表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春部(仮)に入りませんか?  作者: 夏野ゲン
究極のプリンを作る!!
53/61

ボクの大事な友達




 笑顔のままで固まったボク。


「あ、その、みてた?」


 ボクは平静を装いながら、しかし内心で冷や汗を流しながら言う。

 ほたるはこくんと小さくうなずいた。


「あ、そう……。そうか……」


 かえしながら頭の中でどうこたえるのがいいのか全力で頭を使う。

 部活の仲間だと答えるのが妥当だろうか? しかしそれではどこのだれなのかと問われることになるだろう。そうなると石田君が女装メイドだということを伝えなければならなくなり、それは信じてもらえるかどうかわからない。

 しかし嘘をつくにしてもメイド服の美少女(にしか見えない人物)が隣を歩いてた理由なんてすぐに思いつくわけもない。


「えっと、ね。そのあの、あの人は友達……」


 具体的なところには何一つ触れずに、友達という言葉でごまかしてみる。


「あ、そっか。そう、友達ね……」


 ほたるは目を泳がせながら、いかにも戸惑ってますよという様子。


「うん。その友達なんだ。それ以上でもそれ以下でもなくて、その……。最近できた大事な友達で……」


 なぜボクはこんなに言い訳がましい説明をしているんだろう?

 

 (……後ろめたく感じてる?)


 そこまで考えて否定する。何を後ろめたく感じる必要があるっていうんだ?


「そっか。大事な友達か……」


 そう言ってさみしそうに微笑んで見せるほたる。


「あの、その大事な友達ってもちろんほたるも大事な友達だから、な?」


 ボクは何を言っているんだろう!? なんかテンパリ過ぎてよくわからないことを口走ってしまった気が!!

 しばらくぼーっとボクのことを眺めていたほたるは急にくすくすと笑いだした。


「……何いっちゃってんの。なっちゃん。おかしいの」


 くすくすした笑いは、だんだん大きな笑い声に変わっていく。


「わっ、わるかったなぁ……もう。ともかくあの人は」


「……うん。わかったなっちゃんの友達ね」


 そう言って少し調子を戻して笑うほたるを見て、ボクは少し安心したのだった。


 



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ