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ひいた?
長谷川さんはその後も、2面3面と襲いかかってくるボス敵を片手1P操作法で次々となぎ倒し、もはや画面全体を弾幕がおおいつくすようになった5面までも、その曲芸操作法で切り抜けた。
しかし、最終面…。
「うげっ!!このバカ!!」
わずかに残っていた残機を猛烈な勢いで吐き出させられ始め、おろそかになっていた左手の機体、つまりボクが操作していた機体の残機がゼロになった。
「うにゃあ!!このクソ弾幕!!パターン化もできやしねぇ!!気合よけじゃあ!!」
何やら謎の専門用語を連呼して残ったメイン機体を両手で操作するも…。
「だあああ!!」
目の前には無残にもGAME OVER の文字が…。
「ラス面鬼畜すぎだっつうのクソ!!これだからソニストは成功率2割で安定しない…」
…ダンッ。
筺体を叩くマナーの悪い客と化した長谷川さん。
ここではっと気がついたように、こちらを振り返る長谷川さん。そして、困ったように頬を赤く染めて一言。
「…引いた?」
…正直ちょっと引きました。