第八十話 「取り調べ」
ついに第八十話突破です!!とりあえず、2025年中に過去の話の修正を完全に終わらせたいです!
前回に引き続き、第七話~第十五話(番外編含む)のグリバッツ国編を修正しました!
主人公グレイスが連れてこられた地、グリバッツ。そこで出会う新たな仲間たちとの冒険を描く章。
引き続き、第十六話からも随時修正予定!
修正をしたのですが、間違いを発見された場合は、報告していただけると助かります。
俺はテオスの騎士団の本部に連れてこられている。
石壁に囲まれた狭い部屋。
重苦しい空気が、肌にまとわりつく。
ああ…早く終わらないかな?
「だから、俺はしてないって言ってるでしょ?」
「嘘つくな!封印されていた『黄金聖竜』を逃がしたのはお前なんだろ!」
机をたたく音が鳴り響く。
「だから、違いますって」
「いいや、嘘をつくな!!」
俺は騎士団の取調室で何度も『黄金聖竜』を開放したのは俺ではないと弁解しているのに、騎士団の連中は誰も本当だと、信じない。
俺はただ、ランプを3回擦ったらアラジンじゃなくて、『黄金聖竜』が出ただけだ。
「まぁ。いい。ならば力ずくでも吐かせてやる」
騎士は苛立った様子で立ち上がり、暖炉へ向かった。
赤く焼けた金属の棒を、火ばさみで引き抜く。
……おいおい、冗談だろ。
「これを今からお前の口に入れてやる。入れられたくなければ、正直に話せ。そうすれば、口に入れないさぁどうする?」
「ええっ!?」
どうしよ…。
あんな棒を口に入れられたら、口の中は焼けただれ、痛みは想像を絶するだろう。
いくら吸血鬼で、再生ができるといっても、痛みは感じる。
だが、ここで、うそを認めても、待っているのは、死刑だけだろう。
俺は、はっきりと言った。
「……絶対に、やってません」
「それがお前の答えか!」
騎士が俺の顎を掴み、無理やり口を開かせた、その瞬間。
「やめんか!!」
重い扉が叩き開かれた。
取調室に入ってきたのは、
先ほど『黄金聖竜』を討ち取った男。
レイブ将軍だった。
「テオスの騎士はずいぶん腐っているようだなぁ…」
「レ、レイブ殿……?ですが、あなたは聖ロース帝国の将軍。我々テオスとはーー」
と男が言いかけた瞬間
「関係ない、か?」
と騎士の男の言葉を切り捨て、レイブ将軍は、口元だけで笑った。
「同盟国を無関係と切り捨てるつもりなら、それは立派な国際問題だ」
騎士たちが息を呑む。
「それに……」
将軍の視線が、騎士団全体を一瞥する。
「もしここで事が起きたとしても、
俺一人で、この建物を静かに片付ける自信はある」
「しっ失礼いたしました!」
騎士の男は青ざめながら、そう言って引き下がった。
「なら、この男を解放しろ」
「わっ、わかりました…」
騎士の男はしぶしぶ俺の手錠を外し、俺を開放する。
「はぁ~よかった...。ありがとうございます。レイブ将軍」
「礼はいい。お前も聖ロース出身だろ。名前は既に耳にしている」
「そうなんですか!?」
俺の名前ってこんな将軍に届くまでになっているのか。
「じゃぁな。俺も観光目的で来たのだが…。せっかくの休暇が台無しだ」
そう言ってレイブ将軍は部屋を去っていった。
「じゃぁ…。そういうことで...」
俺も騎士の男に挨拶をして騎士団本部から出た。
騎士団本部を出ると、
ラガーとウルが待っていた。
「おお! やっと出てきたか! どうだった?」
「無罪。ちゃんと解放されたよ」
「はぁ……よかった……」
二人は、心底ほっとした顔をした。
「それで、これからどうするんじゃ?もう聖ロースへ帰るのか?」
「はい。今日中に出発しようと思います。なぁウル?」
「ああ……もうダンジョンは懲り懲りだ」
「そうか……」
ラガーは少しだけ寂しそうに笑った。
「また、時々顔を見せてくれ」
「はい。必ず」
港へ向かい、船に乗り込む。
甲板から振り返ると、ラガーがこちらに手を振っていた。
俺たちは、それに応える。
こうして、長くて、危険で、理不尽なテオスの冒険は、ひとまず幕を閉じた。
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