32/61
夜に想う
家に帰ると、長谷川さんにとってもらったフィギュアをもとに、デフォルメしたイクチオステガのパーツと構成を考える。
普段作ったことのないモチーフなので、難しいことは難しい。しかし、ひれのついた足をどう表現するか、どんな色が恐竜のような雰囲気を失わせずにかわいく仕上げることができるか、と考えることがたくさんあって楽しい。
好きなことをやっていると時間はあっという間に過ぎていく。
パーツの大まかな構成は慣れない作業ということもあって2時間ほどかかった。
一息ついてベッドに腰掛け天井を見上げる。
ボクの作品は喜んでもらえるだろうか?もし喜んでくれるなら、それはうれしい。
長谷川さんもゲームをしている時はこんな気持ちなんだろうか?
クリアできて楽しい。できなくて悔しい。そして、UFOキャッチャーで代わりに景品をとってあげて、喜んでもらえてうれしい。そんな気持ちだったんだろうか?
なんだかさっきから長谷川さんのことばかり考えている気がする。
なんとなく首をかしげながら、ボクは作ったパーツと裁縫セットを一つにまとめた後眠りについた。