表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春部(仮)に入りませんか?  作者: 夏野ゲン
究極のプリンを作る!!
58/61

部室



 授業が終わり放課後。講堂に向かう足取りは重いような軽いような微妙な感じ。

 先輩に早くストラップを渡したい気もするし、手渡すのが気恥ずかしい気もする。

 迷いながらもまっすぐに部室に向かう途中に、布施さんに出会う。


「あ、布施さん。今から部活?」


「ああ、夏樹君か。ちょうどいいところに来たね。これからプリンを部室まで運ぶんだが手伝ってもらえないか?」


 布施さんのお願いにボクはもちろんと答える。


 並んで歩き、家庭課室へ。その冷蔵庫から、昨日作ったすの一つも入っていない、なめらかなプリンを取り出す。その数は、全部で6つ。ちょうど部員全員分。


「……あれ?」


 確かボクの記憶では、プリンは8個作ったと思うんだけど……。

 ボクが疑問符を浮かべていると、


「どうした?」


 と布施さんが聞いてくる。


「いや、昨日作った時より2個少ないから、どうしたのかなって思って」


 ボクの問いかけに、布施さんは少し戸惑ってからいう。


「まあ、それはその、企画者権限って言うことで、それにその、にーちゃんも作るの手伝ってくれたんだから食べさせないわけには、いかないだろう?」


 困ったように言い訳をする布施さんの姿に苦笑する。

 なにをそんなに照れているんだか。きっとだれも怒りはしないのに。

 布施さんはボクの言葉を待っているように見えたので、とりあえずこう言葉を投げかけておこう。


「おいしかった? 究極のプリン」


 布施さんはキョトンとした後に、


「ああ、もちろん!! でも、今日食べたらもっとおいしいだろうな!!」


 そう言って明るく笑って見せた。


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ