第七十三話 「テオス大陸上陸」
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ふぅ。
俺はテオス大陸行きの船にのって1週間が経った。もうすぐでテオス大陸に着くと聞いているが、窓から一向に見えない。
この1週間俺は、ずっと船酔いで寝込んでいた。幸い、一緒に道中で出会ったウルという狩人の魔族がいるおかげで看病をしてもらえた。
だが、俺はもともと一人でこの船を乗る予定をしていたため、持ち金が足りず、ウルのいるせいで一番安いクラスの部屋に下げるしかなかった。
そのせいで、6人の共同部屋に押し込まれた。しかも、ほかの4人がなんと、全員マッチョな男だったのだ。
その男たちは共同の部屋にもかかわらず、筋トレをし、汗のにおいが充満した部屋にいたせいで、俺の船酔いは悪化した。
この船旅は、人生最悪の船旅だった。
と思いつつ全く見えないテオス大陸にしびれを切らし、甲板に出た。
甲板に出ると多くの人でにぎわっていた。
(テオス大陸は確か数多くの遺跡が残っていて、冒険者だけではなく観光客も多いと聞いていたがこれほどとは…。)
と思っていると、ウルが後ろから俺の肩を叩いてきて、
「なぁ。グレイス?どこ見てるんだよ。こっち見ろよ」
と言われ、俺は、ウルのほうを見ると、なんとウルの後ろの海には、巨大な大陸が広がっていた。
俺が
「えっ!?」
と声を上げると
「グレイス、前と後ろを間違ってるぞ。まだ疲れているのか?」
と言われてしまった…。
(なんだ。そういうことか…)
と安心していると、船が港に着いたようだ。
俺たちは急いで部屋に戻って船から出る準備をした。
準備を終えると俺たちは一番乗りで船から降りた。
船から降りると、そこにあったのは、古代ギリシャを思わせる建物の数々だった。ここの大陸の全てが、テオス公国の領土になっている。この国は、魔族と人類が共存しており、治安も世界一位と言われている。
俺が建物の美しさに見とれていると、ウルが
「おーい!グレイス!早く行こうぜ!」
とはしゃいでいた。
この1週間でウルは大きく変わった。つい1週間前まで、人間を信用できなかったウルが、人ごみにいても平気になっていた。
俺は急いでウルのほうへ行き、
「よっし。とりあえず、ダンジョンのある公都テアネへ行くぞ」
と言った
俺たちは公都に行くために、馬車に乗った。ここから公都テアネは3時間ほどで着くそうだ。
3時間俺たちはずっと外の景色を見つめていた。外には地平線の限りまで続く草原があり、所々に壊れた神殿のようなものが立っていた。
3時間経つと古代ギリシャのような建物がずらりと並んでいた。すると、運転主が
「はい。着きました。公都テアネです。お支払いは何にします?ウェバック大陸とヴァルデリア大陸の通貨すべてに対応していますよ」
と言った。俺は
「銀貨です。」
と言い
「聖ロースの銀貨ね。なら、1金貨と2銀貨だよ」
と言われ、2金貨で支払い
「おつりは結構です!」
と言い馬車を出た。
(ふん。決まった…。俺ってかっけぇ…。)
と余韻に浸って目を閉じていると、ウルが
「すっげぇ…。」
と言葉を漏らしているのが聞こえた。俺も目を開くと、建物が街の奥にそびえたっていた巨大な山だった。
(あれが…オリンポス山なのか…)
と声が出なかった。
山頂は雲に隠れて見えなかった。
(こんな山があるだなんて…。ダンジョンは一体どんなんだろう?)
と興味とこれから始まる冒険に興奮が止まらなかった。
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