。
久々に病みモードのスイッチが入っているように感じるが、料理に変な物は入っていなかった。
俺の思い過ごしなのか?
風呂に入っているときも、寝る時も、何一つおかしな行動は無かった。
やや寝不足気味の朝が来た。
すでに起きていたルコは、朝食の準備をしている。
生理現象を慰めに来てもよさそうなものだが。
仕方がないので布団の中で寝転がっていると、急に布団を剥がされた。
ルコ「朝ごはん出来たよー」
卵焼きに味噌汁と昨日の残り物。
朝はこれくらいで十分。
寝起きで食欲もなかったが、ルコの飯ならいつでも食えそうだ。
徐々に料理スキルが上がってきているのだろう。
新しいスキルでも覚えているんじゃないだろか。
飯を食べ終えたのだが、ルコは台所で何かをしている。
食器洗いとかの後片付けでもなさそうだ。
聞いてみても、はぐらかす様にして回答を避けられる。
こりゃ何かあるな。
少しするとそれも終わったようで、俺の隣にくっ付いてまな板の胸を押し付けてきた。
よくある休日の光景だ。
俺もいつもなら不審には思わなかった。
時間は10時を過ぎたくらいで、インターホンが鳴った。
ルコ「ルコが出るね」
まるで俺に出させない様な感じがした。
考え過ぎなのだろうか。
玄関から聞こえてくるのは、昨日聞いた気がする声。
とっさに立ちあがって玄関に向かったが、一足遅かった。
すでに家の中に入り込んでいて、ルコによって鍵が閉められた。
こいつが家に来ることもおかしいのだが、ルコが人を家に上げるなんて。
それも女を。
これはいよいよヤバい気が漂ってきた。
友人は俺の方へ近づいてくるが、後ろからゆっくりとルコが近づいていた。
俺「やめろルコ!」
裸ネクタイのどこに隠していたのか、包丁の柄で友人の後頭部を殴りつけた。
鈍い音がこっちまで聞こえてきた。
友人は気絶してしまったのか、俺にもたれ掛かるようにして倒れ込んだ。
さすがに回避することは出来ないので、床に落とさぬように受け止めた。
俺「お前、なにしてるんだよ」
ルコ「なにって、お昼ご飯と晩ごはんの食材だよ?」
俺「食材って…。ルコ、お前本気で言ってるのか?」
ルコ「早く渡して?」
ダメだ。もう話が通じていない。
一歩ずつ、着実に、包丁を構えたまま近づいてくるルコ。
友人を引きずりつつも、なんとか後退る俺。
とはいっても、豪邸みたいな広い家じゃない。
辿り着く先は、すぐに壁だ。
あっという間に追い詰められ、友人の背中には包丁が突き付けられた。
無理やり前を抜けようとすれば、刺さってしまうだろう。
ルコ「ここで捌いたら床が汚れちゃうよ」
ルコに人を殺めてほしくはないし、死人を出されても困る。
もう俺に出来ることは、説得くらいしかない。
俺「バカな事はやめろ。昼飯や晩飯なら良いと…
友人「アぐっ…!」
違和感にはすぐに気付いた。
友人がくぐもった呻き声を上げ、一歩近づいていたルコの姿があった。
友人は一瞬だけ暴れたが、すぐに俺の腕から落ちていった。
うつ伏せに倒れた背中には、刺さったままの包丁があった。
俺「お…おい…ルコ…まさか」
ルコ「下ごしらえしておくね」
急に息が出来なくなったと思えば、体の中心から痛みが走った。
ルコ「準備が出来たら起こしてあげるからね」
鳩尾に一発…的確に当てられ、意識を失ってしまった。
自由に寝返りが打てない息苦しさで、目が覚めてしまった。
できれば目の前に広がる光景は見たくなかった。
ルコ「あれ、起きたの? まだもうちょっと待っててね」
顔だけこちらに向けて、美しい尻が丸見えになっている。
もう何も考えたくなかった。
音だけで分かる、台所で行われている狂気染みた「下ごしらえ」
ルコ「みてみてー。これが鎖骨で、これが肋骨。それからー、これが肩甲骨」
俺の視界に、肉がこびり付いている骨が並べられていく。
考えたくなかったが、すでに上半身がダメになっているという事は分かった。
ガムテープで手足を縛られて体が動かせないので、頭だけ動かして時計を見た。
昼はとっくに過ぎ、時間的には晩飯になるのだろう。
食欲なんて湧く訳がない。
目を瞑れば視界は何とかなるが、においはどうにもできない。
ルコ「生肉ってレンジで温めても大丈夫かな?」
ついでに聴覚もどうにもできない。
そんな夢であってほしい時間は過ぎて、とうとう食事の準備が出来たようだ。
体の拘束は解かれないまま、言葉通りの闇鍋が運ばれてきた。
こんな暑い日に鍋とか、何を考えてるんだ。
…いや、違う。人肉入りの鍋なんて、そんなもん食えるか。
ルコ「デザートも後で作るから楽しみにしててね」
俺は床に寝かせられたまま、湯気が立っている肉が運ばれてきた。
口を堅く閉ざし顔を反対側に向けたが、肉も一緒についてくる。
ルコ「そっか、熱いもんね。冷ましてあげるね」
一旦離れたそれが、ルコの吐息で冷まされて戻ってくる。
しかし熱かった時とは違い、今度は無理やり口の中に押し込んでくる。
唇でのガードがすぐに崩れ、歯だけで防ぐことになった。
だが、もはや口の中には肉の味が広がっていた。
それでも、食べたら終わりだと自分に言い聞かせ、必死に拒んだ。
ルコも無理だと判断したのか、ようやく箸を引いてくれた。
ルコ「食べないの?」
歯で防いだとはいえ、俺の口に入った物を躊躇せずに自分の口に入れ咀嚼している。
そのまま食べるのかと思ったが、まだそれが入っている状態で俺に口づけをしてきた。
固体なら侵入は防げたのだが、ほとんど液状になっていたので、どうにもできなかった。
一回味わってしまうと、もう何もかもがどうでもよくなった。
頭の中を真っ白にして、何も考えない様に、口に運ばれたものを噛んで飲み込むだけ。
諦めと絶望。
作業的に物事をやるだけで、時間は過ぎていくんだ…。
満腹も空腹も感じなかったが、どうやら鍋に入っていた分は食べきったようだ。
ルコ「次はデザートね」
いきなり俺のズボンを脱がせたかと思うと、俺の顔の目の前にはルコの下半身が近づいていた。
そしてルコは、俺の棒を咥え始めた。
ルコ「やくそく、忘れたとは言わせないよ」
縛られたまま、自分で動くこともできず、ひたすらにルコに責められるだけ。
台所に置かれた骨が、音を立てて崩れていった。
どうしてこうなった。
ヤンデレ要素半分、焼きとうこもろし要素半分って感じですかね。
「本格ヤンデレ」よりは「ルコの好物を発表」みたいな話です。
ちなみにルコは分かっていて「とうこもろし」と言っています。
次話は下記URLよりどうぞ。
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