第四十九話 「ヴァンパ国」
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街を出て一か月がたった。馬車に乗っているおかげで、快適に進むことができている。この馬車は特殊加工の馬車らしく、魔物を近寄らせない加工がされているらしい。この調子だと、数か月でつくかもしれないな。もう窓の外は暗くなっている。ラングやエリーナも寝てるしそろそろ寝るか。そう思っていると、馬車が急に止まった。
俺はなんだ?と窓から顔をのぞかせるとそこには大きな壁があった。ここは城塞都市のようだ。そして、はなにやらシビルがそこの白い肌の魔族の兵士ともめているようだった。俺が馬車から降りシビルのもとに向かうとシビルが
「あっ。グレイス殿。この街に入ろうとしたら入れてくれないんですよ。」
「今は我がヴァンパ国は隣国のマティミエスと戦争をしていたところだ。そんな怪しい馬車に乗ったやつを見逃すわけなかろう」
「はぁ。だから何にもないってゆっているじゃないですか!」
「怪しいと思えば入れるなと上から言われている。」
「まぁまぁ」
と俺が仲裁に入り
「どうしたら入れてくれますか?」
「ん~。そうだな~。じゃぁ金よこせ。300ファントムだな」
と言われると
「300ですか!?」
とシビルが賄賂の請求額驚いていた。俺はシビルに耳元で
「もう諦めてこの街に入らなかったらいいじゃん」
「そうはいきません。もう食料などは底をつきかけてますし仮に、この街に入らないとすると次の街へは2.3か月はかかります」
「えっ!?そんなに!ちなみに300ファントムって何金貨位なの?」
と聞くと
「あまり存じ上げませんが多分20金貨ほどでしょうか?」
俺はその額に驚愕した。20金貨は俺が大学に勤めていた時の給料と同額の金額だ。そんな金額簡単に渡せるわけないし、今はない。俺が断ろうとすると
「仕方がありません」
と言って馬車の荷物入れから袋を持ってきてそこから300ファントムを支払った。
「おお。出せるのか。なら通っても問題ない。さっさとけ」
と兵士に言われたので、俺はしぶしぶ馬車に乗った。馬車に乗ると俺は仕切り窓からシビルに
「よくそんだけの金あったね。大丈夫?」
と聞くと
「ええ。少し痛いですが、問題ありません。予算は10000ファントムありますから。それに、道中で少しは稼げるでしょう」
(10000!!そんなにあるのか~)
と驚いていると
「ホテルにつきました。ラングやエリーナさんを起こしてください」
と言われラングやエリーナを起こし、馬車を降りると目の前に人がっていたのはとてつもなくボロボロな家が目の前にあった。俺は本当にここがホテルなのかどうかを確認するために看板を探すと、入り口の上にカビの生えた木の板に『オールド亭』と書いてあった。ホテルなのか?と疑問に思っていると先になかで入れるか確認しているシビルがでてきて
「二部屋取れることができました。さぁ入ってください。荷物は最低限で他は馬車の中に置いといてください」
(最低限の荷物か…俺は杖だけでいいな)
と俺は杖だけを持ち出した。
中に入ると、中は薄暗く湿度が高くじめじめして、壁一面にコケが生えており床がギチギチと音を鳴らしていた。
(最悪だ…。こんな汚いホテル見たことがない。)
と絶望しながら部屋に入ると部屋も同じようにやばかった。ベットにはコケがびっしりついており、どれがコケでどれが布地かどうかわからないほどだった。だが、ここ最近ずっと馬車の中で寝ていたので腰が痛くつかれていたためそのままベットに倒れた。
気が付くと朝になっていた。
(案外寝れるものだな)
ふと、窓の外を見ると人っ子一人いなかった。
(なんだ。誰もいないじゃないか)
俺はみんなが起きるまで外に散歩に行くことにした。シビルには
「馬車で街で勝手に一人で行動しないで」
といわれているが、大丈夫だろ。ここヴァルデリア大陸ではなぜか人類は嫌われている。だが、俺は最上級魔術師だ。そこらへんにいる魔族よりかは強いいつ暴力を振るわれても大丈夫だ。
街へでるともう朝なのに人っ子一人いない。街の様子はいつものように西洋だが、フランスとかの国よりかは東欧のチェコとかのほうが近いような気がする
街を一周するのには1時間もかからなかった。
(案外小さい町だな)
俺はホテルに戻った。ホテルに戻るとちょうどラングやシビルが起きたところだった。
「グレイスどこへ行ってたんだ?トイレか?」
「まぁそんな感じ…」
俺たちは隣の部屋で寝ているエリーナを起こしにいった。エリーナはいつも通りにドアをたたいても起きない。俺はラングと一緒にエリーナの部屋に入り起こしに行った。エリーナは起こそうと肩をゆすったりするとけられるので2mほど離れたところから俺は『電気』を足に向けて放った。するとビックと動きスッと起きてきた
「はぁ~。朝か~」
とベットから立ち上がった。俺たち部屋を出るとエリーナが着替えるまで部屋の前の廊下に立った。
エリーナが部屋から出てくると俺たちはホテルの前に停めてある馬車に乗った。
馬車に乗るとシビルが
「次の街までまた、一か月の旅です」
「またかぁ~。いつ終わるんだよ~」
とラングが落胆していると
「そうですねぇ。このままいけば1年でつくでしょうが、トラブルなどが起きれば2.3年かかるかもしれません」
「嘘だろ…」
とラングが黙り込んだ。俺はふと窓を見ると外には俺が歩いていたときと同じく人っ子一人いない。気になった俺はシビルに
「なんでこんなに人がいないだ?」
「ここは吸血鬼の収める国ヴァンパです。この国の王族などは吸血鬼で昼間は活動しないため、吸血鬼ではない国民もそのルールに従っているのです」
と答えが返ってきた。
(そういえば前に倒したリリスも吸血鬼だったな)
俺たちはそのまま馬車に乗って次の街まで向かおうと城門で検査を受けているときに
「おいっ!中に乗っているのは人間だろ。お前たちがリリス様を殺したんだな」
と急に言われたするとシビルが、
「ばれました。気を付けてください!!」
と言って馬車を急発進させた。後ろからは数匹の騎馬が迫ってきている。俺は窓から『業火長槍』を放った。だが、『業火長槍』は防がれてしまった。
「えっ!?俺の『業火長槍』を防いだだと…」
と驚いていると俺の『業火長槍』を防いだ一番大きい2mはあるであろう騎士が馬車に並走してきた。
俺はその並走してきている騎士が馬車に一太刀を入れた。すると、馬車が真っ二つに切れ、俺たちは外に飛ばされた。地面が砂だったため怪我はしなかったがこの状況はやばい。馬に乗った騎士5人に囲まれている。ラングとシビルは剣を抜いていつでも戦える状態だが、この数の差では厳しいだろう。
俺は『聖水壁』を放った。だが、俺の『業火長槍』を切った騎士は『聖水壁』を一瞬で切ってしまった。
「リリス様を殺した奴がこれほど弱いとは…リリス様がかわいそうだ。死ね『氷剣』」
と言いラングとシビルに向かって斬撃を放った。ラングとシビルは瞬時に判断し防御姿勢を取ったが剣に斬撃が当たった瞬間に2人が凍り付いた。
「何!?」
俺の体は鳥肌が止まらない
(今のは魔術!?いや剣術だったはず…)
俺が焦っていると
「ふん。人類の剣術は100年遅れている。今の剣術は魔術と合わせて使うものお前たちも死ね」
「ねぇ助けてよグレイス」
とエリーナが俺にすがってきた。
俺は瞬時に『業火爆発』を放った。
爆発した瞬間あたり一面に炎が散りラングとシビルの凍っている氷を溶かすと瞬時にラングとシビルは他の4人の騎士にめがけて斬撃を放った。急な不意打ちに対応できなかった4人の兵士は胴体が真っ二つに切られ、その場で即死した。
「よくも仲間を…死ね『氷剣』」
俺は『業火長槍』をそいつの腹に向かって放った。するとラングとシビルがもそいつに切りかかった。
「「俺たちだってできるよ。なめんな『業火剣』!!」」
さすがの3方向からの攻撃には対応しきれず体が真っ二つになり死亡した。
「はぁはぁ…。やった…」
「やったのか」
俺たちは安心感でその場に腰を下ろした。するとシビルが
「さぁ早く行きましょう。また、来るかもしれません」
「わかったが、馬車は壊れてしまっている…」
と俺が言うと
「そうですね…とりあえず歩きましょう」
俺たちは仕方がなく立ち上がりそのまま歩いた。
ep42の世界地図を見返したら、マティミエス国とヴァンパ国の大きさほぼ同じでした…。ほんとはもっとヴァンパ国のほうが大きいです。すいません。
【吸血鬼】
種族:魔族
大きさ:1~1.6m
魔族の中では小柄なほうであるが、知能や魔力が高く、強い。非常に高貴な魔族であり、太陽光が弱点なので基本的に夜に行動し、昼は寝る。水(雨)も苦手である。背中の羽による飛行能力もあり、非常に強力また、自身を数十匹のコウモリにして移動することも可能。主食は主に魔物の血肉だが、本来は他の魔族の血肉を食べる。魔族の中では人間が一番おいしいらしい。血を吸った完全に吸い取った魔族を吸血鬼とすることが可能。完全に血を吸わないと相手は死ぬ。吸血鬼には純系と混系がおり、純系が生まれたころから吸血鬼であり、混系は後天的に吸血鬼になったものである。
※1金貨=10000円
1金貨=10銀貨
1ファントム=約0.6銀貨
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