第五十二話 「止まる『世界』」
前話の最後部分の続きなのでエリーナ目線からです。前話の第五十一話「グランド・セフト・マネー」を読むことをを推奨します。できれば第一話から読んだ方がいいのです。
5月31日に約1000文字分大幅加筆しました。
エリーナ目線・・・
中に入るとそこはとにかく広かった。天井に釣り下がる大きなシャンデリア。床一面が赤色のカーペット。建物中には明かりがなく、ステンドグラスの窓からは今夜の赤い月の光が差し込んでくる。雰囲気は何年も誰も来ていないようであった。しかし、カーペットや窓などにはほこりや蜘蛛の巣などは一つもついていない。
(なんて不気味な建物なの…。金目のものだけ取ってさっさと帰りましょ)
と建物の中を歩いていると、後ろからシュッとナイフが飛んできた。そのナイフはカーペットに刺さり、鈍い音がした。その瞬間私は背筋が凍った。奥から女の声で
「あなたはただの迷い込んだ子?それとも盗人?」
といったのが聞こえた瞬間に私は恐怖で全力で走り出した。
「あー、お掃除が進まない!お嬢様に怒られるじゃない!!」
といい私の前にメイド姿の10代後半くらいの女が現れ
「今お嬢様は忙しいの!邪魔しないで!『短剣投げ』」
と言い放った瞬間。数百本のナイフが一斉に私に向かって飛んできた。私は近くにあった机の下に隠れてナイフを防ぎ切ったがまた、ナイフが次々と飛んでくる。
(はぁはぁ。このままじゃ死んじゃう…。どうにかしないと…)
私は必死に考えた末、机の下から『聖水鉄砲』を放った。だが、そんな攻撃はむなしくナイフによって防がれてしまった。
「ふん。こんな攻撃私には通じないわ。あんたなんてこれで死ね『時の死人』」
と言った。瞬間に何百本のナイフと大量の魔力の弾が私のまわりすべてにナイフに埋め尽くされてた。私は反撃も逃げる隙もなく肩と足そして、腹にナイフが刺さり、激痛が走った。
(何が起こったの…)
「あら?まだ生きてるの?あなたは運が悪いわね。あなたの死体は後で運んであげるから待っててちょうだい」
私はそのまま意識を失った。
目線は戻り、エリーナ目線から一時間後。
俺たちはエリーナを探して真っ赤な霧に包まれた不気味な建物の中に入った。
(さっきの殺気はいったい…)
と考えていると中は、どこか不気味な雰囲気だった。
「おーいエリーナ!!」
とラングが叫びながら建物の中を探索していると奥から
「おいっつ。大丈夫か!?」
というラングの声が聞終えた。俺とシビルがラングのいるところに向かうとそこには腹やナイフが刺さったエリーナが倒れていた。
「息してないぞ!おいグレイス早く『最上級回復』を!」
とラングが言うので俺はそのまま『最上級回復』を使おうとエリーナのほうに近寄ったすると奥からメイド姿の女が
「また、お掃除の邪魔をする~」
と言いながら俺に一本のナイフを放ってきた。急に放ってきて対応しきれなかった俺のこめかみすれすれを通ってい言った。だが、俺はその恐怖で固まってしまった。
「残念ながらお嬢様は忙しいの。だから帰ってちょうだい」
「エリーナはお前がやったのか?」
とラングが聞くと
「ええ。私のお掃除の邪魔をしたからよ。だからそんな目にあいたくなければあなたたちも帰って」
「なら、帰れないなぁ」
とラングが言いメイドに向かって剣を抜いた。
「あら。あなたたちもお掃除邪魔をするの?『短剣投げ』」
と言い数百本のナイフがラングに向かって飛んできた。だが、ラングも剣士だ。ラングはすべての余裕層にナイフを躱した。
「ナイフを投げるのか面白い」
「あら?私のナイフを避けるなんてすごいじゃない。でも、これであなたは死ぬ『時の死人』」
と言い放った瞬間に何百本のナイフと魔力の弾がラングのまわりに現れた。
「何!?」
俺は瞬時に『業火長槍』を放った。『業火長槍』によってラングをナイフから塞いだ。しかし、数が多すぎたため、数本のナイフはラングに突き刺さった。
「なんだ?今の?」
とラングが言いその場に倒れた。すると、メイドが俺に向かって
「あら。あなた強いわね。これはどうかしら?『短剣投げ』」
俺は『聖水壁』を放った。
ウォーターウォールはナイフを防せぎ一気にメイドのほうに向かっていった。
「まぁ!部屋が汚れるじゃない!絶対に許さないわ。『止まる「世界」』」
といい、俺に向かって炎の弾を投げたのを見た次の瞬間に俺は『最上級防御』を張る体制に入った。しかし、急に俺の目の前に数千本のナイフが全方位にぎっしりとすきまなく俺に向かって飛んできた。
(嘘だろ!嘘だろ!)
俺に向かって飛んでき、俺の体に張られかけている『最上級防御』を破壊し俺の体を突き刺した。
「グハッ!!」
ラッキーなことに急所には優先的に『最上級防御』が張られていたため、即死は逃れられた。だが、左腕と両足は言うことを聞かない。
「グレイスさん!!」
とシビルがメイドに向かって剣を抜いた。
「あら?もう一人いたの?『短剣投げ』」
「グウェッ」
だが、シビルは猛スピードで投げられているナイフによって腹をえぐられその場に倒れた。
「ふぅ。お掃除しなきゃ!」
と言ってメイドはその場を離れた。俺もラング、シビルも重傷だ。特にシビルは微動だにせず血を流している。このままでは失血死してしまう。
俺は右腕のみで這いつくばりながらシビルのほうへ行った。俺だって体中血まみれだ。さっきの攻撃炎の弾を撒いたところまでは見えた。だが、コンマ数秒もしないうちに数千本のナイフが俺の体にむかって全方位に並べられていた…。
そんなことを考えているうちにシビルのとこまでこれた。シビルの腹にはナイフが5本も刺さっていた。出血量もひどい。俺は急いで『最上級回復』を使った。いくら、『最上級回復』でも傷口を塞ぐ程度しか回復できない。だか、死ぬのは免れたはずだ。
一安心すると急に体が重くなってきた。きっと、このボロボロな体に魔力消費量の多い『最上級回復』を使ったからだろう。俺はラングに
「ラング?大丈夫?」
と言った。返事が聞こえてこなければ俺は急いでラングにも『最上級回復』をしないといけなくなる。だか、ラングは
「大丈夫だ。問題ない」
とは言ってるがラングも血まみれだ。俺たちはすぐに逃げなければならない。
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