第七十九話 「将軍」
第零話から第六話まですべて大幅に修正しましたので、ぜひご覧ください!!
主人公グレイスとラガーの師弟関係を描く始まりの章…。
これから第七話からも随時修正予定!!
俺たちは3日間飲まず食わずでダンジョンの出口を目指して走り続けている。
そのおかげで俺たちが1階層目まで戻ってくることができた。
しかし俺たちの体はもうボロボロだ。
一瞬でも油断をすれば意識を持っていかれる。
「はぁ。はぁ。『黄金聖竜』が現れたことを早く伝えないと…」
「そうじゃな…。きっと先に行ってくれた冒険者たちが、街の人たちに伝えてくれているはずじゃ...」
俺たちは上層を目指して走っている間で会った冒険者には伝えて先に逃げてもらったが、もし、このダンジョンから『黄金聖竜』が出てしまったら、テオスの街はひとたまりもないだろう。
「はぁっ…ぜぇ…グレイス…もう限界だ…」
ウルは疲れ切った弱い声で俺に言った。
「もうすぐで着くから…。もう少し!」
俺がそう言った瞬間、俺たちの目の前にダンジョンの出口から漏れ出した、まばゆい光見えた。
「み、見えた!」
俺たちが全力で走って外に出ると、いつもにぎわっているはずのダンジョンの前は無人。
風だけが吹き抜けていた。
「はぁ。はぁ。もう逃げてくれたのか…?」
俺たちはその場に崩れ落ちる。
だが、ラガーの一言で俺たちはまた再び立ち上がることになった。
「きっとそうじゃろう…。街のほうまで行けば、討伐部隊か、ベテランの冒険者たちが集まっているじゃろう」
立ち上がった俺たちは、最後の力を振り絞って街へ走っていった。
街に到着すると、そこには純白の鎧を身にまとった兵士たちがが集まっている。
街の様子から、街の住民たちの非難は済んでいるのだろう。
俺が兵士たちのもとに駆け寄ると、馬に乗ったリーダーらしき人物が俺たちに話しかけてきた。
「あなたたちが『黄金聖竜』を発見した方ですか?」
「はぁ...。そうです...。俺がランプに閉じ込められていた『黄金聖竜』を...」
「そうですか…。では、あなた方も私たちと同行してください…もしも、大きな損害が我々に発生した場合は、あなた方に請求させていただくので、よろしくお願いいたします」
兵士のリーダーはそう冷たく言い放った。
「えっ…?」
兵士の態度に、思わず言葉を失う。
なんだ、この冷たい言い方。
すると、後ろから
ドッカーン!!
と大きな爆発音がした。
くそっ…!!
俺が恐る恐る振り返ると山の地面をブレスで突き破って表れた『黄金聖竜』の姿があった。
なんだ、あれは!?
やばいだろ! 地面を突き破って……!?
まさか、地下16階層から、ブレスだけでここまで上がってきたのか!?
ありえない…。
もう…終わった。
このテオスの街にある超貴重な文化遺産がすべて破壊されれば、数兆マーラあっても払いきれないだろう。
終わったな…。すべてが終わったな…。
俺が絶望で立ち尽くしていると、
「行くぞ!!」
「「おぉ!!」」
兵士たちがが『黄金聖竜』に向かって走っていく。
「俺らが止めなければ、この街は終わりだ!!死んでも行くぞ!!」
「「おおぉ!!」」
ガァルルルーー!!
『黄金聖竜』は金色のブレスを兵士たちに向かって吐き出した。
「こんな攻撃、テオス兵には効かんわ!!」
兵士たちは『黄金聖竜』に向かって猪突猛進のごとく突き進んでいったが、先頭にいた、リーダーが交戦に直撃すると、リーダとその馬は金色の像のように固まる。
「「ハドー隊長!!」」
見た兵士たちはひるまず突っ込んでいった。
ドゴォォンー!!
『黄金聖竜』は向かってくる兵士もすべて金の像に変え、こちらに飛んできた。
俺たちは全力で走ってきたせいで、魔力も体力もない。
あのドラゴンを止めるのは不可能だ…。
すると、後ろから人の気配を感じた。
俺が振り返ると、そこには俺の何倍はあろう巨漢が立っていた。
男は俺を見つめ語りかけてきた
「お前があのドラゴンを放したやろうか?」
「はい…」
「そうか…。わかった」
男はそう言ってドラゴンに向かって歩いて行った。
「危ないですよ!!逃げてください!!」
俺が叫んでも、男は気にも留めず歩みを止めない。
「ふん。俺は聖ロース帝国の大将軍――レイブだ。安心しろ。あんな奴俺が仕留める」
男はそう語り、背中にあった大剣を抜き、構えた。
えっ?大将軍?マジで?
風格はどこにでもいそうなただの大男って感じなのに。
「任せておけこの俺があのドラゴンを斬ってやる」
男がそう言った瞬間空気が変わった。
男は背中の大剣を構えた。
風が止み、世界が静止したように感じた。
次の瞬間、音が消えた。
巨大な斬撃が放たれ、『黄金聖竜』の体が、音もなく真っ二つに裂かれた。
「えっ…?」
俺は呆然として言葉が出ない。
あの強大な敵を一撃で…?
これが、大将軍の力なのか…!
すると、男はこちらをちらっと見つめ静かにその場を去った。
「終わった...」
俺が呟くと、ウルが俺に抱きついた。
「やったな、グレイス!!」
「ああ……終わったよ……本当に……」
はぁ。ひとまず、安心だ。
それにしてもあの男が聖ロースの大将軍だったとは...。
人は見かけによらないものだな…。
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