第七十一話 「旅立ち」
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はぁ。実家に帰ってきてから一日が経った。
俺は自室でこれからどうしようか考えていた。ここ五年間の俺は虚無だった。研究に没頭しすぎたのが原因だ。なぜなら俺は転生前にも大学で研究をしており、その研究を終える前に大学を退学させられ、死んでしまったからだ。きっと前世の心残りがあったからだろう。
考えていると、ここの騎士団に所属しているラングが家に帰ってきた。
俺がラングに会うために自室を出てリビングに向かうと
「おっ!グレイス。帰ってきたんだ。」
とラングに話しかけられた。俺は、
「ああ。仕事を辞めたんだ。これからどっか旅に出ようと思う」
と話すと、
「そうなのか。それなら、テオス大陸とかどうだ?古代に神々がいたとされ、今では古代の神々の使っていた道具を見つけて大儲けするためにダンジョンに多くの冒険者が集まってるらしいぜ」
と言われた。
(テオス大陸か…。たしか、地図上(世界の地図2参照)ではたしか、ウェバック大陸から北東に海を越えた先にある、大陸だよな。それに古代の神々とかかっこいいしロマンもある)
俺は
「よっし、決めた。俺、行くよテオス大陸に」
と言って俺は自室に戻り荷物を準備し、家を出た。
(確かここから東に進んだところに港があったはず)
と俺は港を目指して飛んで行った。
俺が10分ほど飛行していると、少し疲れてきたのか、羽が重くなってきた。俺は急いで速度を落として地面に着地した。
これだけ高速な飛行をするには体力と魔力が大量に必要だ。魔力の多い俺でも10分が限界に近かったのだろう。だが、港まではまだまだだ。俺は近くに街がないか探そうと『聖風走力』を使って走ることにした。
しかし、走っても走っても森ばかりで、一向に街が見える気配がなかった。
(魔力と体力が飛べる程度まで回復するには、最低でも5時間はかかるだろう…このままじゃまずい)
と考えた俺は『風竜巻』で空に上がって探すことにした。
『風竜巻』で空に上がると、地平線の限り森だった。しかし、かーなーり遠いところに一筋のけむりが見えた。
俺はそれを見つけるなり爆速でその煙の方角へ向かっていった。
俺がその場所まで向かうと何とそこにあったのは『業火聖竜』の巣だった。巣にいた10匹ほどの『業火聖竜』は俺を見るなり、俺を獲物と思ったのか、ブレスを吐いてきた。
体力も魔力も少ないときに10匹のドラゴンの相手をするのは骨が折れる。
俺は『聖水壁』を放ったが、炎のブレスによって蒸発させられてしまった。
そして、俺に向かって『業火聖竜』が炎のブレスを吐いてきた。俺は間一髪で避けたが、左腕が大やけどを負ってしまった。
だが、吸血鬼の力で一瞬でやけどを再生させ、逃げることにした。腕を再生させたことで体力はもう限界に近い。俺は最後の力を振り絞って『聖風走力』を使い全力で走った。
しかし、『業火聖竜』のスピードは速く中々撒けない。俺は時々後ろに向かって『聖水牙』を放っているが、効いている気配がない。
体力が底をついて足を止めようとした次の瞬間一筋の弓が俺の後ろの『業火聖竜』の頭に突き刺さり地面に激突した。
俺は驚いて立ち止まり『最上級防御』で全身を包むとすぐに矢が次々と『業火聖竜』の頭に当たりすべて絶命していた。
俺は矢の飛んでいた方を向くとそこには俺と同じくらいの年齢の狩人のような男が立っていた。
(助かった…)
と安心した次の瞬間男は俺の胸にめがけて弓を放った。俺は
「えっ!?」
と言いながら地面に倒れた。
(ま…麻酔矢…!?なんで…)
と思い俺はそのまま気を失った。
登場生物紹介
【ファイヤードラゴン】
種族:ドラゴン
全長:5m~7m
比較的大きめなドラゴンで大抵群れて生活している。生息地は水辺以外のほぼ全域に生息している。もっともスタンダードなドラゴンの見た目をしている。ブレス攻撃の炎の温度は3000度を超えであり、鎧などはいとも簡単に溶かしてしまう。強力な魔術でも跳ね返す強力な皮膚を持っており、非常に強い。
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