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青春部(仮)に入りませんか?  作者: 夏野ゲン
青春部(仮)に入りませんか?
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青春部(仮)発足!!



 北川君との舌戦の後に力尽きた様子の長谷川さんは、疲れた様子で入部届けに名前を書いていた。


「あの、いいんだよ? 長谷川さん。この部活そんなに入りたくないなら無理に入らなくても……」


 先輩の言葉に、長谷川さんは首を横に振る。


「負けは負けですから……」


 その言葉を聞いて布施さんがからかうように言う。


「本当は部活入りたかったんじゃないの? だからわざわざ旧校舎まで足を運んだりしたんじゃない?」


「ありえません」


 即答での否定。しかしその答えに対して布施さんはなぜかうれしそうにしている。

 

「素晴らしい……これぞツンデレ。瞬時の拒絶。付け入る隙がないように見えて、さっきみたいな弱いところも見せる……絶妙っ!! 絶対的ツンデレ!!」


 この人なに言っちゃってるの?

 しかし、そんな頭のおかしい布施さんの発言に対してしきりにうなずいている人物が一人。


「素晴らしいです!! ツン7デレ2弱さ1、理想的なツンデレ配合方程式!! 参考になります!! これで私も需要に見合ったツンデレメイドの修行が……いえっ!! ザ・パーフェクトツンデレメイドの修行ができます!!」


 この部活の女性陣(女装も含む)は本格的にダメかもしれん……。




「はい。書けました」


 長谷川さんは一枚の紙を差し出し、先輩はそれを受け取り、


「よろしく。長谷川さん」


 といっていつものように、輝く笑顔で微笑んだ。




 何故だか知らないけれど、自然とみんなの視線が合う。

 そして、誰からともなく拍手が起こる。

 そうそれは、東雲先輩が舞台であいさつを終えたときのような自然な拍手。

 青春部というこの間まで存在しなかった部活が、先輩の、そしてみんなの望んだ形で無事に出来上がったことに対する祝いの拍手。




 そして、拍手を受けた先輩はうれしそうに目を細め、長谷川さんは恥ずかしそうにほほを赤らめた。


 ぎこちなさや少しの不安を残しながらも、青春部はこうして発足した。



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